【退職の手続き】再就職先が決まってない人がやらなければならないこと
- 退職に必要な手続きが知りたい
- 退職後、どの様な手続きがあるのか知りたい
- 正しい会社のやめ方が知りたい
退職を決める際にはどの様な手続きが必要なのか不安ですよね。私自身、退職するときや退職した後に何をしたらいいのか分からず様々な情報を調べました。かなり手間だったので自分の調べた情報をまとめておきます。退職を決めたものの再就職先が決まっていない、と言う人に役立つ情報になっています。
この記事を読むことで退職の手続きの方法が分かります。
【退職の手続き】再就職先が決まってない人がやらなければならないこと
再就職先が決まっていないまま退職すると様々な手続きをしなければなりません。再就職先が決まっている場合は書類を提出するだけで手続きを行ってくれるのですが、再就職先が決まっていない場合は自分で行う必要があります。
無事に退職して再就職先が決まるまで、必要なことを4つの段階に分けて解説して行きます。
- 退職するまでの手続き
- 退職時に返却するものと受け取る書類
- 退職後に必要な手続き
- 再就職先が決まった後の手続き
退職のまでの手続き
退職には自己都合と会社都合があります。今回は自己都合で退職する人を対象に解説していきます。
まずは退職日を確定しましょう。
退職方法を人事に問い合わせる時に退職日を聞かれるので答えられない場合は話が前に進みません。ちなみに、退職日を決める時には就業規則を確認しましょう。多くの会社では退職予告をしてから1ヶ月という期間が定められています。退職届を出したからといってすぐに出社しなくてよくなる訳ではないので注意しましょう。
また、退職するときは月末にすることをお勧めします。なぜなら、保険料が日割計算されないため1日でも残っていたら1ヶ月分の保険料を支払わなくてはならなくなるからです。保険料は月に数万円もするので気をつけましょう。
退職届けを提出しましょう。
退職届は人事に相談すれば手に入ります。会社独自のフォーマットがあるのでその形式に従って記入すれば大丈夫です。退職理由を聞かれる場合がありますが、「一身上の都合のため」と書いておくのが無難です。
この書類は労働局へ提出されるので他の理由を書いているとその会社がブラックなのではないかと疑われる原因になります。私は素直に理由を書いていましたが「一身上の都合のため」と書き直す様に指示されました。手続きが遅れる原因にもなるので「一身上の都合のため」と書いておきましょう。
仕事の引き継ぎ
退職届けを出したら仕事の引き継ぎを行いましょう。「立つ鳥跡を濁さず」と言う様に後々トラブルにならない様にするためにも引き継ぎをしっかりと行いましょう。引き継ぎをすることで退職に必要な書類が渡されないなどの嫌がらせを防ぐこともできます。
1ヶ月で引き継げない場合もあるかもしれませんがそれはしょうがないです。仕事の割り振りが適切ではなかった、と割り切って退職日を変更しない様にしましょう。
退職時に返却するものと受け取る書類
退職日は様々な書類を受け取ったり、引き継ぎを確認するなど忙しい1日となります。バタバタして会社に返却するのを忘れることもあるので一覧を作って準備しておきましょう。
- パソコン
- 社員証、入館証など
- 名刺
- ペンやファイルなどの文房具
- 制服
- 健康保険証
また、自分が持っている書類を適切に処分しましょう。会社の外に漏れてしまうとまずい書類はシュレッダーにかけたり、引き継ぐ社員に渡しましょう。
退職時に会社から受け取る書類として下記のものがあります。
- 雇用保険被保険者離職票−1、2…失業手当を受け取るためにハローワークに提出します。
- 源泉徴収票…所得税の金額が記載された書類です。再就職する時や確定申告をする時に必要になります。
- 健康保険資格喪失証明書…保険の手続きの時に必要です。
- 雇用保険被保険者証…保険に入っていたことを証明するための書類です。雇用保険被保険者離職票とは違うので気をつけましょう。
- 年金手帳…会社に預けている場合に受け取ります。
- 退職証明書…退職したことを証明する書類で再就職先に提出を求められることがあります。雇用保険被保険者離職票が代わりになることもあります。
全て必ず受け取らなければならない、と言うことはありません。再就職先が決まっていない場合は雇用保険被保険者離職票−1、2と源泉徴収票、健康保険資格喪失証明書の3つが必須になります。その他はなくても済む場合が多いです。
雇用保険被保険者離職票−1、2
雇用保険被保険者離職票は公的に離職したことを証明するための書類です。ハローワークに提出することで失業手当を受け取ることができます。この書類は失業手当以外にも使えるのでコピーを取っておきましょう。再就職先が決まっている場合は受け取らなくても問題ないです。
実施にどの様な書類なのか下記に載せておきます。
