【管理職の一番大切な役割とは?】9割の管理職が分かっていない事実を紹介します
- 管理職の役割って何?
- 管理職としての仕事がうまくいかない
- 管理職の役割を果たすためにどんな能力が必要か知りたい
自分は管理職としての役割を果たしている、と言い切れる人はあまりいないのではないでしょうか。管理職の役割とは何か?という質問に対する答えは明確に定義されていないように思います。今回はこの疑問に対して様々なデータを元に明確に答えていこうと思います。
この記事を読むことで管理職の重要な役割を果たす事ができるようになります。
【管理職の一番大切な役割とは?】9割の管理職が分かっていない事実を紹介します
管理職が企業にとって重要な役割を果たしているということは多くの人が同意してくれると思います。ただ、業績だけでなく様々な影響が出るということはあまり知られていないように思います。
アメリカのコンサルティング会社のギャラップ社がおこなった調査では管理職が正しく役割を果たさない事で会社の業績だけでく、従業員やその周りの人に対して様々な悪影響が及ぶ事がわかりました。
管理職が役割を果たさない事による悪影響
会社の業績への影響は当たり前なのでそれ以外の悪影響について紹介していきます。
- 従業員の健康被害の増加
- 仕事量の低下
- 従業員以外への悪影響
従業員の健康被害
ギャラップ社の調査によると63%の人が仕事のストレスからタバコやお酒に頼ってしまったと答えています。また、サポート不足からくるストレスとタバコ、お酒の利用はかなり高い相関があるという結果が出ています。
頼れる上司がいないことでストレスを抱え込むことが多くなり、そのストレスを解消するために健康を悪化させてしまうようです。
仕事量の低下
管理職が役割を果たさない事で下記のような影響が出て従業員の仕事量が減ります
- 従業員は休みがちになる
- 予期していなかったトラブルに対処できない
- 仕事の質が低下する
ギャラップ社の報告によると従業員が休みがちになることで世界の4500憶から5000憶ドル分の生産性が低下していると指摘しています。
上司が役割を果たさないと部下の仕事が楽しくなくなります。また、仕事に熱中できないため仕事の質が低下し仕事が前に進みません。
従業員の以外への影響
仕事でのストレスは自分の健康だけでなく自分の周りにも悪影響を与えます。
仕事のストレスが家族や友人に影響したと答えたのは81%に達しています。辛いことが会った時に家族や友人に塩対応してしまうことがよくあるかと思います。
こうしたデータから管理職は仕事以外にも様々なところに影響を与えていることが分かったと思います。
管理職の役割とは?
それでは管理職の一番大切な役割とは何でしょうか?
それは部下のインナーワークライフをサポートすることです。
- 感情
- 認識
- モチベーション
ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビールの著書マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力ではインナーワークライフが企業の業績に影響を与えるといことが書かれています。スタートアップ企業から大企業まで幅広い企業の従業員を1万人以上、管理職669人の日誌を35年間にわたって集めてこの結果を導き出しました。
おそらく、こんな規模の研究は他にないでしょう。それだけ、この研究の信頼性があると言うことですね。
また、調査方法に用いた日誌が自由記述だったにも関わらず内容のほとんどはインナーワークライフに関することでした。この結果からも、従業員が知らず知らずのうちにインナーワークライフの影響を受けている事がわかります。
では、インナーワークライフの3要素について詳しく説明していきます。
インナーワークライフの3要素
感情
嬉しいとか悲しいとかの感情のことです。感情がポジティブな時の方が思考と行動の両方がアクティブになります。
当然、感情に伴い結果も良くなりやすいことも分かっています。
例えば
・同僚から誕生日プレゼントをもらい嬉しかった
・自分の仕事を評価されて嬉しかった
・仕事がうまく進んで充実感を感じる
などです。
こうしたポジティブな出来事によって部下の感情が改善されクリエイティブな発想ができるようになったり、行動力が上昇します。
