就職か?大学院か?迷った時に読んでほしい記事
- 就職か大学院かで迷っている人
- 大学院で何が学べるか知りたい人
- 修士で卒業して就職した私の経験を読んでみたい人
理系なら大学を卒業するタイミングで就職か、大学院に進学するかで迷う人も多いと思います。私は大学院に進学し修士で卒業して企業に研究職として就職する事ができました。こんな私の体験をもとに就職と進学のメリット、デメリットを紹介したいと思います。
この記事を読む事で就職か、大学院か、どちらを選べばいいのか分かります。
就職か?大学院か?迷った時に読んでほしい記事
結論から言うとお金に余裕があるなら大学院に進学すべきです。なぜなら、大学院で学べることは非常に多く、その後の長い社会人生活を充実させてくれるからです。
もし、就職したとして企業の立場に立って考えてみてください。
企業は従業員の成長のために給料を払っているのではありません。従業員の労働力を使って利益を生み出そうとしています。
そのために、社員に成長できる一定の環境を提供していますが、企業で必要とされる能力に特化されています。そういった環境では何かの問題に対して方程式のように問題を解く能力しか身につけられません。
しかし、本当に生産的な仕事をして世の中の役に立つためには普通とは違う視点から問題を解決する能力が求められます。
すでに企業でマニュアル化されている方法よりも自分で考えた方が効率的に問題を解決できる、と言うことは仕事を進めていく上で数多くあります。私はそうした仕事をするために大学院で試行錯誤した経験が役立っていると感じています。
大学院では無駄な事が学べる
大学院で学ぶことの一番のメリットは役に立たない事が学べる事です。
えー無駄なの??無駄じゃないでしょ!!と思うかもしれません。
しかし、ぶっちゃけ無駄です。「無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄!!」(ディオ)。
実際に世の中の研究の何割が社会の役に立っているでしょうか?大学院で行われているほとんどの研究は誰の役にも立っていないでしょう。お金になっている研究はほんの一握りです。
しかし、その無駄のストックを作ることに価値があります。一見、役に立たないように見えることでも何か別の研究での発見により役に立つ研究になる事があります。
例えば、iPS細胞が発見される元になったガードン教授の研究があります。核を壊したカエルの体細胞に別のカエルの核を移植すると別のカエルのクローンができた、と言う研究です。研究の分野ではすごい発見なのですが、それで私たちの生活がどのように変化するか分かりませんよね。自分のクローンを作るわけにも行かないですし、、、。山中先生がその研究を元にiPS細胞を発見しなければ全く役に立たない研究でした。このように、研究のほとんどは無駄な発見なのです。ただ、こうした無駄なストックがある事で社会に役立つ発見が出てきます。
研究で学ぶことも無駄なことです。
研究自体が無駄なことなので研究で学ぶこと自体も無駄なことになります。
研究を通じて成長できる、と言うような綺麗事は言いません。世の中の役に立つのにその成長が必要なのかわからないですよね。
「成長」という安易な言葉に流されるとその成長で誰の役に立つのか考えないので成長したけど世の中から必要とされない人材のまま、という可能性が高まります。
しかし、研究をする上で学んできた無駄なことのストックが仕事で役に立つ時があることも事実です。そのため、こうした無駄なストックを作る意味がない訳ではありません。
こうした無駄は企業では学べないですし、自分で学ぶにしても働きながらでは時間が作れないでしょうし、環境を用意する事が難しかったりもします。
では具体的にどんな無駄な能力が身につくのでしょうか?
