クリエイティブな力を伸ばす6つの方法

クリエイティブな力を伸ばす5つの方法
この記事の対象者
  • クリエイティブな発想力を高める方法が知りたい
  • クリエイティブな発想ができない原因が知りたい
  • 効率的に仕事を終わらせたい

クリエイティブな発想ができると効率よく仕事を終わらせることが出来たり、問題にぶつかってもアイディアで乗り越えれる可能性が高まります。では、どうしたらクリエイティブな発想ができる様になるのでしょうか?今回はクリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法を参考にクリエイティブな発想力を高める方法を紹介します。

この記事を読むことでクリエイティブな発想ができる様になります。

クリエイティブな力を伸ばす6つの方法

クリエイティブな発想というとスティーブ・ジョブズの様な才能に恵まれた人にしか出来ないと思ってしまいます。しかし、スタンフォードdスクールのトム・ケリーとデイビット・ケリーは誰でもクリエイティブな発想ができる様になると述べています。

クリエイティブな力を伸ばす方法として下記の方法が知られています。

  • クリエイティブになると決心する
  • 些細なことにもアンテナを張る
  • リラックスした注意を払う
  • ユーザーに共感する
  • 仲間を増やす
  • ポジティブな感情を高める

クリエイティブになると決心する

「クリエイティブになると決心する」と聞いて馬鹿馬鹿しいと思ったかもしれません。

しかし、30年以上にわたって知性や創造性、リーダーシップといった分野を研究しているロバート・スタンバーグによるとクリエイティブな人はどこかの時点で「クリエイティブになることを決心した」という共通点がある様です。

クリエイティブな人は元からクリエイティブな訳ではなくどこかで決心する瞬間がある、ということは誰でもクリエイティブになれる可能性を示唆しています。

また、この決心の影響か分からないですが、クリエイティブな人の特徴に下記の5つが知られています。

  • 賢くリスクを冒し失敗を成功のための一部と考える
  • 自分の進んでる道が正しいかどうか分からないという曖昧な状況に耐える
  • 知的な面で成長し続ける
  • 問題を新しい枠組みで捉え直す
  • ぶつかった障害と向き合う

どれもクリエイティブな発想に大切そうな特徴ですよね。

些細なことにもアンテナを張る

私たちは普段の生活の中で些細なことには注意を払っていません。いつも見る看板の汚れや木の枝の伸び具合などいちいち気にしていると脳が疲れてしまうからです。

しかし、クリエイティブな人はこうした些細な変化にも気を配ります。常に新しい視点で世界を観察し自分の知らなかった世界を理解しようと努めます。

これにより頭の中の情報量が増えクリエイティブな発想に繋がります。同じものを他人と同じ様に見ていたのではクリエイティブな発想は生まれません。他人と違う視点で物事を観察し、質の違う情報を蓄積していなければなりません。

クリエイティブな発想がゼロから生まれる、と思っている人もいるかも知れませんが多くの発想は蓄積された情報が洗練されて出てきています。そのため、元々の情報量が多い方がクリエイティブな発想ができる様になります。

クリエイティブになると決心するのは簡単ですが、些細なことにアンテナを張るというのは努力が必要ですね。

リラックスした注意を払う

リラックスした注意とは適度にボーっとした状態のことを言います。クリエイティブな発想は論理的な思考から生まれません。論理的に組み立てたものでないからクリエイティブなのです。

そのため、集中してアイディアを考えるよりもリラックスした注意を払うことでクリエイティブな発想が生まれます。

ユーザーに共感する

クリエイティブな発想をするためにはユーザーの気持ちに共感しなければなりません。ユーザーのニーズを満たすことでクリエイティブだと認められるからです。ニーズを満たさないのであればただのエゴを入れただけでクリエイティブとは言えません。

ユーザーに共感してニーズを満たす3つのプロセスが知られています。

  1. 現場に行く
  2. 「なぜ」と質問する
  3. 問題の枠組みを捉え直す

現場に行く

机の上で考えているだけでは先入観を振り払えずユーザーに共感できなくなります。

そのため、自分の先入観を取り除くために現場に行くことをお勧めします。現場でユーザーと意見交換することで、自分が知っていると思っていたことや前提としていたことが違っていることに気づけます。

「なぜ」と質問する

「なぜ」と「〜だったらどうなるか?」という質問は顧客のニーズを見つけるために役立ちます。「なぜ、その商品を使っているのか?」や「もしその商品が〜だったらどうか?」という質問をすることで顧客のニーズを明らかにできます。表面的な細かいところを無視して核心に迫ることができるといいですね。

問題の枠組みを捉え直す

顧客の問題の核心に気づくことで問題の枠組みを捉え直せる様になります。

例えば、手術に使う切開器具の疲れを緩和する、という課題に応えるために「どうすれば器具の重さを軽くできるか?」と捉えるのではなく「どうすれば楽に持ち続けれるか?」と捉えます。