「仕事なんだから感情なんて関係ない」、「プロ意識が低いだけだ」と言う人もいるかもしれませんが、仕事を行なっているのは人間です。そのため、従業員の感情というのは必ず結果に影響してきます。
認識
管理職や組織、同僚に対する印象のことです。
それぞれのバックストーリーをもとに印象が決定し、印象が悪いと成果が出にくくなります。
例えば
・この上司は上の人には意見を言わず部下に命令だけする人だ
・管理職が何のサポートもしてくれない
・矛盾した仕事を振るなど管理職は仕事のことを分かっていない
などです。
このような認識を持たれると部下は積極的に仕事をしなくなり、自分の仕事が困難なことのように感じてしまいます。
モチベーション
仕事を行うための動機付けのことです。動機付けには内発的なものと外発的なものがあります
・内発的な動機付け…自分の興味に従って仕事ができる、誰かの役に立ちたい、など自分の内側から出てくる動機です。
・外発的動機付け…罰や給料、表彰などが自分の外側からくる動機です。
外発的動機づけでもパフォーマンスが高まりますが、ストレスが多くなったり長期的に見た時には精神的に悪影響を及ぼします。そのため、内発的動機付けを高めることが推奨されています。
お金のため、と思って仕事をしても給料がアップしなかったらモチベーションが下がりますよね。それよりも、仕事自体が楽しいと思たら給料が上がらなくても頑張れます。そのため、何か自分の中の内発的動機づけを持っておくとパフォーマンスを維持しやすくなります。
では、どうすればこれらのインナーワークライフが高まるのでしょうか?
インナーワークライフを高める方法
テレサ・アマビールはインナーワークライフが重要ということだけではなく、従業員の日誌からどんな事が従業員のインナーワークライフに影響を与えているのか調査しています。その結果、インナーワークライフに影響を与える3つの要因が分かりました。
- 進捗
- 触媒ファクター
- 栄養ファクター
それぞれについて詳しく説明していきます。
進捗とは
仕事の進み具合のことです。
下記のような出来事があると進捗を感じられます。
- 小さな進捗
- ブレイクスルー
- 目標の達成
目標の達成やブレイクスルーなど大きな前進でなくても問題ないです。
小さくても物事が前に進んでいるという感覚が部下のインナーワークライフを高めます。
実際にインナーワークライフが高まったときの日誌には担当者の仕事に前進が見られていることが確認されています。
テレビゲームが良い例です。
ゲームにハマってなかなかやめられない、と言った経験はありませんか?
ゲームはやることが明確で時間をかければ必ずレベルアップし成果が出ます。成長しているという感覚がゲームの楽しさの秘密です。
仕事でもこうした感覚を持つ事ができればインナーワークライフが向上して成果が出やすくなる、という事ですね。
触媒ファクターとは
仕事を直接支援する出来事のことです。
下記のような出来事が触媒ファクターになります。
- 適切な目標設定
- 自主性の尊重
- 時間や予算などの十分なリソースの提供
- 仕事の手助け
- 問題と成功からの学習
- 活発なアイディア交換
必要な経費が上乗せされる、経験のある人が助言してくれるなどの出来事は自分の仕事がサポートされているという感覚を与えてくれます。
実際にインナーワークライフが高まったときの日誌には予算が上乗せされ自分が期待されていると思った(認識)、上司からの助言があったので諦めたくない(モチベーション)などが記録されています。
栄養ファクターとは
心を奮い立たせる対人関係上の出来事です。
下記のような出来事が栄養ファクターになります。
- 尊重
- 励まし
- 感情的サポート
- 友好関係
例えば、上司から励ましの言葉をもらった、同僚から感謝の言葉をもらった、顧客に感謝された、のような体験は感情を高めてくれます。
誰かに感謝されたり、自分の頑張りを認めてもらえると自分の有能さを証明することになりやる気が出てきます。
実際にインナーワークライフが高まったときの日誌には顧客から感謝されてうれしかった(感情)、上司に自分の意見を聞いてもらえてやる気が出た(モチベーション)、などが記録されていました。
進捗のサポートが最も大切
この結果から進捗、触媒ファクター、栄養ファクターを与えるとインナーワークライフが高まることが分かります。
