研究のオリジナリティはどのように作られるのか?

研究のオリジナリティはどのように作られるのか?
この記事はこんな悩みを解決します
  • オリジナリティの高い研究がしたい
  • どうすれば自分のアイディアを研究に取り入れられるの?
  • 研究のオリジナリティって何?

研究を進める上で自分のオリジナリティを出したい人も多いと思います。誰もやったことのないアイディアで研究を行わないと新たな発見は見つかりそうにないですよね。オリジナリティを出して実験するのは楽しいですが、それを研究として成り立たせるためにはかなりの努力が必要です。今回は研究歴10年の私が研究のオリジナリティをどのように作ればいいのか紹介して行きます。

この記事を読むことで研究のオリジナリティを高められます。

研究のオリジナリティはどのように作られるのか?

研究にオリジナリティを出すと新規性の高い発見が出てくる可能性が高まります。しかし、いきなり自分のオリジナリティを出したのでは科学と言えないことをしている可能性が限りなく高いです。

そのため、研究にオリジナリティを出していくためには次の手順が必要です。

  1. 自分の研究分野に詳しくなる
  2. 正しい問いを立てる
  3. オリジナリティを出していく

必ず1から順に行いましょう。1と2の準備ができていないとオリジナリティを出しても失敗します。

自分の研究分野に詳しくなる

言っておきますが、オリジナリティを出して研究するのは簡単なことではありません。仕事量が多すぎて挫折することもあるでしょう。しかし、この手順に沿って研究することでオリジナリティを出して研究を成功させる可能性が高まります。

まずは論文を読んだり自分で実験をしてその分野の研究に詳しくなる必要があります。

いきなり斬新なアイディアを出しても誰も認めてくれません。

とあるサークルが学祭の出し物の準備をしているときに、突然知らない人がやってきて「やっぱ別の出し物にしよう」と言い出すようなものです。準備してきた経緯や苦労を知らないのにこんなことを言われても誰も聞く耳を持たないですよね。

研究者は過去のデータを元に論理を積み上げていく仕事です。過去にどんな結果があるのかも知らずにアイディアを出すことは過去に研究者が積み上げた論理を無視しているようなものです。

新人だとしても今までの経緯を熟知していたり、一緒に準備をした人なら突拍子もないアイディアも聞いて貰えるかもしれませんよね。

そのため、自分のオリジナリティのあるアイディアを出したいのならまずは自分の研究分野に詳しくなりましょう。

正しい問いを立てる

自分の研究分野に詳しくなったら正しく問いを立てましょう。ただ単に論文を読んでも自分で疑問を思いつかなければ受動的な学びになり研究に活かせません。

学祭の例で言えば「なぜ、この出し物なのか?」、「この準備の仕方は効率的か?」などです。もしかしたら、こうした問いを立てることで学祭をもっと楽しむための方法が生まれるかもしれません。

その分野で当たり前のように考えられていることに対して自分で疑問を持ってみましょう。多くは過去の古い論文が元になっています。しかし、たまにその古い論文の信憑性が低い場合もあります。

自分の中で問いを立ててその問いの答えを調べることで自分の理解が進むだけでなく、新たな発見のタネが見つかります。

オリジナリティを出していく

しっかりと勉強して正しい問いを立てた後にやっとオリジナリティを出していきます。サラッと書いてきましたがここまでの事をするのに早くて1年程度はかかると思います。

研究の事を何も知らない学部生ならここまで来るか来ないかで卒業することになると思います。

オリジナリティと言っても私は下記の2種類の方法があると思っています。

  • 別の分野の研究を勉強し自分の実験に取り入れる
  • 自分のアイディアを1から作る

では、順番に説明していきます。

別の分野の研究を勉強し自分の研究に取り入れる

簡単で現実的な方法がこの方法でしょう。

アイディアというのは世の中にすでに溢れています。画期的なサービスを言われているものでも世の中のアイディアを組み合わせたものだったりします。

例えば、TickTokがTwitterとYoutubeを組み合わせたようなものですし、Facebookはウィンクルヴォス兄弟が考えていたマッチングアプリが元になっています。