- 情報を集める能力
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
こうした漠然とした言葉にすると意味があるように思えます。
しかし、大学院にいったからといってそれぞれの能力がどのように向上してどう役に立つのか説明するのが難しいです。
例えば、大学院に行った自分と大学院に行っていない自分が同じ会社に入社したとします。おそらく、どちらの自分も与えられた仕事に対して同じようなパフォーマンスが出せるでしょう。しかし、世の中の流れが変わったり、会社の状態が変化した時に柔軟に対応できるのは大学院に行った自分だと思います。
なぜなら、大学院に行って学んだ無駄を持っているからです。その無駄の中から変化に対して有効な経験を選んで使う事ができます。それに対し、大学院に行かなかった自分はストックが少ないので使える無駄も少なくなります。
私の具体的な体験としては大学院に行った事で論文から情報を探すスピードが上がりました。就職先が研究関連だったこともあり、論文を読む機会があるのですが大学院で論文を読む時に工夫した経験が役に経ちました。さらに、仕事の集中力を高めたり、人間関係を上手くしたいと言う事で心理学の論文を読んでみましたが、自分の力だけで理解して仕事に役立てる事ができました。さらに、TOEICの点数が650点から780点に上がっていました。
役に立ってるじゃん、と思ったかもしれませんが研究職に就職できたので活かせる能力も多かっただけです。
一般職だと論文を読む機会もないでしょうし、心理学に興味を持たなければ論文を読む能力なんて必要なかったでしょう。また、英語力があったところで仕事に役立つとは限りません。使わなければ全て無駄になっていました。
必要な時に学べばいいじゃん
大学院に進学して身につけた能力が無駄になるので就職して必要になった時に学べばいい、と言う考え方もあると思います。
確かにそうです。
英語を学ぶにしても実際に仕事で使った方が早く身につきます。学んだ事をすぐにアウトプットできるので効率がアップします。
ただ、さっきも言ったように社会人になってから学ぶのでは時間が足りない場合があります。一人暮らしで仕事をしながら炊事、洗濯、掃除をして勉強もするってなると大変ですよね。運よく実家から通える範囲に会社があったとしても通勤時間が長くなる可能性が高いでしょう。
こうした事を考えると勉強して無駄を蓄える時間というのは学生の時しかありません。
さらに、大学院では研究を通じてでしか学べない事が学べます(学部出身だと研究職に就けない、もしくは就けたとしてもルーチーン業務しかできない場合が多いため)。論文をもとに自分で実際に手を動かして世界で初めての発見をする事が出来ます。こうした論理を積み重ねていく楽しさは研究でしか味わえません。
私の失敗体験
私は学部生の時から貧乏な学生でした。友達が学食で昼飯を食べる時も食費を削るため家に帰り自分で食事を作っていました。
そんな学生だったので早く自分で稼げるようになりたいと言う気持ちがあり、大学院に行く事にもすごくためらいました。しかし、普通に就職して働く自分が想像できなかったので大学院に行く事を決意しました。そして、このときは修士で卒業して就職すると決めていました。その代わり、博士の人と同じぐらいの能力を身につけようと言う強い気持ちがありました。
その甲斐もあって運よく研究職として就職できたのですが、自分で稼ぐようになって思ったのは博士まで行けばよかった、です。学生の頃、節約するために様々な工夫をしたので稼ぐようになってからも人よりもお金がたまりやすい生活習慣になっていました。さらに、仕事が習慣化すると自動的に毎月給料が振り込まれるような感覚になるのでお金に対して執着が消えて行きました。すると、学生の時にあんなに稼ぎたいと思っていたが不思議になり、これなら博士に言った方がよかったな、と思うようになりました。
この体験から大学院に行くのはお金がもったいない、と考えている人に対して就職すればすぐに取り戻せることを伝えたいです。
これは私個人の経験ですが、就職か大学院で迷っている人の参考になればと思い書いてみました。
まとめ
今回は就職と大学院どちらにしようか迷っている人に対して自分の経験を踏まえて書いてみました。
必要な時に学べば無駄が少なくなるのですが、必要でもないのに学ぶと無駄が多くなります。
学んだ知識とかは大抵忘れるので当たり前ですよね。
ただ、その無駄を学べるのは学生時代しかないということを考えて後悔のない道を選んで欲しいと思います。