これにより解決策の幅が一気に広がります。実際に器具の疲れを緩和した新商品は前のものよりも重くなっていました。

この様にユーザーに共感することでクリエイティブにユーザーのニーズを満たすことができます。

仲間を増やす

クリエイティブな発想というのは他の人とのコラボレーションにより生まれることが多いです。

よく、クリエイティブな人というのは孤高の天才という描き方をされますが、実際にはそんな人は少ないです。

科学の世界でも誰か1人の研究だけでノーベル賞を受賞することは珍しいです。iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中先生の研究もジョン・ガードンの研究がなければ成し遂げられなかったと述べています。

また、クリエイティブな発想というのは不確実性が大きくなるので他人が協力してくれないと実現できないという面もある様です。

ポジティブな感情を高める

ポジティブな感情を高めるとクリエイティブな発想ができる事が分かっています。

ノースカロライナ大学で行われた研究ではポジティブになる事で視野が広がり、思考の柔軟性が高まったという報告がされています(R)。
他にも
・情報を集めが効率的になる
・10年以上長生きする

なども知られています。
このような現象が見られる理由として認知能力に関わる前頭前野や前帯状皮質が活発になるからとされています。

では、どうやってポジティブな感情を高めれば良いのでしょうか?簡単な方法としては
・ポジティブな動画を見る
・ポジティブなエピソードを聞く
という方法があります。

実際に動物の可愛らしい動画や自然の優雅さを映した動画や困難に打ち勝つエピソードを聞いた人はポジティブになるという結果が得られています(R)。

この理由としては共鳴効果が考えられています。人は集団で生活していくためにミラーニューロンという他人の気持ちに共感する能力を発達させてきました。実際にポジティブな感情は誰かと共有することによって高りやすいという事が分かっています(R)。

共鳴効果が得られる条件として下記の3つが知られています。
ポジティブな感情をシェアしたとき…一緒に笑い合うなどにより相手の感情や状況がシェアできると親密さや関係性への満足度が増します。
・相手に気配りをする時…利他的な行動や友人、親としての行動など相手を思いやることで質の高い関係を構築できます。
・行動が同期したとき…同じことを考えたり、同じことを感じたりするなど心理的同期が起きることによって振る舞いも変わり、親密な関係が築けます。身体的な接触やアイコンタクト、同じ表情をするなどでも高まります。

動画やエピソードというのはポジティブな感情をシェアしたときに当てはまります。この原則に則ると互いに気配りのできるチームや会議中にアイコンタクトの多いチームはポジティブな感情になりクリエイティブな発想ができると考えられます。

ちなみに、ポジティブな感情の効果として
・精神的健康を高め、幸福感が増す
・鬱や孤独感を抑え精神的に健康になる
・病気の症状を抑え身体的にも健康になる
なども知られています。
このような効果によりポジティブな人は寿命が長いという結果があります(R)。

旅行に行くのも効果的

また、旅行に行くとクリエイティブな発想ができる様になるという研究結果もあります。2014年にJessica de Bloomによって発表された論文では旅行に行くことで柔軟な発想ができる様になるというデータが紹介されています。

旅行に行くと柔軟な思考ができる様になる

旅行に行った人を対象に煉瓦や新聞といった言葉に対して思いつく事を2分以内に書き出してもらいます。その後、似た様な項目については1つのカテゴリーとしてまとめてカウントしました。その結果、旅行に行くことで思考の柔軟性が高まっている事が分かりました。しかし、他の人と違うことを思いつく様な独創性は変わらないという結果でした。また、ポジティブな感情が増え仕事量も増加していることもわかりました。

著者たちは旅行といういつもと違う環境に身を置くことで柔軟な発想力が高まった、旅行から心理的リソースが得られ仕事量が増えたと考察しています。ちなみに、クリエイティブな発想を高める心理的リソースには下記のものが考えられています。

心理的リソース
  • 日々の仕事や時間のプレッシャーから逃れる
  • 違う文化や食事、言語など様々な経験の機会
  • 幸福感や人生の満足度などのポジティブな感情

独創性が高まらなかった原因としては測定方法に問題があった、旅行により頭がおやすみモードになったために高まった独創性が相殺されたかもしれないとしています。

今回の調査では国内旅行と海外旅行であまり差が見られませんでした。
しかし、出来るだけ違う文化の国に行った方が食事や言語などいつもと違う経験ができ、創造力を高めると考えられています。ただ、文化が違いすぎるとカルチャーショックを受ける様なので気をつけてください。

クリエイティブな発想を妨げる3つの恐怖心

クリエイティブな発想力を高めるための6つの方法を紹介しました。そうはいってもなかなかクリエイティブな発想ができる様にはなりません。なぜなら、クリエイティブな発想を妨げる恐怖心があるからです。

クリエイティブな発想を妨げる3つの恐怖心
  • 失敗することへの恐怖心
  • 計画の曖昧さからくる恐怖心
  • 義務感からくる恐怖心

カリフォルニア大学のディーン・キース・シモントンによると天才的な創造力の持ち主は成功する確率が高いのではなく、チャレンジした数が多いだけと述べています。

また、天才と呼ばれる人たちは他の人たちよりも失敗していているのですが、それをやめる口実にしないそうです。

とは言っても、失敗すると誰もがメンタルにダメージが来てやめてしまいそうになります。そのダメージを軽減するための準備として3つの恐怖心とその対処法について紹介していきます。

