Amazonの理念〜急成長の根底にあるものとは〜
なぜAmazonは次々と新たなサービスを生み出せるのでしょうか?
➡︎異常なほど投資にお金をつぎ込む企業だからです。
あまり知られていないかも知れませんが、Amazonはネット販売以外にも様々な事業に乗り出しています。
現金を沢山持っているためチェレンジでき、ダメだと判断したらすぐに撤退します。今回はこうしたAmazonの理念について紹介します。
Amazonの理念〜急成長の根底にあるものとは〜
Amazonの理念を理解するためにはAmazonのロゴを見てください。
ここに2つの思いが含まれているとされています。
1つは a から z に矢印が向かっていることです。これは様々な商品が揃っていることを表しています。
2つ目は矢印の形です。笑っているようにも見え、顧客に満足してもらい笑顔になって欲しいと言う思いが込められているそうです。
このロゴからもAmazonがどんな企業なのか分かると思います。
では、Amazonの創業者ジェフ・ベゾスとはどんな人なのでしょうか?
ジェフ・ベゾスとはどんな人なのか?
➡︎非の打ち所のないエリートです。
1964年にジェフ・ベゾスはニューメキシコ州のアルバカーキで生まれ、幼い頃から科学が好きな少年でした。
自分の部屋に勝手に入る姉弟を感知してブザーを鳴らす装置や、高価な科学実験器具を自作したという逸話があるそうです。
当然、頭も良く1986年にはプリンストン大学を主席で卒業し、いくつかの金融系企業でキャリアを積み、90年にヘッジファンドのD・E・ショウ&カンパニー社に入社しました。
そこでもどんどん出世して行き、4年で上級副社長までのぼりつめます。
Amazon設立の転機
順風満帆の道を歩んできたベゾス氏ですが、インターネットの市場が1年に2000倍近く伸びていることを知り今までの地位を捨てて本のネット販売事業を始めます。
なぜ本を選んだかと言うことにもちゃんと理由があり、下記の3つのメリットを計算していたようです。
- 競合が少ない
- 本は時間が経っても価値が下がらない
- 在庫を抱えなくても良い
確かに本は何年経っても同じ値段で売られていて、本屋で商品を並べるとなると大量の棚が必要になり非効率的です。その点、ネットの方がメリットがありますね。
ちゃんと戦略を理論的に練っているのもエリートらしいです。
ベゾス氏の人柄
Amazonが軌道に乗り出しても2013年時点で自分への報酬は800万ドルで残ったお金は全て投資に回しています。
このことだけでもどれだけAmazonを成長させるのに必死かがわかります。
また、会議で自分の意見と合わないと「俺の人生を無駄遣いするとはどう言う了見だ。」と罵り、別のミーティングでは「そんなに頭が悪いのなら、1週間ほど考えて少しは分かるようになってから出直してこい。」と行ったこともあるようです。
会社のために全てを捧げている分、他人に対しても厳しいようですね。
しかし、その甲斐あってかAmazonは様々な事業に挑戦し成功を納めてきています。ただ、やはりどの事業がうまくいくかはやって見ないとわからないようで失敗に終わった事業も多数あります。
Amazonが撤退した事業
Amazonは小さく始めでダメならすぐに撤退すると言う方法で新規事業に挑戦しています。
科学の世界でもこうした考え方で実験を行うので科学者らしい発想だと感じました。
すぐに撤退した事業として例えば、1999年から1年しか続かなかったアマゾン・オークションズや2014年から1年しか続かなかったアマゾン・エレメンツがあります。
他にも
- 固定価格のバーチャル店舗であるZショップス
- 検索エンジンの「A9」
- 合言葉で決済を行うペイフレーズ
- 宿泊予約を行うアマゾン・デスティネーション
- オンラインストアの立ち上げ支援を行うウェブストア
など調べると18事業が出てきました。
こうした失敗を経てAmazonエコーなどの商品が生まれたと考えると過去の失敗も必要な失敗をしてるのかなと思います。
エジソンが実験に失敗がないと言ったようにこうしたビジネスにおける失敗も実は失敗じゃないのかもしれませんね。
こうした挑戦を繰り返しているため、Amazonの労働が過酷だと非難されています。
Amazonでの労働
Amazonに潜入取材した横田増生さんによると1日に倉庫を歩き回る距離は20kmにも達し、あまりの忙しさにトイレに行く暇もなくオムツをしている従業員もいるのだとか。
また、人よりも規則が重視され、人がロボット化していると言うことも書かれていました。
あまりにも過酷なためイタリアやドイツフランスのAmazonではストライキが発生しました。ちなみに、その時には正社員の74%がストライキに賛成したようです。
過酷な労働環境への対策
こうした過酷労働に対してAmazonは対策を取ろうとしていて、アメリカでは最低賃金を時給1720円に引き上げたり、イギリスでも時給1410円に引き上げたようです。
ただ、労働市場がAmazonでの仕事を倦厭し始め、離職率も上がったから仕方なく行ったと言う見方もあるようです。
なぜ、Amazonはここまで必死に働くのでしょうか?すでに莫大な利益を上げているので無理しなくてもいいように思います。
この問いに対してAmazonが私たちの生活の一部になろうとしていることが挙げられます。
Amazonは生活の一部になろうとしている
Amazonプライム会員数に注目するとアメリカでは8500万人を超えています。これはアメリカの4人に1人はプライム会員という計算です。
ご存知のようにプライム会員の値段は日本で破格の設定になっており、プライム事業を統括する役員は「プライム会員にならないなんてありえない状況を作る」と発言しています。
プライム会員で囲い込んで値上げする
アメリカの例で見てみると最初は39ドル破格の設定で会員を増やし、後から119ドルに引き上げています。この戦略を成り立たせるためには生活の一部に溶け込み、価格が上がったとしても会員をやめないように囲い込む必要があります。
プライム会員の特典
- 送料が無料
- 映画やアニメの見放題
- Kindleの数百冊が無料
- 200万曲が聴き放題
- 先行タイムセール
- プライムフォトなどのサービス
しかも、月額はたったの500円です。
少し値段が上がってきていますが、こんなに安くこれだけのサービスが得られるなんてまさに会員にならないなんてありえない状況です。
日本でも値上げが本格的になる前にプライム会員になった方がいいかもですね。とはいってもそこまで大きな値上げはしないと予想されています。
他にもAWSや輸送サービスを考えても今の世界はAmazonなしには考えられない世界になっています。
まさに、様々な商品で人々が笑顔を笑顔にするというAmazonの理念を体現しています。
まとめ
今回はAmazonがどのような理念のもと事業を行ってきたのか紹介しました。
理念の実現のために様々なサービスを生み出そうと挑戦し、過酷な労働を課しています。
ベゾス氏は従業員に対し過激な発言をするようですが、自分にも厳しくしてきた過去があるため言う資格があると思います。
Amazonのことを調べてみてベゾス氏は自分の理念にまっすぐに進んでいる人だなと感じました。