ちなみに、退職証明書は会社が離職したことを証明する書類なので公的な手続きには使えません。ただ、雇用保険被保険者離職票がどうしても出してもらえない時の代わりになったり、再就職先の企業が提出を求める時があるので大切に保存しておきましょう。退職証明書を受け取らなかった、と言う人がいるかもしれませんが2年以内なら会社に発行する義務があるので提出してくれるはずです。
源泉徴収票
源泉徴収票は所得税を正しく収めるための書類です。退職時に源泉徴収票を受け取り再就職時に提出することで年末調整を行います。そのため、退職時には必ず源泉徴収票をもらう様にしましょう。
また、年をまたいで再就職する場合は自分で確定申告をしなければなりません。その際に源泉徴収票が必要になります。確定申告が遅れると延滞税も支払わなければならなくなるので注意しましょう。ただ、退職して再就職先が決まっていない場合は多く払いすぎている可能性が高いので、その場合は還付金が受け取れます。
実施にどの様な書類なのか下記に載せておきます。
源泉徴収票を無くしてしまったと言う場合は会社に問い合わせましょう。会社には保存して提出する義務があるので応じてくれるはずです。公的機関に問い合わせても再発行してくれないので注意しましょう。
健康保険資格喪失証明書
健康保険資格喪失証明書は保険を切り替える時に必要な書類です。会社に勤務していた時は社会保険に加入していました。しかし、退職すると自分で保険料を支払わなければなりません。この手続きを行うために健康保険資格喪失証明書が必要になります。
実施にどの様な書類なのか下記に載せておきます。
保険の切り替えは市役所で行います。手続きには健康保険資格喪失証明書と身分証明書が必要です。ちなみに、転職先が決まっている場合は転職先が加入している組合に入るのでこの手続きは必要ありません。
退職後に必要な手続き
退職日の後には受け取った書類を使って様々な手続きを行わなければなりません。必要な手続きを行なっていないと公的な補助やサービスが利用できなかったり、必要以上に税金を払わうことになるので気をつけましょう。
必要な手続きとしては下記の5つがあります。
- 失業手当
- 保険の切り替え
- 年金の手続き
- 住民税
- その他の手続き
失業手当
退職後に再就職先が決まっていない場合は失業手当が受け取れます。1日あたり直近の6ヶ月間の間に受け取った賃金を180で割った金額の45%〜80%を受け取ることができます。雇用期間が10年未満の場合は90日分、10年以上20年未満の場合は120日分、20年以上の場合は150日分受け取れます。
例えば、年収が300万円の人は1日あたり5500円程度の給付が受けられます。また、雇用期間が10年未満だった場合は5500 × 90 、つまり49.5万円の給付ということになります。年齢によっても金額は変わりますがこのぐらいの金額が受け取れます。さらに、失業手当は確定申告の対象にはなりません。とても大きな金額なので必ず手続きを行う様にしましょう。
手続きのためにはハローワークに下記の書類を持っていきましょう。
- 雇用保険被保険者離職票の1と2
- マイナンバーカード(3×2.5の証明写真2枚でもOK)
- 預金通帳
- 印鑑
ただし、この手続きを行なったからといってすぐに手当を受けれる訳ではありません。離職理由に関わらず7日間の待機期間がありますし、自己都合の場合は3ヶ月間の給付制限があります。つまり、最長で3ヶ月と7日後から給付が受けとれるという事になります。
また、月に1回ほど求職活動実績について報告しなくてはなりません。失業手当は再就職する人を対象にしているので求職活動をしているかアンケートが行われます。そのため、失業認定日という指定された日時にハローワークに行かなければなりません。これをサボってしまうと給付が受けられないので注意しましょう。
再就職した場合
失業手当をもらう前に就職先が決まったら給付金がもらえないの?と思ったかもしれません。再就職した場合は失業手当ではなく再就職手当がもらえます。支給される筈だった日数が3分の1以上残っている場合は残りの金額の60%、3分の2以上残っている場合は70%の金額が再就職手当という形で支給されます。
年収が300万円の場合は5500×90で49.5万円の給付でしたね。給付制限の3ヶ月間の間に再就職先が決まったとすると支給される筈だった日数を消化していないので49.5×0.7となり34.6万円の給付になります。
ただし、再就職手当を受け取るためにはいくつかの条件があります。
- 就職する日の前日にハローワークで就職の届け出を行う
- 就職日の翌日から1ヶ月以内に再就職手当の申請手続きを行う
他にも細かい条件がいくつかありますがこの2つが特に重要だと思います。
失業手当は正しく受け取りましょう
失業手当は就業する意思のある人の生活を支えるための手当です。アルバイトやパート、試用期間でも仕事をしていると見なされ不正受給になってしまいます。ありのままを申請しないと行政処分を受けます。返金だけでなく延滞金や納付命令により多額のお金を支払わなければならなくなり、過去には200万円や50万円の支払いがあった様です。また、こうした不正受給は詐欺罪にもなるので気をつけましょう。
