【他人と差をつける】理系のための企業研究
- 企業研究のやり方が知りたい
- 企業研究で他の人と差をつけたい
- なぜ企業研究を行うのか本当の理由が知りたい
企業研究をしなければならないと思っていてもどの様に調べればいいのかわからない、という人もいると思います。私も最初は企業のホームページを見るぐらいしか思いつかなかったのですが、自分なりに考えて工夫した結果研究職として就職することが出来ました。今回はその過程で考えて行動したことをシェアします。
この記事を読むことで企業研究のやり方がわかります。
【他人と差をつける】理系のための企業研究
研究を進めるために情報収集を行う様に就活をするためにも情報収集を行いましょう。研究の場合は今わかっていることと分かっていない事を明らかにする事ですが、企業研究の場合は何のために情報を集めるのでしょうか?
ざっくりというと企業研究を行う目的は応募する企業を仕分けるためです。うまく仕分けることができれば入社後のミスマッチが減ったり、入社したいと言う思いを伝えることもできるでしょう。
私は企業を3つの群に分けて管理をしてました。
- 絶対に応募する群
- 絶対に応募する群がうまくいかなかった場合の群
- 入社しないけど業界を知るために応募する群
応募しない群を入れると4つですね。ただ、応募しない群は多すぎるので入れてません。
入社しないけど業界を知るために応募する群、というのは言ってしまえば練習用です。いきなり優先順位一位の企業を受けると緊張してしまいうまく自分を表現できません。面接に慣れるのと同時に業界の様子を知れたら良いのでこの群を作っておきます。
また、こうした仕分けをしておくと自己分析もできます。自己分析をしてから企業研究という流れが推奨されていますが、私は2つを同時並行で進めていくことをお勧めします。自己分析をした後に企業研究をして見ると自己分析でわかったことが違う気がする、ということがよくあります。逆も然りです。
自分がどういう人間か、というのは自分でも分からない問題なので色んな切り口から考える必要があります。自己分析が変われば受けたい企業も変わるので随時見直していく、という感じですね。
では、具体的にどの様に企業研究を行えば良いのでしょうか?
まずはホームページを確認しましょう。
やはり重要なのはホームページです。誰でも最初にチェックしますよね。
ポイントは下記の5つです。
- どんな商品を扱っているのか?
- どうやって利益をあげているのか?
- 根本となっている企業理念とは?
- プレスリリース
- IR情報
どんな理念をもとにしてビジネスを行なっているのか知っておきましょう。理念に共感できない会社だと働くのが辛くなります。
一番重要なのはIR情報です。中小企業ではIR情報を載せていないこともありますが、もしIR情報があるのなら絶対に確認しておきましょう。
IR情報とは?
IRとはInvestor Relationのことで経営状態や財務状況、今後の見通しなどが書かれた情報です。データに基づいて書かれているので企業に都合のいい事ばかりでなく、「今後の見通しが不安、経営状況が悪化している」など都合の悪いこともしっかりと書かれています。
文字が多く、専門的な用語も多いので避けてしまいがちです。しかし、ここが他人と差をつけるポイントとなります。
簡単に確認できるのは財務ハイライトです。
JCRファーマの例を見ていきましょう。
グラフを見ただけで売りがげが伸びている一方で営業利益が伸びてないことがわかると思います。このことから人件費が上がったり、商品の原価が高まったことが考えられます。でも、売り上げが伸びているので魅力のある企業です。
理系だとこうした財務表の見方が分からないという人もいると思うので最低でも知っておきたい用語を説明しておきます
- 売り上げ…商品やサービスにより稼いだ利益
- 営業利益…売り上げから原価や販売費、管理費を引いた利益
- 経常利益…利息や借入金を引いた利益
- 当期利益(純利益)…特別利益(固定資産売却益、債務免除など)や特別損失(災害、盗難など)を差し引きした利益
細かい内容は有価証券報告書を確認
JCRファーマの売り上げが伸びていることが分かりましたが、実際にどんな商品で売り上げを伸ばしているのか分かりません。
この様な情報が知りたい場合は有価証券報告書を確認しましょう。
例えば下記の様にまとめられています。
テムセルHS注という商品の売り上げが66.9%減少し、代わりにアガルシダーゼベータBS点滴静注という商品の売り上げが71.3%上昇しています。さらに、契約金収入が354.5%と意味が分からないぐらい上昇しています。
