週休3日の導入で生産性が高まる話

週休3日の導入で生産性が高まる話

週休3日の企業が話題になっていますが、この流れは広まるのでしょうか?
➡︎生産性が高まるため広がると思われます。

世界中で週休3日の取り組みが行われポジティブなデータがでています。社員にとっても会社いとってもいい事であればやらない手はないですね。今回は週休3日によりどんな良い結果が得られているのか紹介していきます。

週休3日の導入で生産性が高まる話

週休3日を導入することで従業員のストレスが低下し、仕事へのコミットメントが高まることが知られています。

こうした例を見て行く前になぜ1週間が7日なのか、なぜ週休2日が広まったのか、紹介していきます。

そもそもなぜ、一週間は7日なのか?

➡︎バビロニア人の考え方が広まったからです。

4000年以上前バビロニア(今のイラク)の人たちは太陽系に7つの惑星があると信じていたので7という数字が特別な力を持ったものだと信じていました。

そのため、7日を基準に生活をするようになりそれがエジプトやローマなどの主要都市にも広がっていったと考えられています。

なぜ、週休2日なのか?

19世紀になってイギリスやアイルランドのあるブリテン島の人たちが日曜日にお酒やギャンブルなどで遊びすぎて月曜の午前中に仕事を休んでいたからという説があります。

また、アメリカのユーイングランド州の工場で働いていたユダヤ人が土曜日を礼拝のために使い、キリスト教の人たちが日曜日は働かないため土日を休みにしたという説もあります。

このように、週休2日には何の根拠もないようです。
そのため週休2日は不効率なんじゃないか?と言う疑問が出てきました。

週休3日の科学的データ

最近では生産性を高めるための労働時間が研究されています。

Marianna Virtanenが2009年に発表した論文によると55時間働いた人は40時間しか働いていない人よりも認知力が低下し、考える力も落ちていることが分かりました。

仕事と健康の関係について40年間調査してきたUK Faculty of Public Healthの代表のJohn Ashtonは仕事により鬱や心臓病になる危険性を指摘しています。

また、週休3日にすることで生活を楽しめるようになり血圧が下がり、精神的健康が高まると言っています。


ヒューストンのコンサルティング会社のDavid Stephensは会社のチームを週休3日で10時間労働と週休2日で8時間労働のチームに分けて仕事をさせました。

その結果、週休3日のグループの方が病気で会社を休む人は減り、従業員のパフォーマンスが高まっていました(A)。


また、日本のマイクロソフト社では生産性が40%高まり、電気コストが23%減り、平均の会議の時間が60分から30分になったとしています(A)。

さらに、Perpetual Guardianというニュージーランドの金融関連の会社では週休3日にすることで
・ストレスが45%から38%に減少し、
・ワークライフバランスのスコアは54%から78%に上昇し、
・仕事へのコミットメントも増大したそうです(A)。

ただ単に週休3日にすればいいわけではない

他にも似たような結果がたくさん出ています。

しかし、ただ単に週休3日を導入するのではなくその効果を持続させるための工夫もされているようです。

例えば顧客の満足度が低下しないように自分の仕事がどんな意味なあるのか考えさせて仕事をさせたり、ワークライフバランスを充実させるため長期での休みも取りやすくしたようです。

また、生産性が下がったら元の週休2日に戻すと宣言することも効果的だったとしています。従業員は仕事の生産性を高めるため効率的なアイディアを出すようになり、やる気の向上につながったかもしれないと考えられています。

週休3日を取り入れるなら周りが導入しているからというネガティブな理由ではなく社員のワークライフバランスのためというポジティブな理由の方が効果が出やすいかもですね。

週休3日を促進する制度

最近ではワシントン州が標準の労働時間を32時間に決めるなど週休3日の流れが加速しています

上記の実験のように一日の労働時間を10時間にするのではなく8時間のままで週休3日にするようです(A)。

休みの重要性

仕事は時間に比例して成果も出ると考えてしまいがちですが、実はそう単純ではないようです。

Tony Schwartzによると休んだ後の90分というのは高い集中力を発揮できるようなので90分仕事をして休みを取るというサイクルが良いと述べています。

また、退屈な仕事をした方が創造力が高まるという研究もあります。そのため、退屈な書類仕事とクリエイティブな仕事を交互に行った方が生産性の高い仕事が出来るかもしれません。

なぜ生活にゆとりが生まれないのか?

私たちは生活を豊かにするために仕事をしているはずです。経済は発展しているのに仕事は忙しくなるばかりで生活にゆとりが生まれません。

The Atlanticの記事によるとテクノロジーが進化しても私たちが家事に費やす時間は増加しているようです。1920年代専業主婦が1週間に家事に費やす時間は51時間でした。それが1950年代には52時間となり、1960年代には53時間となったそうです。

なぜこうしたことが起きたのかというとテクノロジーの進化と共に家事への期待も上昇したからだとされています。

例えばお掃除ロボットが開発されたから余った時間で窓やテーブルもきれいにできるはずだ、というような期待ですね。
他にも料理にかけていた時間が減った分買い物の時間が長くなった、なども挙げられています。

こうした状況を変えるためには個人の考え方だけでなく制度を改善していかなければならないと指摘されています。いろんなものが簡単に手に入るようになって豊かになっても幸福感が高まらなければ意味がありません。

週休3日で効率よく仕事ができ、家族との時間も増えると良いですね。

まとめ

今回は週休3日にすることで生産性が高まるという話を紹介しました。

仕事は人生を豊かにするために行われるため、週休3日でストレスが減り生産性や幸福感が高まるのであればやらない手はないかと思います。

生活にゆとりが生まれない原因のように常に高い期待をもって過ごしているときりがないです。もしかしたら、人生を振り返ったときに後悔するかもしれません。今の常識に疑問をもって賢く過ごしていくのが大切だと思います。

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