3つ全てを与えられたら良いのですが「それだと管理職の負担が大きくなりすぎるよ」と思ったかもしれません。
テレサ・アマビールは進捗がもっとも大事とという結果も出しています。
上記の実験の日誌を分析したところ、インナーワークライフが最高点を出した日の76%で進捗が確認されていました。それに対し触媒ファクターは43%、栄養ファクターは25%でした。
この結果から進捗の管理が最も大切だと分かります。
インナーワークライフを管理するために気をつける事
従業員のインナワークライフを高めると成果が出やすくなる、ということを紹介してきました。
しかし、インナーワークライフを管理するためにどんなことをすればいいの?という人もいるでしょう。そんな人のために進捗を管理するために気をつけるポイントを紹介します。
- インナーワークライフを下げることをしない
- 能力に適した仕事を与える
- 性格にあった仕事を与える
- 必要な時にすぐにアドバイスする
- 情報を管理する
- 公平性を保つ
- 仕事の自由度を高くする
インナーワークライフを下げることをしない
進捗、触媒ファクター、栄養ファクターがインナーワークライフを高めたようにこれらと逆のことをするとインナーワークライフが低下します。
しかも、ネガティブな影響はポジティブな影響の3倍の影響力があることがわかっています。一つ仕事が後退したら3つの進捗がないと補えない、ということですね。
管理職としてはポジティブなことを増やすよりもネガティブなことを起こさないようにすることも重要な戦略と言えるでしょう。
実際に21の業界で17000人を対象に業績を悪化させた原因について調査の結果を紹介します。
- 間違った従業員への認識
- サポート不足
この2つにより従業員のインナーワークライフが低下し仕事のパフォーマンスが低下します。例えば、インナーワークライフが低下した人たちの内、65%は週に31~50時間集中してない時間があり、70%は転職を考えており安定した職場になっていないことがわかっています。
間違った認識
具体的なアンケート結果がこちらです。
- 自分に見合った給料を受け取っている 21%
- 仕事をしてない同僚が評価されている 83%
- 能力のある人が評価されていない 77%
間違った従業員の認識は不公平な報酬や自発性を損なわせ、仕事への満足度を下げます。
明らかに仕事していない同僚の方が給料をもらっているのが分かると働く気が失せますよね。
サポートが足りない
具体的なアンケート結果がこちらです。
- 上司を信頼できる 36%
- 仕事を抱えすぎている 70%
- 頼れる上司がいない 64%
サポートが足りないことで信頼関係が築けず、仕事量の低下や仕事の満足度を低下させます。
自分の仕事が困難だと感じると仕事への意欲が失せますよね。
ただ、一時的にはインナーワークライフが下がりますが徐々に回復してきます。仕方のないミスもあるので気にしすぎず、仕事をするようにしましょう。
能力に適した仕事を与える
同じ仕事を繰り返していてもモチベーションが上がりません。単純作業ではなく、様々なスキルを使う仕事の方がモチベーションが高まることが知られています。
ノースカロライナ大学で行われた研究では半年から2年という長期で見たときに、様々な仕事をした方がパフォーマンスが高まることが分かっています(R)。
何か一つの仕事のスペシャリストになった方が生産性が高まる気がしますが、そうではないようです。仕事を一日で考えたときは特定の作業を行った方が良いのですが、長期で考えた時には仕事に変化がないとパフォーマンスが低下してしまいます。
この理由として「やればできる」という感覚が関係しているとされています。同じ仕事ばかりしていると成長を感じれないので「やればできる」という感覚が高まりません。その結果、モチベーションも低下するようです。
ただ、仕事がうまくいかないと「自分には無理だ」とネガティブな考えになってしまうので自信過剰にならず適切な難易度の仕事を与えるようにしましょう。
性格にあった仕事を与える
仕事をする時には能力を考えなければなりませんが、それと同時に性格も考えなければなりません。
アイオワ大学で行われた研究では性格と仕事のパフォーマンスを調べるために15のメタ分析の結果を調査しました。その結果、良心の低い人は仕事に対するモチベーションが不安定になりやすいことが分かりました(R)。
どうやら良心が低いと重要でない仕事を適当に行うようになるようです。
