起業にも有効〜問題の先送りで創造性が高まる話
あなたは問題をすぐに解決するタイプでしょうか?それとも先送りにして後で解決するタイプでしょうか?仕事では仕事をすぐにやることで仕事ができる人だと評価されます。しかし、創造性の必要な仕事に関してはすぐにやることが最善だとは限りません。今回は問題を先送りにすることで創造性の高い仕事ができると言う話をしていきます。
起業にも有効〜問題の先送りで創造性が高まる話
アメリカの心理学者であるアダム・グラントによると問題を先送りにすることで創造性が高まるそうです。
被験者に問題を出した後、マインスイーパーをやって問題を解いたグループとすぐに問題を解いたグループでは前者のグループの方が創造性の高い解決策を思いつくと言う結果が出ています。
これはマインスイーパーが創造性を高めたのではなく、マインスイーパーやってる間にも潜在的に問題について考えているからだとしています。実際にマインスイーパーをやった後に問題を出しても創造性は変わりませんでした。
だた、問題を先送りしすぎると創造性は下がってしまうそうです。そのため、全ての先送りが創造性を高めるのではなく、効果的な先送りがあると言うことです。
このような結果から問題の先送りは思っているほど悪いことではないと分かります。
実際に先送りの良い例としてキング牧師の有名な演説があります。長い間様々な人の意見を聴きながら練られ、I have a dream と言う有名なフレーズは演説の直前に取り入れられたようです。
私の経験でも何か実験を思いついてすぐに取り掛かるよりも一旦忘れて、もう一度メモを見返した時に思いついた実験の方が優れたデザインになってると感じます。
思いついたことをすぐに最終化してしまう場合、考慮に入れていないことがあったり偏った見方をしてしまいます。心理学的にも自信過剰や楽天主義のバイアスがかかってしまうことが知られているため、一度距離を取ることで冷静に判断できるようになるのかもしれません。
後発企業の方が成功率が高い
似たような調査で先行企業が失敗する可能性は47%なのに対し後発企業が失敗する可能性はわずか8%と言う結果が出ています。
一般的には先行企業の方が市場を独り占め出来るため有利だというファーストペンギンの理論などがあります。しかし、最初に未知の市場に飛び込むよりも先行企業の様子を見てそこに独自性を加えて市場に参入した方が成功する可能性が高いようです。
実際にGoogleもYahooの例を見てから参入しましたし、FacebookができたのもMyspaceやFriendsterがでた後でした。
一方で成功する人というのはそれ以上に失敗している人というデータも出ています。アインシュタインも相対性理論以外の理論で間違っているものがたくさんありますし、ベートーベンも第9以外に数多くの駄作を生み出しています。
今でもイーロン・マスクやジェフ・ベゾスのように新しいことに一番に取り組む人がいますが、そのような人たちはチャレンジしないと気が済まないという性格のようです。
とにかく、成功するためにはトライアンドエラーを繰り返していくしかないようです。先行企業になることは成功率は低いかもしれませんが、ブルー・オーシャン戦略のような方法だと高い利益が期待できるためチャレンジする価値はあると思います。
参考動画