子供の成績が伸びない原因
子供の成績を上げるためにはどうすればいいのでしょうか?
➡︎子供の自己効力感を高めると良いようです。
自己効力感とは自分が周りの環境を変えていけるという感覚のことを言います。今回はそうした悩みの解決策になるような論文を見つけたので紹介していきます。
子供の成績が伸びない原因
この記事は2014年にRune Høigaard によって書かれた論文をもとに書いています。
なぜ、子供の成績が伸びないのか?
➡︎自己効力感が低いからです。
自己効力感とは自分の力で自分や周りを変えていけると言う感覚のことです。
以前の研究で自己効力感が学校での成績に大きく影響すると言うことが分かっていました→(R)。
何が学校での自己効力感を高めてくれるのか?
➡︎どのように勉強すればいいのか、分かりやすく説明してくれる人がそばにいる、など勉強のサポートをしてくれる環境が自己効力感を高めます→(R)。
しかし、こうしたサポート的な環境がどのように自己効力感を改善するのか分かっていませんでした。
そこで、著者たちは学校の環境と成績の関係を測定してみることにしました。
その結果、クラスをよくするために行動する子供ほど成績が良いことが分かりました。
では、詳しく観ていきます。
成績に影響する要因
以前の研究から成績に影響する要因として間接的な要因と直接的な要因があることが分かっていました。
間接的な要因とは?
➡︎次の2つが自己効力感に影響することが分かっています。
- 習得志向…子供が本来持っている興味を引き出す雰囲気を作り出すこと。
- 成果志向…正解と間違いの強調したり、他人との競争心を煽る雰囲気を作り出すこと
習得志向の場合は自己効力感を高めますが、成果志向の場合は自己効力感を下げます→(R)。
また、自己効力感が成績に相関があるというデータは沢山あるため教育の場では習得志向が望まれます。
こうした要因はSchool Goal Scale (SGS)により測定します。
直接的要因とは?
➡︎Organizational citizenship behavior (OCB) と言うものがあります→(R)。
OCBとは ‘パフォーマンスを発揮できるよう心理的な環境を整える振る舞い’ と定義されています。
OCBは大きく3つに分けられます
- 手助け…問題が起こっている時に自発的に助けに行けること
- 組織的美徳…組織をより良くしていくために建設的な関わりを持つこと
- スポーツマン精神…不満があっても文句を言わずに耐えること
OCBと成績に正の相関があることが知られています。
問題が起こっても誰も助けようとせず、チームを良くしていこうともせず、不満に対して文句ばかり言っている人はパフォーマンスが発揮できないと言うことです。
マスター指向とCivic virtueが成績を高める
著者たちは直接的な要因は自己効力感が仲介して成績に関係する。
そして、間接的な要因は直接成績に関係するのではないかと考え実験を行いました。
475人の14−15歳の学生を対象に調査を行いました。
・SGSの測定は答えを得るよりもやるべきことを理解する方が大事だ、先生は成績のいい子を贔屓する、という質問に対し5段階評価します。
・OCBの測定は以前の研究を参考にクラスの中で授業についてこれない子がいたらサポートする、授業で勉強の仕方の改善方法を提供する、ポジティブなことよりもネガティブなことに注目してる、などの質問に7段階評価します。
・自己効力感は時間が与えられれば良いパフォーマンスを発揮できる、などの質問に5段階評価します。
・学業の成績も分析に使います。
結果
習得志向と組織的美徳が成績と正の相関があることが分かりました。
↪︎また、習得志向の人は自己効力感が高まり、組織的美徳を介して成績アップに繋がるようです。
一方で成果志向とスポーツマン精神は成績と負の相関があることが分かりました。
↪︎また、成果志向の人は自己効力感が低下し、スポーツマン精神を介して成績が低下するようです。
習得志向の効果
習得志向の教室では
・学ぶプロセスを楽しんでおり、
・効果的な勉強法を作り出し
・学ぶ環境に対しての心配事も少ない
と言う結果が出ています。
組織的美徳の効果
組織的美徳は
・ポジティブなフィードバックを促し、
・生徒たちの間での助け合い
・生徒たちの間で刺激を与え合う
ような環境で培われると言うことも分かっています。
✔️このように、子供の興味を引き出すと自己効力感が高まり、適切なフィードバックを与え、生徒たちが互いに支え合い励ましあえる環境を作ることで成績が改善するようです。
成果志向の効果
成果志向の教室では能力に注目するため、できない子供の自己効力感が低下し成績も下がったと言う結果が出ています。
スポーツマン精神の効果
スポーツマン精神は組織が有効に機能する為には効果的だとされていますが、我慢することで自己効力感が下がります。
✔️このように、能力に注目すると自己効力感が低下し、不満や不平を言えなくなり成績が低下するようです。
まとめ
✔️勉強に対する興味に従うほど自己効力感が高まり、組織の中で建設的な役割を担うようになり成績が改善していることが分かりました。
一方で、他人との競争や組織を重視すると自己効力感が低下し、我慢するようになって成績が悪くなることが分かりました。
悩み;子供の成績が悪いです
➡︎勉強に対する興味を引き出しましょう。
楽しく勉強することが大事です。ただの詰め込みではなく、分からないことがあった時にすぐに誰かに聴ける環境や動画などで楽しく学べると成績がアップするようです。
↪︎最近では様々なコンテンツがネット上にあるので参考にしてみてください。
参考文献
Academic Self-Efficacy Mediates the Effects of School Psychological Climate on Academic Achievement
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