仕事とプライベートを充実させる科学的に正しい過ごし方

プライベートを充実させる科学的に正しい過ごし方
この記事はこんな悩みを解決します
  • プライベートの正しい過ごし方が知りたい
  • 自分のプライベートの悪い点を見つけたい
  • プライベートが充実していないとどんなリスクがあるのか知りたい

仕事を頑張るためにはプライベートをどの様に過ごしたらいいのでしょうか?しっかり休んだのに仕事のモチベーションが上がらない、という人も多いと思います。これはプライベートの過ごし方が間違っているからです。今回は仕事を頑張るために必要なリソースをプライベートから得る様にしようという話を紹介していきます。

この記事を読むことでプライベートを正しく過ごし仕事が頑張れる様になります。

仕事とプライベートを充実させる科学的に正しい過ごし方

正しいプライベートの過ごし方とは仕事から得られないリソースを得る様に行動することです。

リソースとは人間関係や健康、お金、生きがいなど自分のモチベーションに影響を与えるもののことを言います。

例えば、仕事とプライベートがうまく区別できていないと疲労がたまり仕事に集中できずモチベーションが低下しますよね。この場合、疲労がリソースを低下させているのでプライベートで運動したり、睡眠時間を確保することが重要になります。仕事で生きがいやお金を得ているのにプライベートでも仕事をしても生きがいやお金のリソースは天井まできているので伸びません。それよりかは疲労を回復させることを優先しましょう。

オランダのエラスムス・ロッテルダム大学の研究ではプライベートにリラックスできると仕事にコミットし易くなるということが分かっています(R)。

モチベーションのリソースは仕事からも得られているので仕事では得られないリソースをプライベートで確保しよう、ということですね。

しかし、リソースを増やすと言っても人によって様々でよくわからない、という人もいると思います。

アムステル大学の研究者は仕事とプライベートの両方で3つのリソースを確保したら良いと述べています(R)。

3つのリソース
  • 健康
  • 生産性
  • 幸福感

リソースにはお金や生きがい、人間関係などありますがこの3つに集約される、ということですね。

ただ、健康、生産性、幸福感は独立している訳ではなくそれぞれが関連し相乗的な効果があります。3つ全てが揃わないと仕事が頑張れなくなっていく、ということですね。

では、それぞれの項目についてどのように充実させて行けば良いのでしょうか?

健康を高めるプライベートの過ごし方

健康を低下させる原因としてよくあるのが肩こりや背中の痛みです。デスクワークが多く、長時間同じ姿勢でいる人は多いのではないでしょうか?

そうした場合に肩こりや背中の痛みだけでなくストレスがたまり下痢や疲労感の原因になります。仕事でデスクワークを減らすというのは仕事の都合もあり難しいと思います。

では、どの様にプライベートを過ごせば良いのでしょうか?

健康のためのプライベートの過ごし方
  • 適度な運動をする
  • マッサージを受ける
  • バランスのとれた食事をとる
  • 読書、音楽を聞く、映画を見るなど好きなことをする
  • マインドフルネスを高める

自分の体のケアをする過ごし方ですね。

疲れているからと言ってだらだらと過ごせがいい、ということではありません。運動を始める前は面倒だな、と思うかもしれませんが始めてみるとそこまでストレスに感じません。最初の一歩が一番重いだけなので無理やりでも始めてみましょう。運動が終わると爽快感がありストレスが発散します。あまり負荷をかけると次に運動したいと思わなくなるので軽めの運動にしましょう。

特にオススメなのがマインドフルネスです。ストレスがかかると休日でも仕事の不安でプライベートに集中できません。これではせっかくのプライベートも楽しめません。
マインドフルネスの具体的な方法は下記の記事を参考にしてください。

生産性を高めるためのプライベートの過ごし方

仕事でもプライベートでもやらなければならない作業があると思います。その作業の生産性を高めることでモチベーションが維持できます。

仕事での生産性を高める方法としてチームの規模を最適化する、口頭で報告する、残業しないなどの方法があります。一方、プライベートの生産性を高める方法として食洗機を使ったり、お掃除ロボットを使うなどがあります。

この様な工夫が生産性を高めモチベーションアップに繋がります。

仕事とプライベートは分けた方が良いのか?