さらに、ペンシルバニア大学で行われた研究では良心の低い人のモチベーションを高めるためには仕事の重要性や社会的価値を認識することが重要ということが分かっています(R)。また、この研究では良心の低い人が社会的に重要でない仕事をする場合はパフォーマンスが5分の1に低下することも分かっています。
相手がどんな性格なのかも考えて仕事を与えた方がパフォーマンスが引き出せる、ということですね。
必要な時にすぐにアドバイスする
仕事では失敗した原因がわからないことがあります。これでは進捗が得られません。そのため、すぐにアドバイスできるように日頃からコミュニケーションを取るようにしておきましょう。
ただ、管理職の人はアドバイスをするのではなく、相手を評価しようとしてしまいます。これでは過去に目が向いているので進捗のための情報が得られず、何も変わりません。
相手を評価するのではなくアドバイスするという意識が大切です。ハーバード大学の研究ではアドバイスするという意識でいることで情報量が増え、相手の仕事が進み易くなることが分かっています(R)。
これは上司はもちろん、同僚からのアドバイスでも効果があるので互いに支え合える関係を作ることが重要です。
コミュニケーションをとる時には管理職と従業員という関係を一旦忘れて話をした方が仕事が前に進む、ということですね。
情報を管理をする
仕事をするのに「この情報がどこで手に入るのか分からない」という事があると進捗が得られません。情報をまとめて共有しておく事で必要な時に必要な情報が得られ進捗が得られ易くなります。
2015年にKianto Ainoによって発表された論文では一般職員は情報の共有、法典化、保持により仕事への満足度が高まることが分かりました。
- 情報の共有…社内で頻繁にコミニケーションを取って学んだことを共有することです。
非公式の場でのコミニケーションだったり、ブレインストーミングやコーチングなどが含まれます。 - 情報の法典化…表に出ていない知識を書類などの明確な形に落とし込むことを言います。
そのためのツールやプラットホームが整えられていなければなりません。 - 情報の保持…退職によって専門的な知識が失われないようにすることを言います。
例えば団塊の世代が退職するときに優秀な人材を引き留めることを言います
情報をまとめて共有して保持しておくと必要な時に情報がすぐに得られるので進捗が得られ、仕事の満足度が高まったという事ですね。
公平性を保つ
仕事をする上で評価が公平に行われなければなりません。
簡単な仕事をした人が評価が高く、難しい仕事をしても評価が低いようではモチベーションが高まりませんよね。
当然、評価のポイントが明確で誰もが納得するものでなければなりません。
また、月ごとに良い成績を残した人を表彰するなど個人のチームの貢献度を見える化するのも効果的です。
- モチベーションが上がる
- チーム内の競争が促される
- 自分の仕事の重要さが認識できる
- 仕事の進め方を見直すきっかけになる
普段の仕事をしているだけではこうした効果が得られません。チームのメンバーがそれぞれどんな仕事をしてチームに貢献しているかを明らかにすることで公平性が高まり、モチベーションアップに繋がります。
仕事の自由度を高くする
仕事の自由度が低いといちいち上司へ確認しないといけないので進捗が得られません。核となる部分だけ共有し、その範囲の中で自由に仕事をさせた方が進捗が得られ易くなります。
こうした仕事の進め方をする上でOODAループという考え方が参考になります。詳しくは解説した記事が別になるのでそちらを参考にしてください。
また、仕事の自由度を高くする事で自分で工夫して仕事をする余地が生まれます。こうした余白がある事で自分でやりがいを見つけ主体的に仕事が取り組めるようになる、というテクニックもあります。こちらも詳しく解説した記事があるのでそちらを参考にしてもらえればと思います。
インナーワークライフを管理する方法
インナーワークライフの重要さについて紹介しましたが、インナーワークライフはどれも目に見えないしどうやって部下のインナーワークライフを知ればいいの?と思ったかもしれません。
そこで、部下のインナーワークライフをチェックするためのリストも紹介しておきます。
進捗のチェックリスト
今日起きた出来事の中に小さな進捗やブレイクスルーの片鱗があったか?
