ストーリーで伝える4つの心理的効果
なぜストーリーを聞くと心が動かされるのでしょうか?
➡︎人は論理ではなく感情で行動する生き物だからです。
誰かを説得するときやプレゼンテーションをするときなどストーリーを用いた方が相手に伝わりやすいとされています。
今回はプロフェッショナルは「ストーリー」で伝えるを参考にストーリーの心理的効果を紹介します。
ストーリーで伝える4つの心理的効果
著者のアネット・シモンズはマイクロソフトやNASAなどを顧客としてもつコンサルタント会社の創業者です。
今回紹介する内容は著者の経験を元に書かれています。
?ストーリーで話す心理的効果
- 相手と物語を共有できる
- 本当の欲求に働きかける
- 人間的側面に触れることができる
- 現実味を感じさせる
相手と物語を共有できる
何か方法論を話すときは相手と対立してしまうことが多いです。
例えば、A案とB案でどちらが優れているかと言った議論をする場合、過去のデータを使って相手との比較を行います。
しかし、ストーリーの場合はこうした対立が起きません。物語を共有する時に勝者も敗者もないからです。
ストーリーには合気道のように相手の力を別方向に切り替える力があるとされています。
本当の欲求に働きかける
私たちは利己的な欲求に動かされています。
ストーリーは利己的な欲求を満たすために人々の思考や行動に推進力を与えます。
なぜ、こんなことができるのかと言うとストーリーには人の本当の欲求を明らかにする力があるからです。
人は自分の望んでいるものが本当に欲しいものかどうか分かりません。
例えば、こんな話があります。ある人が「お金が欲しい」、「友達が欲しい」と言う人にその理由を訊きました。さらにその理由についての理由を訊くと言う作業をしていくと、結局は大半の人が「人に認められたい」と言うのが本当を欲求でした。
こうした話を聞くと自分の本当の欲求も「誰かに認められたい」なのかも知れないと感じることが出来ます。
人間的側面に触れることができる
人はデータや理論だけでは動きません。
何が正義なのか論理的に説明できないように、正しいことは理屈抜きの直感的感覚によって判断しています。
そのため、ストーリーを使うと聞き手は相手も同じ人間なんだと感じ、親近感を抱きます。これは論理的、理性的なデータだけでは得られない効果です。
例えば、何かの商品の紹介をするときにその商品が持っている特徴があって助かった、とかこの商品がなかったために妻に怒られた、などの話をすると人間味が伝わります。
こうしたストーリーが相手の経験と似たものであれば、人間の共通する根っこの部分を共有できたような感覚になります。
現実味を感じさせる
優れたストーリーはまるで自分が体験したかのように頭の中に残っています。
例えば、面白かった映画やドラマなど何年経った後でも覚えていることがあると思います。他にも催眠術師もこうしたストーリーを使って相手の感覚や意識を操っていると言われています。
そのぐらいストーリーの力は強力です。
ビジネスの面でもストーリーを使うことで相手にその話を疑似体験させ「YES」を引き出しやすくします。
ストーリーを伝える時の6つの注意点
ストーリーが心理に与える影響を見てきましたが、ストーリーを使うときの注意点もあります。
この注意点を守れないと効果が出にくくなるので確認しておきましょう。
道徳心に従う
ストーリーの力を乱用して人々を間違った方向へ導いてはいけません。
例えば、滅多にない事例をあたかも一般的な事例のように紹介するのは事実ではないのでよくないでしょう。あなたの話を信じた人は損をし、あなた自身も信用してもらえなくなります。
上記に書いたようにストーリーには大きな心理的効果があるため正しく使わなければ不幸を生み出してしまいます。
優越感を抱かない
もしストーリーがうまく伝わり相手が思ったように動いたとしても優越感を感じては行けません。
自分の力を過信して過ちを犯すのを避けるためもありますが、重要なのは影響力を維持するためです。
相手を見下してしまうと些細な仕草や言葉遣いに現れ、相手は気分を害します。そうでないとしても、相手が自分に対しての依存度を強めていると言うことなので好ましい結果が得られません。
例えば、偉そうに振る舞う上司などが良い例です。結果を出している時には従うかも知れませんが、不満はくすぶっていて少しの失敗があっただけで部下が一気に離れていきます。
退屈させない
ストーリーを使っていてもそれが退屈なものであれば効果が出ません。
退屈させないためにどうすればいいの?と言う問いに対しては相手の興味と自分の興味が一致する必要があるので難しいのですが、いくつかテクニックがあります。
- 具体的に話す
- 話すのをやめる
- 聞き手に質問する
具体的に話す
例えば、ダイエットについての話をする時に脂質や糖質がどんな病気を引き起こすか、と言う話をするよりもアメリカ人で日本食を食べる人は心臓病のリスクが20%下がる、と言うような話をした方が興味を引きつけます。(このデータは適当です。)
話を一般化しようとすると相手の興味を削いでしまいます。具体的な話もまじえると相手は興味を持ちやすくなります。
話すのをやめる
なにそれ、と思うかも知れませんが、退屈な話よりはマシです。
話すのをやめると退屈な世界から現実に連れ戻すことができます。退屈な話を続けるよりも相手が退屈しているなと思ったら一旦話すのをやめ現実に連れ戻しましょう。それから、再び話始める方がまだマシです。
聞き手に質問する
退屈な話になっていないか訊いて見ましょう。
「楽しく聞いています。」と言われればそのまま自信を持て話を続けられます。「退屈してる。」と言う返事だった場合「何か質問はないか」、「どうすれば退屈で無くなりますか」と聞いて見てもいいでしょう。
聞き手に相手のストーリーを話させても退屈はまぬがれます。
ただ、聞き手とのやりとりが多くなりすぎると逆に退屈になるので適度に調整しましょう。
まとめ
今回はストーリーで話す心理的効果について紹介しました。
ストーリーの力を活かすためにも注意点を守って使いましょう。
過去にストーリーで伝えることの利点やどんなストーリーが有効なのか、どんな伝え方がいいのか紹介しています。
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