一般的には仕事とプライベートを分けた方が良いとされています。

しかし、仕事とプライベートを分ける、という話をすると「やりたくない仕事をやっているからではないか?」という反論があるかと思います。

確かにやりたい仕事なら休日返上で取り組んでも仕事にコミットできるかもしれません。プライベートでもスキルが学べるので生産性が向上する、と考える人もいるでしょう。

しかし、いつも仕事が上手くいくとは限りません。
成果が出続ければいいのですが、必死で頑張っても成果が出なかったり、他人が簡単に成果を出しているのを見るとモチベーションが低下することがあります。

また、イギリスのラフラバー大学で行われた研究ではプライベートでも仕事をする場合、どの様に仕事をしたらいいのかが分かっています。(R)。

プライベートでも仕事をする場合
  • 仕事と関連の少ないことを熱心にやる
  • 仕事と関連の深いことを適当にやる
仕事と関連の少ないことを熱心にやる

生産性が高まった理由として仕事と関連の薄いことをすることで新たなリソースを得られたとされています。

新たなことにチャレンジするとすぐにスキルが向上し「自分にはできる」という感覚を育てることになります。そのため、仕事でネガティブなことがあったとしてもプライベートで相殺でき仕事の生産性を維持できます。

ちなみに、この「自分にはできる」という感覚を自己効力感といい、モチベーションを高め困難なことにも挑戦する原動力になります。

仕事と関連の深いことを適当にやる

生産性が高まった理由として本業での経験が活かされたことが考えられます。

仕事のとき程熱心に行わなくても作業が前に進むので「自分にはできる」という感情が生まれました。

一方で仕事との関係が深い作業を熱心にしていた人だと仕事のストレスや疲れを発散することができず自己効力感も下がりました。また、仕事に関係ない作業を適当にやっていた人だと作業が前に進まないため自己効力感が下がっていました。

この様に仕事とプライベートを分けなくてもいいのですが、プライベートで仕事をする場合は「自分にはできる」という感覚を高めると良い、ということですね。

幸福感を高めるプライベートの過ごし方

私たちが感じる幸福感には給料のアップや目標の達成からくる幸福感と他人への貢献や家族や友人との繋がりからくる幸福感があります。

多くの人はお金に注目して自分の幸福感を測定してしまいます。暮らしの質などは他人と比較しやすいのでどうしても他人と比較してしまいますよね。しかし、他人との比較はキリがないので自分の幸せが何なのか自分の軸をはっきりさせた方が幸福感が高まります。

実際に行動経済学者のダニエル・カーネマンはお金だけでは人間関係や社会に役立つことからくる幸福感が高まりにくいことを発見しています(R)。

ただ、お金がないと幸福感が下がってしまうのも事実です。そこで、幸福感を高める効率的なお金の使い方を紹介しておきます。

幸福感を高めるお金の使い方
  • 経験にお金を使う
  • 他人のためにお金を使う
  • 時間を短縮するものにお金を使う

経験のためにお金を使う

2009年にオハイオ州立大学で行われた研究では経験にお金を使った方が幸福感が高まるということが分かっています(R)。大学の学生に約3万5千円の買い物をした時にそれが記憶にしか残らないものか、物質的なものか、で幸福感にどの様な違いがあるか比べました。

その結果、記憶にしか残らないものにお金を使った方が幸福感が高まっていました。また、お金を払って良い経験ができなかったとしても経験を購入した方が幸福感が高まるということも分かっています。

旅行に行く

記憶にしか残らないものの代表として旅行があります。ストレスの発散のために旅行に行くという人も多いのではないでしょうか?