研究でも自分の分野と別の分野のアイディアを組み合わせることで大きな発見が生まれます。あまりにも違う分野は必要ないですが、研究の中心から少しだけずれた問いを立て、その問いに関係する研究分野を勉強することでオリジナリティのある研究が行えます。

ノーベル賞の受賞者が1人というのは珍しいですよね。複数いるのが多いのも複数人の研究を組み合わせると社会にインパクトのある研究になるからです。

このため、研究にオリジナリティを出すためには別の分野の勉強も行う事をお勧めします。

自分のアイディアを1から作る

一般的にオリジナリティを出したい人はこの考え方をします。すでに紹介したように何も知らないのに1から作ったのでは受け入れられません。

死ぬほど勉強して死ぬほど実験して一人で研究が進めれるような実力がついた上で全て捨てましょう。

えー、今までの努力はなんだったの?と思ったかも知れません。

でも、安心してください、意味がないわけではないです。

勉強してきたおかげでデータベースは出来上がっています。しかし、それと同時に無意識のうちに自分のバイアスが入ってしまいます。全て捨てるというのはこのバイアスを壊すためです。

1から自分でアイディアを作るのにこうしたバイアスがあると正しい論理を組み立てられません。自分の思い込みによってツッコミどころの多い論理ができてしまい、論文が出せないということも考えられます。

そのため、全て捨てるという事が重要になります。

全て捨てるのは難しい

勉強してきた事を捨てるという話をしましたが、人は自分を肯定したい生き物ですのでなかなか難しいです。ではどうすればいいかという事ですが、意識的に自分の中にネガティブな自分を作ると効果的です。もう生きることにすら否定的になるぐらいの自分を作る事で自分の考えを全て否定します。しかし、それでも否定できないアイディアがバイアスを取り除いたアイディアとなります。
この否定する自分を作るにも勉強してデータベースが作られていないと大した否定ができないので、やはり最初の勉強が必要になってきます。

結局は論文

オリジナリティを出したいときにはオリジナリティの高い論文を参照しましょう。その考え方をパクる事でオリジナリティの高い研究が行えます。

では、どうやってオリジナリティの高い論文を探せばいいのでしょうか?

見つけた論文を最初から最後まで読んでいたのでは時間がかかりすぎます。

そのため、まずはFigに注目しましょう。

自分の分野で見かけないFigがあるとオリジナリティの高い研究をしている可能性が高いです。Figが見かけないということは手法自体が違うので当たり前ですよね。

Figの中身にも注目しましょう。

見かけない因子が出ていたり、普通とは違うところに注目しているFigならオリジナリティの高い研究をしている可能性が高いです。

私の出会ったオリジナリティの高い研究の例

私は軟骨の研究を行なっていた事があります。軟膏は衝撃を吸収するスポンジのように例えられ、スポンジの中身に注目した研究が多いです。しかし、オリジナリティの高い研究はスポンジの周辺の構造に注目していました。実際に周りの構造がしっかりしているとスポンジの中身も良い状態を保ちやすいという結果を出しています。

オリジナリティの高い研究をしたいのならこうした論文を読む事をお勧めします。普通の人とは違う問いを立ててその問いを検証してますよね。論文を読んでデータを蓄えるだけでなく、バイアスを取り除いて常識を疑っているのでこうした研究ができたのだと思います。

参考文献を参考にする

オリジナリティの高い論文は参考文献も普通の論文と違います。

イントロダクションで他の論文と違うイントロになっていたり、そこで引用されている論文があまり見ないような文献の場合、オリジナリティが高くなります。

これぐらいを押さえていれば早くオリジナリティの高い論文を見つけられるでしょう。

まとめ

今回はオリジナリティの高い研究をするためにはどうすればいいかということを紹介しました。

論文を読んで勉強する、というのは研究の基本です。どんなんスポーツをするにしてもまずは基本を練習しますよね。いきなり、難しいことをしようとしても大抵失敗に終わります。

初めから大発見を狙うのではなく、基本からコツコツ努力していく事が結局は最短でゴールを目指すことになります。

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