触媒ファクターのチェックリスト
・明確な短期的、長期的目標を持っていたか?
・メンバーが問題解決や当事者意識を持つために十分な自主性が与えられていたか?
・効率的に前進するために必要なリソースを持っていたか?
・やりがいのある仕事に集中する十分な時間が与えられていたか?
・求められたサポートを提供し、メンバーが互いに助け合うように促すことができたか?
・今日の成功、問題から教訓を引き出すために話し合ったか?
・活発なアイデア交換をサポートできたか?
栄養ファクターのチェックリスト
・メンバーの進捗への貢献を評価し、プロフェッショナルとして尊重できたか?
・難しい朝鮮に取り組むメンバーを励ましたか?
・仕事上問題を抱えるメンバーをサポートしたか?
・チーム内に仲間意識や友好関係があるか?
最後に行動プランのチェックリスト
・今日と同じ進捗、栄養ファクター、触媒ファクターを強化し欠けていたファクターを提供するためにあした何ができるだろうか?
これらのチェックリストを使ってインナワークライフを見える化すると問題が表面化する前に対処できます。
理想の管理職とは?
管理職の役割はインナーワークライフを高める事という紹介しました。もう少し掘り下げて考えるために理想の管理職に対して多面的に紹介していきたいと思います。
インナーワークライフを高めるために必要な能力
従業員に高いパフォーマンスを出してもらいたいなら、インナーワークライフを高める事、そしてインナーワークライフを高めるためには進捗や触媒ファクター、栄養ファクターを提供しなければならないことを紹介しました。
こうした役割を果たすために管理職に必要な5つの能力というものがアメリカのギャラップ社によって発表されています。
- モチベーター
- 自己主張
- 説明責任
- 人間関係
- 決断力
- 客観的な観察力
それぞれの要素についてどのような影響を与えるのか見て行きましょう。
モチベーターとは
チームのモチベーションを高める能力です。
例えば職場の雰囲気を明るくする人や元気を与えてくれる人がモチベーターとなります。毎朝元気に挨拶してくれる人や飲み会で場を盛り上げてくれる人などが当てはまります。
この能力が高い場合;チームのやる気が向上し、業務の改善により高いパフォーマンスを引き出します。
この能力が低い場合;チームは業務に関心が持てずパフォーマンスが停滞します。
自己主張とは
自分の考えを明確に伝える能力です。
例えば理不尽な指示がなされた時に論理的に否定する人や自分のとった行動に対してどんな考えで行動したか明確に伝えれる人です。
この能力が高い場合;チームを率いていく力があるため逆境にも負けず、挑戦的なことに取り組むチームが作れます。
この能力が低い場合;何かを変えることに躊躇し業務の改善ができません。
説明責任とは
何かトラブルが起こった時に説明する能力です。
例えば自分の指示で部下が失敗してしまった時に自分の指示が原因だったと説明できる人です。何も無かったかのように振る舞うのが最悪です。
この能力が高い場合;チームに対して最終的な責任を持ち、チームのメンバーが期待に応えたいと頑張るようになります。