失敗することへの恐怖心

失敗することはそれまでにかけてきたお金や努力、時間が全て無駄になった様な感じがして怖いですよね。

ただ、「失敗は成功の元」と言われる様に失敗しなければ成功できません。実際に創造力豊かで成功している人というのは失敗も成功までのプロセスの一部と考えている様です。

では、どうしたら失敗への恐怖心を克服できるのでしょうか?
下記の3つのポイントがあります。

  • 失敗しても良い状況を作る
  • 失敗を認める
  • 人と比べない

失敗しても良い状況を作る

失敗への恐怖心をなくすためにはリスクの少ないことから始めましょう。あまりにリスクが大きいと失敗した時に次のチャレンジができなくなります。

起業する際にもまずは副業で小さく始めた方が成功率が高いことが知られています。

失敗を認める

失敗した時には失敗を認めましょう。最悪なのは失敗を他人のせいにして認めないことです。これでは何も学べないので本当にお金や時間の無駄で終わってしまいます。

失敗を認めることで次の成功に繋げることができます。何が悪かったのか謙虚に考えることで原因が突き止められ、自分の能力を向上させれます。

人と比べない

人と比べると自分に自信がなくなり失敗することが怖くなります。また、自分が人よりも劣っていると認識すると無力感が増大し、創造力が低下して良いアイディアが思いつかなくなります。

さらに、他人によく見られようと表面的な成果を求める様になるので長期で見た時に大した成功を収めることができません。

計画の曖昧さからくる恐怖心

計画が曖昧だとこの計画で進めていいのか不安になります。しかし、計画はあくまでも計画なので完璧を求めても状況に応じてその都度変わっていきます。旅行の計画を立てても7割程度しか計画どおりにならなかった、という経験がある人も多いのではないでしょうか?

では、どうしたら曖昧さからくる恐怖に対処できるのでしょうか?
下記の3つの方法が挙げられています。

  • とにかく行動する
  • プロトタイプで実験する
  • 軌道修正を念頭に置く

とにかく行動する

机上で物事を考えても次から次へと不安要素が出てきます。

そういった不安要素は考えず、とにかく行動しましょう。人は不安なことを何度も頭の中で繰り返し増大させていく傾向があります。うつ病の人なんかが特にそうです。考えるだけではこうした不安に負けてしまい、創造的な発想ができなくなってしまいます。

プロトタイプで実験する

最初から完璧なものを求めず、試作品で実験しましょう。完璧を求めて作業すると最後の2割ぐらいのために最初の8割と同じかそれ以上の時間が必要になります。

仕事の書類でも体裁を整えたり、誤字脱字がないかチェックしたりで予想以上に時間が取られたという経験がある人も多いと思います。ある程度できればそれで試す方が達成感も得られてクリエイティブな発想を後押ししてくれます。

軌道修正を念頭に置く

計画は計画なので軌道修正することを念頭に置きましょう。「あとで軌道修正すればいい」と思えば計画が曖昧でも行動できる様になります。

従来ではビジネスにおける実験は社内でひっそりと行われてきましたが、最近のスタートアップの企業はリリースして学ぶ、という手法を取っています。

少し設計しては開発、リリースを繰り返して巨大な製品を完成させていくことで、市場に出して見たら需要がなかった、という結果を避けられます。

義務感からくる恐怖心

自分の仕事に対して義務感を持っているとその義務を果たせないことに対し恐怖感が出てきます。

例えば「教師なんだから子供達に尊敬されるべきだ」と考えていたのに子供に笑われる失敗をしてしまった、「部長だから部下を引っ張っていかなければならない」と考えていたのに部の目標が立てられない、などです。

こうした義務感を満たせなくなるとクリエイティブな発想ができなくなっていきます。

では、どうしたらこうした義務感から解放されるのでしょうか?
下記の2つの方法が知られています。

  • 仕事を仕事と捉えない
  • フローの状態に入る

仕事を仕事と捉えない

仕事の捉え方を変えることはジョブ・クラフティングとも言われます。

例えば「仕事だから」、「キャリアを積む必要があるから」という考えではなく「地域の人たちに喜んでもらうために」と考えます。

まるで、ボランティアの様に自分の仕事を捉えることで義務感から逃れられます。仕事と捉えるとお金が発生するので義務感になりやすい様です。

フローの状態に入る

フローとは作業に没頭している状態のことを言います。スポーツではゾーンに入る、と表現されます。

この状態に入ると作業のことしか頭にないので余計なことを考えずに作業できます。

しかし、フローの状態にはなかなか入れません。いくつかの研究ではマインドフルネスという「今、この瞬間」に集中するトレーニングを積むとフローに入りやすくなるとしています。

まとめ

今回はクリエイティブな能力を高めるための6つの方法について紹介しました。

普段からゆとりのある生活が出来ているとクリエイティブなことを考える余裕ができて仕事を効率的に終わらせることが出来、さらにクリエティブなことを考える余裕ができる様になるという好循環が生まれます。

まずは生活の基盤を安定させて好循環を作る準備をしましょう。

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