相手を知るためには価値観から。シュワルツの価値観理論

相手を知るためには価値観から。シュワルツの価値観理論
この記事はこんな悩みを解決します
  • 相手の価値観が理解できるようになりたい
  • 価値観についてどんな分類があるのか知りたい
  • シュワルツの価値観理論について知りたい

現代ではテクノロジーが発達し裕福になったために各々の価値観に基づいて生活できるようになってきました。相手がどんな価値観を持っているのか、自分とどこが違うのかを理解し合い生きていかなければなりません。

今回は2012年にShalom H. Schwartzによって書かれた論文に基づいてシュワルツの価値観理論を紹介していきます。

相手を知るためには価値観から。シュワルツの価値観理論

私たちは価値観に基づいて様々な判断を下しています。

価値観により判断される項目
  • 目標設定
  • 善悪の判断
  • 損得の判断
  • 社会的関係性の構築

つまり、価値観を理解することは相手の行動の原理原則を理解することに繋がります。

シュワルツは価値観を10個に分類できるとしました。
しかし、10個を覚えて相手の価値観を判断するのは難しいですよね。

そこで、価値観が相対的という性質が役立ちます

価値観は相対的

私たちが価値観に基づいて行動するときには他の価値観との相対的重要性を比較しています。
例えば、伝統を重んじる人は快楽を犠牲にしていたり、安産性を重んじる人は刺激性を犠牲にしています。
こうした価値観の相対性を決定したのがシュワルツの優れた点だと言われています。

こうした価値観の相対性を利用して価値観を4つと型に分類できます。

価値観の4つの型

価値観を4つに分類するために2つの軸があります。

価値観を分類する2つの軸
  • 関係性
  • 探究心

関係性

個人を重視するかと社会を重視するかの違いがあります。
個人を重視している場合、個人的な興味や特徴をどのように社会に示していくかに関心があります。
社会を重視している場合、どのように社会と関りを持っていくかに関心があります。

探求心

探求心が高いか低いかの違いがあります。
探求心が低い場合、失敗や目的が無くなることを恐れ、脅威に対して保守的になります。
探求心が高い場合、失敗を恐れず、新たな目標を見つけて能力の向上を目指します。

4つの型

価値観は関係性の違いと探究心の違いにより自己強化型、変化寛容型、保守型、自己超越型の4つに分けられます。

価値観は相対的なので退避する価値観の型の考え方を理解しにくいという特徴があります。
例えば、自己強化型の人はは自己超越型の人の価値観が理解しにくく、変異寛容型の人は保守型の価値観を理解しにくいです。

では、それぞれの型に含まれる価値観について詳しく紹介します。

シュワルツの価値観

それぞれの型に含まれる価値観がお互いに似ているという特徴があります。

自己強化型
  • 達成他人と競争して勝ちたいという欲求です。
    自分の有能さを示し社会的な承認を得たいという価値観から生じています。
  • 権力社会的ステータスや人や資源を支配したいという欲求です。
    社会の一部ではなく支配的なポジションを守りたいという価値観から生じています。

個人のアイデンティティーを重視する価値観ですね

変異寛容型
  • 快楽主義…喜びや満足感を感じたいと言う欲求です。
    うれしいことや楽しいことを行って快楽を得たいという価値観から生じています。
  • 刺激性…生活の中での挑戦的なことや興奮することに取り組みたいと言う欲求です。
    リスクを冒してでもメリットを取りに行く価値観から生じています。
  • 自己指示…選択や創造、開発を自分で決めて行いたいと言う欲求です。
    自主性や独立性などの生物学的な欲求に基づいた価値観から生じています。

個人の感情を重視する価値観ですね。

自己超越型
  • 慈悲…個人的な付き合いのある人の福祉を守りたい、充実させたいという欲求です。
    手助けや許可、愛情などにより家族や組織との関係を積極的に高めていきたいという価値観から生じています。
  • 普遍主義…すべての人々や自然の繁栄を守りたいという欲求です。
    社会的正義や世界平和、地球環境を守っていきたいという価値観から生じています。

全ての人を尊重する価値観ですね。

保守型
  • 安全性…生活の安全や安定への欲求です。
    社会的秩序や家族の安心、健康、組織への所属を重視する価値観から生じています。
  • 適合性…他人を傷つけたり、社会的規範を害する行動や傾向を抑制したいという欲求です。
    他社との関りを円滑にするために秩序や礼儀、尊敬の念を重視する価値観から生じています。
  • 伝統の価値観…文化や宗教に基づいた考えや習慣を大切にしたいという欲求です。
    考え方や習慣といった抽象的な概念を守っていきたいという価値観から生じています。適合性も保守的な価値観を示していますが、適合性が具体的な概念を対象としているのに対し、伝統は抽象的な概念を対象にしています。

社会の秩序を重視する価値観ですね。

まとめ

今回はシュワルツの価値観理論について紹介しました。

相手がどの価値観の型か見抜けると相手のモチベーションや行動規範がわかり適切な関わり方ができるようになります。

現代では価値観が多様化していますので相手の価値観を尊重して行動するよう心がけましょう。

他にも相手が成功に焦点を当てているか、失敗しないことに焦点を当てているかで考え方が異なるという理論もあります。

参考文献
An Overview of the Schwartz Theory of Basic Values

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