この能力が低い場合;仕事を進めるための組織作りができず、チームが期待に応えようとしません。
人間関係とは
チームメンバーや顧客との繋がりを作る能力です。
例えば仕事のことだけでなく、プライベートなことも話せるような関係を作れる人です。
また、良い人間関係を作るためには部下が仕事で失敗したり、顧客から怒られたりした時にストレスを吐き出させてあげましょう。その時には相手の感情を否定することは言わず、同じ気持ちになるように心がけましょう。
しかし、同じようなミスをしないために改めるべきは改めるように促しましょう。
重要なのは人格を否定せず、行動を否定することです。感情的になって失礼な態度をとったり、安易な決断をしてしまう事があります。その時に考えたことや感じたことはしっかりと受け入れるのですが、行動とは切り離して考えるようにします。
感情的になってしまったのはしょうがないけど失礼な態度をとってもいいという事にはならないよね、という感じです。
この能力が高い場合;チームメンバーが顧客との関係も含めて強いつながりを持ちます。また、ポジティブで仕事に集中できる環境が作られます。
この能力が低い場合;チームの結びつきが弱くなります。チームが機能しないためメンバーも顧客との関係がうまくいきません。
決断力とは
重要な決定を下せる能力です。
例えば時間がない時や情報が足りてない時にその場で決断できる人のことです。何も決断しないのが最悪です。
この能力が高い場合;不測の事態に備えデータの分析などをして複雑な問題や課題を解決できるようになり、チームは前向きに考えることができるようにます。
この能力が低い場合;細かいことは考えずベストな選択よりも都合のいい選択をする傾向にあります。
客観的な観察能力
自分の言動を客観的に評価できる能力です。
常に自分の行動を振り返理、部下のモチベーションを下げるような事をしていなかったかチェックしましょう。
また、ミーティングを行なっている最中にも自分の言動を客観的に監視する事でコミュニケーションのミスが起こった事に気付けるようになります。
こうした能力を感情的知性と言い、自分だけでなく他人の感情の変化に気づくのにも役立ちます。感情的知性の高め方については下記の記事を参考にしてください。
才能のある管理職の特徴
ギャラップの調査結果から才能のある管理職の特徴もわかっています。
- ライバル製品との違いや自社製品の特長を理解し、家族や友人にお勧めする。
- 従業員の弱みを克服することよりも強味を伸ばすことを考える。
自社製品の特徴を理解し、家族や友人に進める
才能ある管理職は自社の製品の特徴を理解し、製品に自信を持っているため自分の製品を身近な人にお勧めします。
弱みを克服するよりも強みを伸ばす
才能ある管理職は弱みを克服するよりも強みを伸ばす方が市場価値が高くなることを理解しています。
自社の経営戦略やブランドマネジメントを理解しています。
管理能力が低い人ほど逆の行動をとる
管理職に必要な能力があるかは履歴書ではわかりません。
過去の業績に注目が行ってしまい、管理職の能力もあると錯覚してしまいます。
上記の特徴があるかどうか探ってみるだけでも大分変わるでしょう。
部下が理想としている管理職とは?
