本質的動機付けを高めるモンテッソーリ教育法
子供の教育方法に悩んでいませんか?
➡︎古くから知られている方法にモンテッソーリ教育法というものがあります。
これにより、子供の本質的動機づけが高められ学力や社会性、創造力などが高められるとされています。今回はこのモンテッソーリ教育法について紹介します。
本質的動機付けを高めるモンテッソーリ教育法
この記事は2017年にChloë Marshallによって書かれたレビューを参考にしています。
モンテッソーリ教育法とは?
➡︎知恵や感情、体力など子供の選んだ能力を開花させることを目標にした教育法です。
モンテッソーリ教育法は100年以上前にイタリアのMaria Montessoriによって提唱された方法です。
この教育法の特徴は人は産まれながら自分で学んでいく力があるという考えに基づいて科学的なアプローチを用いていることです。
モンテッソーリ教育法は本質的動機付けを高める
この教育法では子供間での競争を促さないことや報酬や罰などの外来的動機づけになる様なことは行いません。
代わりに子供たちの本質的動機づけを上昇させ、学ぶことを楽しくします。また、学力や社会性、自己管理能力、創造性、統合的思考力などの能力が向上することもわかっています。
モンテッソーリ教育法のやり方
モンテッソーリ教育法では子供が自分のタスクに集中することが重要です。そのため、特徴的な教室と教材が与えられます。
教室
➡︎モンテッソーリの教室にはピンセットや雑巾、ハサミ、アレンジメントフラワー、テーブル、掃除機など様々な道具が準備されています。
これにより、子供が自立した生活を送れるようになり、自分で目標を設定し行動を始めて完結させる基礎を作ることができます。
教材
➡︎子供の知的が高まるような教材が与えられます。
例えば、多きさや各パーツに振られている数字がバラバラな色付きの円柱や振ると音のなるシリンダーなどです。
・色付きの円柱は大きさ順に積み上げて遊べるようになっており、大きさの認知機能を高めます。
・シリンダーは6組あり、同じ音のなるシリンダーを組み合わせて遊べるようになっており、音の認知機能を高めます。
こうした教材により子供の認知機能が高まります。また、算数や読み書きの基礎を支えるような内容になっており、学術的な教育を支える効果も期待されています。
大人によるサポート
➡︎大人の役割は子供が遊びに集中できるようにすることです。
そのための2つの特徴的な方法があります。
?1つは遊びのサイクルです。
遊びたいおもちゃを決めたら、自分のスペースを確保し気の済むまで遊びます。もう十分と満足するまで他の子はそのおもちゃを使えません。
これにより、子供は邪魔されることなく自分の遊びに集中できるため集中力が高まります。
?2つ目は遊ぶのサイクルを3時間と区切ることです。
子供たちは3時間の間自由ですが完全に自由というわけではありません。
先生役の人がおもちゃを選べない子を指導したり、他の子の邪魔する子供を正します。また、力のついてきた子に対しては難易度の高いおもちゃの遊び方を教えます。
こうした教育を行う上で理想的な子供の年齢は3から6歳とされています。それ以前は先天的な要因が大きく、教育の効果が見られないそうです。
モンテッソーリ教育法の科学的な根拠
しかし、モンテッソーリ教育法の科学的な有効性を完全に示すことはできていません。
理由として下記の様な様々な制限があるからです。
- ランダムに子供を選定して調査できない
- おもちゃなどの環境がどの様に作用しているのか、指導者の指導の仕方がどの様に作用しているのか、分からない
- モンテッソーリ教育法を正確に行うのが難しい。
こうした課題の中でもランダムに子供を選定する、というのが一番の課題になります。
比較対象がない場合、モンテッソーリ教育法を受けた子の頭がたまたま良かっただけかも知れません。
モンテッソーリ教育法は学力や社会性、自己制御能力を高めます
この課題を乗り越えてLillard と Else-Questが最も信頼できるデータを出しています→(R)。
彼らは子供たちをモンテッソーリ教育法を行うグループと行わないグループにランダムに分けて実験を行ないました。
?Lillard と Else-Questの結果
5歳の子供の学力や社会性、自己制御能力が大幅に良くなりました。
また、12歳の子供では物語を作る能力や社会性が高まり、学校に対してポジティブな感情を持つようになりました。
モンテッソーリ教育法に効果があるのか?
モンテッソーリ教育法は効果がないという報告がいくつかなさされています。しかし、いくつかの課題を抱えている場合が多く、正確にモンテッソーリ教育法を行なっている場合は何かしら効果が出ている様です。
学術的な能力が向上した理由としてモンテッソーリ教育法で使われているおもちゃが学習をサポートしているという考察と、集中できる環境が学習効率を高めたという考察があります。
モンテッソーリ教育法は創造性、統合的思考力も高めます。
?創造性を測定する方法
・段ボールの変わった使い方を考えるテスト
・象のおもちゃをより面白いものに変えるというテスト
?統合的思考力を測定する方法
・与えられた情報を使ってストーリーを作るテスト
・6つの特定の図形を組み込んだ絵を考えるテスト
モンテッソーリ教育法を受けた子供はこの両方の能力が高まっていました。
また、モンテッソーリ教育法を忠実に行うグループと教材だけ使うグループ、何もしないグループで比較した時にはモンテッソーリ教育法を忠実に行うグループで大きな効果が見られた様です。
まとめ
✔️モンテッソーリ教育は子供の興味を促進して能力を開花させるようです。以前の記事でも本質的モチベーションの重要性について解説しています。
☑️モンテッソーリ教育法により自制心の向上も確認されています。
人の成長に関しての記事は結局本質的モチベーションにたどり着く様な気がします。様々な研究がこの概念に行き着くということは信頼できる概念なんだろうと思います。
また、モンテッソーリ教育法は他の教育法と合わせても効果があるようです。
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