多くの研究でも旅行に行くことで日々の生活から抜け出す事ができ、好奇心を満足させれるという事が言われています。

さらに、2013年にJiyin Caoによって発表された論文ではどんな旅行が幸福感を高めるのか研究されています。その結果、旅行後の幸福感が高まっていた旅行の行き方に2つのパターンがみられました。

幸福感が高まる旅行の行き方
  • とてもリラックスできる旅行に行く
  • 少しストレスになる旅行に行く

全てが予定通りに進んでストレスを感じない旅行で幸福感が高まった、というのは理解できます。しかし、なぜ行列に並んだり悪天候にだったりと少しストレスがあった方が幸福感が高まるのでしょうか?

この理由として旅行でストレスを感じる事で普段の生活のストレスを感じにくくなる、という事が言われています。要はストレスに耐性ができた、という事ですね。ただ、旅行が全くスケジュール通りにいかないなどストレスが強すぎると普段の生活に戻っても幸福感が低下したままになる様です。

他にも旅行に行く前にも予定を考えるだけで幸福感が高まるということも分かっています。旅行はお金の使い方としてオススメですね。

他人のためにお金を使う

2008年にハーバード・ビジネス・スクールで行われた研究では他人のためにお金を使った方が幸福感が高まることが分かっています(R)。この実験では約600円を被験者に配り自分のために使ったグループと他人のために使ったグループの幸福感を比べています。

この結果、他人のために使った方が長期的に幸福感を高めていることが分かりました。しかし、多くの人は自分のためにお金を使った方が幸福になると信じてしまいます。

時間を短縮するものにお金を使う

2017年にプリンストン大学で行われた研究では時短になるものにお金を使うと幸福感が高まるという結果が出ています(R)。6000人以上の被験者を対象に何を購入した時に幸福感が高いのかメタ分析を行なっています。

その結果、時間を短縮したり生み出したりするものを購入すると幸福感が高まっていました。具体的なものは書いていませんでしたが、ロボット掃除機や食洗機などが当てはまると思います。また、この研究はアメリカ、カナダ、デンマークなど様々な国で共通した結果が得られています。

他にも幸福感についての研究は以前の記事でまとめているので参考にしてください。

悪いプライベートの過ごし方

良いプライベートの過ごし方を紹介してきましたが、悪いプライベートの過ごし方も分かっています。こうした過ごし方をしていないか確認しましょう。

悪いプライベートの過ごし方
  • 仕事の準備をする
  • 掃除や炊事などの家事をする
  • 子供の習い事の送り迎え

どれも義務感があるというところが特徴です。「〜しなければならない」と思うと仕事のように感じてしまい次の日の活力が下がってしまいます。

しかし、だからと言って家事や子供の世話をしない、というわけには行きません。そのため、家事を分担したり、お掃除ロボットや食洗機を買う、家事代行サービスを使う、という方法で負担を少なくして行きましょう。

プライベートが充実していないことのリスク

プライベートを充実させる方法について説明しましたが、プライベートが充実していないことでどんなリスクが高まるのか紹介します。

オランダのアイントホーフェン工科大学の研究ではプライベートで心理的に仕事から離れている人ほど健康的に仕事ができるという結果が出ています(R)。

具体的には下記の効果が確認されています。

  • 疲れを感じにくい
  • 集中して仕事ができる
  • 睡眠障害になりにくい
  • 鬱症状が少ない
  • 健康問題が少ない

長く仕事をするためにもプライベートを充実させて行きたいですね。

まとめ

今回はプライベートを充実させるための正しい過ごし方を紹介しました。

私も熱中し始めたら休むことを忘れて仕事をしてしまうタイプです。しかし、こうしたプライベートを充実させると仕事にコミットできるようになるという研究を知って意識的にリラックスする時間を作るようになりました。

リラックスする時間のために時間を決めて仕事をするのでダラダラと仕事をすることがなくなったように思います。気持ちの切り替えが集中力を高めるのに役立つのかも知れませんね。

参考論文
The relationship between leisure activities and psychological resources that support a sustainable career: The role of leisure seriousness and work-leisure similarity

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