次に部下の目線からどんな管理職が望まれているのか見てみましょう。
- 話しかけやすい
- 明確に仕事を割り振る
- 長所を見てくれる
話しかけやすい
日頃からコミニケーションを取っていると部下のパフォーマンスが高まります
- 定期的にミーティングを行う
- 日頃からコミュニケーションをとる
- プライベートなことも話す
こうした方法により部下のパフォーマンスが高まります。
ギャラップ社の調査では定期的にミーティングを行うと部下の集中力が3倍になるという結果も出ています。
また、プライベートはことも話せる関係だと部下の55%が仕事に集中できることがわかっており、逆にプライベートなことが話せない関係だと部下の8%しか仕事に集中できないことがわかっています。
しかし、実際にプライベートなことも話せるという関係は全体の27%しかいないようです。
まずは自分からプライベートなことを話すようにしましょう。
このように話しかけやすいというのは重要な指標のようです
この理由として、仕事以外の話をすることで従業員は自分が大切にされていると感じ仕事に集中できるようになる考えられています。
ちなみに、直接会って話した方がいいですが、メールや電話でも効果があるようです。直接話すのが苦手な人はメールでやり取りするようにしましょう。
明確な仕事の割り振り
明確に時間や予算、裁量権などが割り振られると部下は自分でできることを工夫して行うので生産性が高まります。
部下を公平に評価するためにも管理職は会社としての目標と従業員の意見の両方を考慮し、部下の専門性を高める機会を与えるようにしましょう。
特に目標設定には注意しましょう。
管理職が目標設定を助けてくれると感じている従業員は全体の12%しかいないことがわかっています。
目標設定を助けてくれると感じている従業員の69%は仕事に集中して取り組めていますが、そうでないと感じている従業員では8%しか集中できていませんでいた。
また、従業員にとって年次の目標設定や評価は強制的で表面的なものに感じられます。次に何の仕事が割り当てられるのか分からない状態で翌年の目標を立てるよう言われることもあり、目標設定が困難に感じることが多々あります。
会社として決まっているから、部下の身になって考えてあげると意味のある目標設定ができます。
長所を見てくれる
仕事の改善点を見ている上司よりも自分の強みを見てくれる上司の方が従業員のパフォーマンスは高まります(R)。
自分の役割を把握でき、転職するリスクも減少します。
管理職が長所を見てくれていると感じている従業員の67%は仕事に集中できており、逆にそう感じていない従業員では1%しか仕事に集中できていないことがわかっています。
また、管理職が部下の長所を伸ばそうとしていると部下は2倍仕事に集中できるという報告もされています。
短所の克服よりも長所を伸ばす方が前向きに取り組めますよね。部下の良いところを褒めてどんどん伸ばしてくれる上司が求められているようです。
管理職の9割は自分の役割を把握していない
インナーワークライフを高める理想の管理職について紹介してきましたが、残念ながら管理職の9割はこうした能力がなく、進捗の重要さについても認識していない事が分かっています。
テレサ・アマビールは669人の管理職を対象に部下を管理する上で何が大切かアンケートをとりました。様々な項目があり、その中で何が一番重要かを選ぶという試験です。
その結果、管理職の中で進捗が一番大事と答えたのはたったの5%だけでした。
このように、ほとんどの管理職は進捗の重要さを分かっていません。
ちなみに、この5%の管理職がいる部署では業績が良いという結果も出ています。
また、アメリカのコンサルティング会社ギャラップ社は195か国の250万人の管理職と2700万人の従業員を対象に40年間かけて管理職に対しての調査を行いました。
このものすごい規模の調査の結果から2つの重要な事実が明らかになりました。
- 管理職の才能を持った人は全体の10%しかいない
- それまでの成果と管理職の仕事には関連がない
管理職の才能を持った人は全体の10%しかいない
この調査によるともともと管理職に必要とされている能力を持っている人はわずか10%しかおらず、訓練したとしても20%しか管理職の能力が開花しないようです。
この事からほとんどの管理職は何かしら課題を抱えていることがわかります。
実際に管理職として働いている人の中で管理職の才能のある人はわずか18%しかいないという結果も出ています。
管理職の選び方に問題がありそうです。
多くの会社では一般社員として優秀な人を管理職に昇格するということが行われています。しかし、過去の実績が優れているからといって管理職の仕事ができるとは限りません。
