研究職にどのぐらいの英語力が必要なのか?理由と勉強方法も紹介します。
- 研究職にどのぐらいの英語力が必要なのか知りたい
- 英語力がどのように役立つのか知りたい
- 研究職に就くための英語の勉強方法が知りたい
研究職に就くなら英語力は必須だよ、と言うことを聞いたことがあると思います。当然、論文を読んで知識を増やすために英語力は必要です。しかし、具体的にどのぐらいの英語力が必要なのか分からない人も多いのではないでしょうか?明確な目標がわかった方が英語の勉強も捗ります。
この記事を読むことで研究職に必要な英語力とそれを身につけるための効率の良い勉強方法がわかります。
研究職にどのぐらいの英語力が必要なのか?理由と勉強方法も紹介します。
研究職に必要な英語力とは、ズバリ論文を読むのに1時間もかからないぐらいの英語力です。論文によって長さが違ったり、内容の難しさが違いますが論文を1から全て読むのに平均で1時間ぐらいを目指せばいいと思います。
もちろん、英語力は高ければ高いだけ良いのですがある程度実力が付いてくると勉強した成果が現れにくくなり、コスパが下がってきます。そのため、一定の英語力が身についたらあとは別のスキルを身につけた方が役立ちます。
では、なぜ論文を1時間で読めるぐらいの英語力が目安となるのでしょうか?
1時間で読めれば日本語で読むのとほぼ同じレベル
私は学生時代に自分の英語を読むスピードと日本語を読むスピードでどのぐらいの差があるのか検証したことがあります。
最初に英語で論文を読み、理解するのに1時間かかりました。
その後、グーグル翻訳で日本語訳して論文を読んでみると理解するのにほぼ1時間かかりました。意味の通じない日本語になっているところもありますが、なんとなく意味が分かります。意味が分からなくても「英語をこうやって翻訳したんじゃないかな」と想像しながら読むとわかることもあります。
英語で事前に理解しているの翻訳後の読むスピードと単純に比較できないですが、目安になる結果だと思っています。
この結果から論文を読むのにさらに時間を縮めるためには英語力ではなく、速読力が必要と分かります。
ほぼ日本語を読むぐらいのスピードで読めているので英語力の問題ではないですよね。
ちなみに、この時の私の英語力はTOEICで680点から780点ぐらいです。(大学院に入学した時が680点で卒業した時が780点でした。)英語力を試すのにTOEICを使っている人も多いでしょうからこれぐらいの点数を目安にしてもらえればと思います。
専門用語も理解しないといけない
ただ、TOEICに出てこない数値もあります。特に専門用語なんかはTOEICと全く関係ないので専門書や論文をどれだけ読んで勉強したかが重要になります。
また、論文をいくつも読んでいると何となくパターンが予想できるようになってきます。この実験でこういう結果だったらこんな考察するだろうな、と予想をしながら論文が読めるので読むスピードが速くなります。
当時の私は毎日1報は論文を読むぐらい勉強していたので1時間で読めたのかもしれません。
本当に英語力は必要?
ここまで読んで日本語を読むぐらいに英語を読めないといけないの?と思ったかもしれません。
確かに、論文を隅々まで読むということは本当に重要な論文でなければあまり無いでしょうし、研究をする上で英語力がなくて困ったことがない、という人もいると思います。
しかし、研究職を目指す上でこうした小手先のテクニックに頼れる範囲は限られてきます。実力がなくてテクニックで誤魔化すよりも実力がある上でテクニックを使った方が読み落としが減ったり、情報源の幅を広げることができます。(論文だけではなく各シャーなるが出している記事なども参考にできます。)もちろん、英語力がある方が情報収拾のスピードも速いです。
学生のうちは研究だけ取り組んでいればよかったかもしれませんが、企業では実験はもちろん他の人も分かるようにデータをまとめて提出しなければなりません。また、ラボの機器の整備や試薬や資材の管理、実験結果によっては新しい分野の論文や特許を読む必要が出てきたり、海外のライバル会社の情報や試薬の情報を集めたりしなければなりません。
こうした中で英語だから情報収拾に手間取っています、という言い訳はプロとして失格です。仮に研究職で就職したけど英語を使うことが少ない、という人は言われた仕事しかしていない可能性が高いです。研究の面白さというのは実験自体ではなく、その実験から新しい論理を積み上げていくことにあります。
そのため、研究職を目指すのであれば学生のうちに英語力を身につけて少ない時間でも情報が集めれるように準備しておくべきでしょう。
オススメの勉強の仕方
英語力の重要さがわかったところでオススメの勉強方法について紹介します。私が英語力を身につけた方法なので参考になればと思います。
まずはTOEICです。
TOEICでは使える英語が身につかない、という批判もあります。しかし、私の経験上、TOEICは英語の基礎力を身につけるためにとても役立ちます。文法や読解力、リスニングなど私の英語力の土台はTOEICで身につけました。さらに、TOEICは情報量が多いので情報を処理する能力も身につきます。
私はプレ試験がいくつも載っているような参考書を買い、何度も繰り返し解いて間違ったところを学ぶ、という方法で勉強していました。
このおかげで論文を読んだときにも分からない単語を調べるだけでほぼ理解できるようになっていました。
SienceやNatureの記事を読む
有名雑誌では毎日新しい情報が更新されています。専門性は論文よりも劣りますが専門用語や論文よりもフランクな表現が学べます。さらに、情報自体も面白いものが多いので興味を持って読むことができます。
あまり、私は勉強だと思わず暇なときに楽しみながら読んでいました。しかし、論文を読んだときに専門用語が分かるようになっていたので役に立ったと思います。
論文を読む
結局は論文です。情報を収拾するにしても多くは論文や特許が元になります。論文と特許は似たような表現を表現しているので論文を読めるようになっておけば特許も速く読めるようになります。
私は大学院生の頃ほぼ毎日1報読んでいたので企業に就職して時間がない中でも論文を読んで情報を蓄えることができました。その甲斐もあって、自分でプロジェクトを立てて順調に進めることが出来ました。勉強していたのでどの実験が上手く行きやすいか予想を立てれたのが大きかったです。
まとめ
今回は研究職にどのぐらいの英語力が必要なのか、その理由や勉強方法を紹介しました。
英語力は専門知識と違ってすぐに身につく力ではありません。そのため、時間をかけてじっくりと取り組む必要があります。
英語を読むのに手間取っていると肝心の仕事が進まないので効率を上げるためにも英語力を鍛えておきましょう。