好きなことを仕事にするは正しいのか?科学的に分析した結果

好きなことを仕事にするは正しいのか?科学的に分析した結果

好きな仕事じゃないからやる気が出ないと思っていませんか?
➡︎そう考えている人の幸せになれません。

好きな仕事ができずショックなのはわかります。しかし、今の会社で頑張ろうとする人は好きなことを仕事にしている人と同程度の幸福感を感じていることが知られています。

今回は何をするかよりもどう頑張るかが重要という研究を紹介していきます。

好きなことを仕事にするは正しいのか?科学的に分析した結果

この記事は2015年にPatricia Chen によって発表された論文に基づいています。

なぜ好きなことを仕事にしたがるのか?

4つの理由が知られています

  • 成果が出やすい
  • フロー状態に入りやすい
  • 燃え尽き症候群を減らす
  • 満足度を高める

情熱があると成果が出しやすく自分の有能さを示しやすくなります。
このような欲求を満たすことで幸福感が高まります。

直感的にこうした考えを持ってしまいますが、好きな仕事をすると幸せになるというのは本当でしょうか?

仕事に対する考え方

仕事に対する考え方として2種類あります。
成長型…職場環境に適応した個性が形成されると言う考え方
適合型…個性にあった職業に就職すると言う考え方

好きを仕事にというのは適合型の方ですね。
こうした考え方が変えられるのかどうかははっきりしていません。

さらに他の要因としてその人の学力や道徳心、性格なども関係するようです。

成長型とは?

➡︎自分を仕事に当てはめると言う考え方です。

最初は思う様な職場でなくても仕事をしていくうちにやりがいを見つけ好きになるというタイプです。

適合型とは?

➡︎仕事に自分を当てはめると言う考え方です。

多くの人はこの考え方をしてしまいます。
例えば、報道で世の中を変えたいと思っている人はマスコミ関係の仕事しか好きになれず、幸せになれないと思ってしまいます。

他の要因

➡︎仕事を好きになれるかどうかはその人の個性によるという考え方です。

例えば悪い成績を取った時に自分は頭が悪いと思い込み、改善できず勉強を嫌いになります。逆にいい成績の時は自分はできる人間だと思い込み、勉強が好きになります。

つまり、どんな仕事でも個人の能力が低いと好きになれない言う考え方です。

著者はこれらの考え方が職業の選択に影響しているのか、また、どの選択の仕方だと満足のいく仕事ができるのかを調査しました。

7割の人は職業選択に適合型を使う

最初の調査では100人の成人を対象に調査を行いました

  • 成長型と適合型のどっちで職業を選択しているのか
  • 給料が良くて楽しくない仕事と給料が悪くて楽しい仕事に対して2週間後と4年後の情熱を予想してもらう

結果

➡︎7割の人が適合型で判断していることがわかりました。

?適合型の仕事の選び方
短期的に見たときに給料の悪くても楽しい仕事を選ぶことが分かりました。
しかし、長期的に見ると給料が良いが楽しくない仕事を選ぶ傾向がある様です。

つまり、適合型の人でも長期で見た時に最初の情熱を維持できるのか確信できないと考えられます。

?成長型の仕事の選び方
短期でも長期でも、楽しさに関係なく給料の高い方を選びました。

つまり、成長型の人は情熱は変わらないと予想していると考えられます。

☑️この結果は具体的な会社名を使って調査しても同様の結果が得られています。

しかし、これらの2つのタイプとその他の要素との関わりは分かっていないので調べてみました。

個人の能力は関係ない

その他の要素との関係を調べるため271人の正社員を対象に調査を行いました。

適合型か成長型かに加え、実際の会社名を出して給料が良くて楽しくない仕事と給料が悪くて楽しい仕事のどちらを選ぶかの調査しました。

さらに下記のアンケートも行なっています。

  • 知性や道徳心、性格など一般的暗黙ルールに関わる項目
  • 仕事へのコミットメント
  • 仕事への満足度
  • 仕事を始めたとき、どのぐらい自分の理想と仕事がマッチしていたか
  • 現在、どのぐらい自分の理想と仕事がマッチしているか
  • 収入
  • 幸福度

結果

➡︎その他の要素よりも適合型や成長型が仕事への熱心さや職業の選択に影響していることが分かりました。

つまり、学力やその人の個性は仕事へのコミットメントや職業選択に影響しないということです。

?成長型の人は仕事が好きになる
適合型の人と仕事のマッチ度は過去も現在もあまり変わらなかったのに対し、成長型の人のマッチ度は過去に低くても現在は適合型の人と同程度になっていました。
また、適合型にも関わらず、あまりマッチしてない、または極端に高い情熱を向けていた人は現在の仕事への情熱が少なくなっていました。

?成長型でも適合型でも幸福感や収入と相関がある
成長型でも適合型でも同程度の幸福感と収入になるようです。
ただ、それぞれの過程が異なっていて成長型の人は努力して専門的な成功した結果、幸福感や収入がアップした様です。

つまり、成長型の考え方でいれば最初は思う様な仕事につけなくても長い目で見たら仕事内容に満足していき、仕事が好きになるようです。

一方で、その他の要因は仕事への満足度やコミットメント、幸福度、収入と相関がありませんでした。

まとめ

✔️この研究から好きなことを仕事にしようというのは幻想ということが分かります。それよりも、就職した場所でいかにやりがいを見出すかが大事な様です。

人は成長できるという考えを持っていると学力が高まり、人を傷つけにくくなるようです。
今回の結果と似ているので、このマインドを身につけるのが様々な場面で役立ちそうですね。

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