これは「優れた管理職はどんな人?」という問いを「過去の実績が優れた人は誰か?」という問いに置き換えているために起こっています。こうした置き換えをヒューリスティックバイアスと言います。このタイプのバイアスは「今、幸せか?」のような複雑な質問にかかるバイアスです。
管理職を選ぶ時にもこのようなバイアスがかかっていると考えられます。
それまでの成果と管理職の仕事には関連がない
成果を出したからと言って管理職の仕事ができるかと言ったらそうではないようです。
しかし、多くの企業は過去に成果ぐらいしか判断できる指標を持っていません。
厚労省から発表された平成 27 年転職者実態調査の概況のデータを見てみましょう。転職者の処遇を決めるときに何が重視されているか書いてあります。
経験や能力、知識が52.8%とダントツで重要視されていることが分かります。
2019年にH.VAN Iddekingeによって発表された論文では経験があってもなくてもパフォーマンスに違いはないという結果が報告されています。
警察や消防士、小売業、サービス業を対象に経験やスキルは関係あるのかメタ分析を行なったところ、仕事経験がある人がより良い仕事をしたり、長期間勤務してくれるといったデータはありませんでした。
経験によって差が出るのはトレーニングの時や入社後3ヶ月までのようです。その後は経験があってもなくてもパフォーマンスは変わりません。
ちなみに、論文の中でも115の企業を対象に調査を行い、82%の企業が仕事の経験があることがとても好ましいと回答していたことを紹介しています。多くの会社が不合理な採用方法を使っているということですね。
では、管理職に適した人をどのように選べばよいのでしょうか?
どうやって管理職を選べばいいのか?
全体の1割しかいない管理職の才能がある人を選ぶためにどのような方法があるのでしょうか?推奨されているのはすでに管理職として結果を出した人を雇うという方法です。
能力のある管理職を雇う
注意すべきなのは管理職としての能力です。その人が現場で仕事ができるという訳ではありません。時には大金を出して他社から引き抜くこともあるでしょう。しかし、決して高い買い物ではありません。
いい管理職は従業員を
・やる気にさせ、
・結果を引き出し、
・説明責任を果たし、
・政治ではなく結果に基づいた決定を下し、
・強い絆を構築します。
こうした役割を果たすのはなかなかできないので社外から選ぶ方が効率的になります。
とは言っても社内から選びたいという場合もあるでしょう。
その時は女性の管理職を検討するのも効果的です。
女性を管理職にする
最近では男女平等に管理職を選ぶという風潮が出てきています。その結果、女性管理職の方が良い結果を残しているという事例も確認されてきています。
なぜ、女性管理職が良いのか?
女性の管理職の方が
・従業員の進捗を管理し、
・従業員のポテンシャルを引き出す
などの手助けしているからだとされています。
実際に女性の管理職の方が進捗について報告したという従業員が1.29倍多く、定期的に仕事を進められるようアドバイスをしていました。
また、従業員の仕事を認識し、褒めたり励ましたりする行動も女性管理職の方が1.17倍多いことが分かりました。
これならインナーワークライフが改善して成果が出そうですよね。こうした管理職として必要な能力は女性がもともと持っている能力なのかもしれません。
管理職に必要な能力を元に判断する
すでに紹介したような理想の管理職に当てはまる人を管理職にするとちゃんと役割を果たしてくれる可能性が高まります。
実際に管理職としての能力に基づいて雇っている企業とそうではない企業を比較したデータがあります。
アメリカのコンサルティング会社ギャラップが行なった調査によるとは才能に基づいて管理職を雇うと下記のような効果があるようです。
- 48%の利益の向上
- 22%の生産性の向上
- 30%の従業員の仕事量の向上
- 9%の離職率の低下
すごい効果ですよね。現場での業績ではなく、管理職としての資質で選ぶことで企業ももっと成長できるということですね。
まとめ
今回は管理職の本当の役割について紹介しました。
本当の役割がわかっていないので管理職の採用方法も見当違いなものになってしまいますよね。
今は管理職として正しく役割を果たせてなくてもこの記事を読んで行動を変えていけば業績だけでなく様々な効果が得られるので試してください。
参考文献
Mind the WorkPlace
マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力
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