JCRファーマは再生医療当製品を扱っている有名な会社なので、こうした情報を知ると再生医療の業界の分析にもなりますし、志望動機などでこうした課題がある事を知った上で志望していると言うアピールもできます。
研究の進捗状況なども書いてあります。
JCRファーマの報告書ではどの製品が臨床研究のどの段階のなのか、その疾患に対する臨床研究を行なっているのかなどが書かれています。そのため、この企業の課題やその課題に対して自分がどの様に役立つのか考える材料にもなります。
企業の安定性もわかります。
例えば、下記の表からは財務状況が分かります。
特に注目したいのは自己資本率です。業種にもよりますが70%以上が理想で40%以上なら安定と言われているのでJCRファーマはかなり安定した企業だと言えるでしょう。
口コミもチェックしておきましょう
IR情報とは対照的にボンヤリとした情報しか出てきませんが、社風や部署の雰囲気などを知るためには有効な情報だと思います。
転職会議やOpenWork、SNSを駆使して情報を集めましょう。
これは主にブラックな会社に入社するのを防ぐためです。長時間労働や罵声などは法律で規制されているので対策が立てれるのですが「言われたことだけやればいいんだ。」の様な上司がいる場合、法律では規制できず精神的に苦痛を感じ続けることになります。
こうした特殊なタイプのブラック会社は労働局やそのほかの外部機関に相談しても「こんな相談がありましたけど大丈夫ですか?」ぐらいの対応しかしてくれません。法律的に判断するのも難しいですしね。
私も実際にそう言ったタイプの会社に入社しました。その時の体験は下記に書いてあるので参考にしてください。
こうした不満のはけ口として口コミがあると思うので必ずチェックしておきましょう。もちろん、正確でない情報もあると思うので一番いいのはOB、OG訪問かと思います。ゼミやサークルでそういった繋がりがある場合はぜひ直接会って話を聞いて見ましょう。
理系ならやはり論文と特許
理系で企業研究をするなら論文や特許を読みましょう。論文や特許を読むことでその会社の強みや競合となる製品について知ることが出来ます。
IR情報などは文系の人でも読みますが、さすがに論文までは頭が回らないと思います。そのため、ここも他人と差をつけるポイントになります。
では、どの様に論文や特許の検索をするか?ですが、オススメはGoogle Scholar、Google Patentです。医療系の分野なら対象疾患に対してどの様な研究が行われているのか調べてみる、といった感じです。もしかしたら画期的な研究が進んでいてその会社の商品の強みが失われてしまう可能性もあります。
また、他社製品と比較してどんな特許があることが強みとなっているのかも調べて見ましょう(ちなみに、特許は会社名を入れれば大抵出てきます)。
小さな会社でも重要な特許を持っているために大企業が追随出来ない、と言うことがあります。こうした本当の優良企業を見つけるためにも論文と特許を調べておきましょう。
分析のフレームワーク
企業の情報が集まってもどう仕分けたらいいのか分からない、という人もいると思います。そんな場合に有効なフレームワークについて紹介します。
これにより集めた情報を整理できるので仕分けもし易くなります。
SWOT分析
SWOT分析とは事業環境を分析するためのフレームワークです。
4つの項目について分析することで客観的にその企業が優良なのか判断できます。
- Strength;強み→自社の中のポジティブな要因
- Weakness;弱み→自社の中のネガティブな要因
- Opportunity;機会→外部のポジティブな要因
- Threats;脅威→外部のネガティブな要因
例えば、人工知能やロボットに置き替わると予想されている業界では「脅威」がとても大きいでしょう。逆にこうした要因を利用できる事業だと「機会」が大きくなります。さらにその会社の「強み」も活かせると最高ですね。
VRIO分析
VRIO分析とはその会社の強みを分析するためのフレームワークです。
- Value;価値
- Rarity;希少性
- Imitability;模倣のしにくさ
- Organization;組織
価値や希少性よりも模倣のしにくさや組織の方が競争優位の構築に役立つとされています。
優良な特許を持っていると模倣されにくくなるので競争力が高くなります。
まとめ
今回は理系のための企業研究の方法を紹介しました。
一言で企業研究と言っても様々な角度からの情報があります。これらを調べることでその企業に入りたいと思える様になったり、この企業はちょっと違うな、と気づける様になります。また、エントリーシートで志望動機を下記ときも悩むことが少なくなるでしょう。
今回紹介した方法以外にも自分で工夫して調べてみるともっと他人と差をつけることが出来ます。ぜひ、試行錯誤して見てください。