今回紹介した以外にも様々な制度があるのでまずは地域のハローワークに行くことをお勧めします。
保険の切り替え
退職する事により会社を通じて入っていた保険料を個人で支払う事になります。その際には3つの選択肢があります。
- 家族の扶養に入る
- 任意継続
- 国民健康保険
これがややこしいので詳しく解説していきます。
それぞれ特徴があるので自分に適したものを選ぶ様にしましょう。
家族の扶養に入る
一番簡単なのは家族の扶養に入る方法です。両親がまだ働いている場合はどちらかの保険の扶養に入ることで保険料を払う必要が無くなります。しかし、扶養に入れるかどうかはその保険会社の条件によります。
扶養に入るためには健康保険被扶養者(異動)届や年収を確認するための書類が必要になる場合もあるので問い合わせをして準備しましょう。
任意継続
中小企業に勤めている人は協会けんぽ、大企業に勤めている人は組合健保から保険に加入していることが多いと思います。退職しても20日以内に手続きすればこの保険を最大で2年間継続できます。
メリットとしては収入が多かった場合や扶養家族が多い場合には国民健康保険よりも割安になる可能性があります。
どちらが割安なのかは問い合わせるしかありません。地域の全国保険協会で任意継続の料金、市役所で国民健康保険の料金を問い合わせて割安な方を選ぶ様にしましょう。
国民健康保険
国民健康保険は自営業やパートやアルバイトの人を対象にした保険です。再就職先が決まっていない場合は一時的に国民健康保険に加入することになります。退職びから14日以内に届け出をする必要があるので注意しましょう。
協会けんぽの保険料が全国で統一されているのに対し、国民健康保険は自治体で保険料が決められています。国民健康保険は所得や資産に基づいて決められるので割安になる場合が多いです。
ただし、家族を扶養に入れることができません。そのため、奥さんや子供にもそれぞれ保険料がかかってしまいます。上記でも紹介しましたが、任意保険とどちらが割安かは問い合わせるしかありません。
年金の手続き
会社員として働いている場合は国民年金に加えて厚生年金や共済組合に加入していました。しかし、退職した際には国民年金のみに加入する事になります。国民年金だけでも月に16,632円(2020年時点)ほど納めないといけないのでかなりの額になります。そのために必要なものは下記の通りです。
- 身分証明書
- 雇用保険被保険者離職票の写し(あれば)
市役所に行き、必要な書類を書いて提出する事になります。配偶者がいる場合は配偶者の被保険者区分も一緒に変更しましょう。
被保険者区分ってなに?という人もいると思うので、被保険者区分について下記に簡単にまとめておきます。
- 第一号被保険者…国民年金にのみ加入している人のことを言います。フリーランスや無職、自営業の人が当てはまります。
- 第二号被保険者…国民年金に加え厚生年金や共済組合に加入している人のことを言います。会社員や公務員の人が当てはまります。
- 第三号被保険者…第二号被保険者に扶養されている人のことを言います。年収が130万円以下でなければならないので注意しましょう。
国民年金の手続きが完了すると
・領収(納付受託)済通知書
・国民年金保険料納付案内
・国民年金保険料口座振替依頼書
が送られてきます。再就職するつもりなら口座振替依頼書は無視して、領収(納付受託)済通知書をコンビニや郵便局に持っていき納付しましょう。月の途中に退職した場合はその月の保険料も支払います。月末に退職していれば翌月の年金保険から納付します。再就職先が決まった場合は、入社月の前月の保険料まで支払います。
住民税
住民税は警察、消防、医療、教育、道路整備、ゴミ処理などの地域住民が安心・安全・快適に暮らせるための行政サービスの費用として使われます。
住民税の納付方法は、特別徴収(給与からの天引き)と普通徴収(自分で納付)の2つがあります。普通徴収は自治体から送られてくる納付書を使って金融機関やコンビニ、口座振替で支払う方法です。
会社員の時には特別徴収で納付していますが、退職すると普通徴収に切り替わります。納付のタイミングとしては6月末に一括払い、または、年4回(6月末、8月末、10月末、翌年の1月末)に分けて納税します。
住民税は前年の所得を対象に6月から翌年の5月まで課税されます。金額としては所得の5〜8%ぐらいを想定しておきましょう。退職して収入がないという状態になってもしばらくの間は住民税を支払わなくてはなりませんので注意が必要です。
1月1日~5月31日に退職した場合
原則として退職月の給与から5月分までの住民税を一括で支払わなければなりません。退職した月の給与、または退職金の金額が徴収される住民税の金額よりも少ない場合は普通徴収に変更してもらい自分で支払うことも可能です。
6月1日~12月31日に退職した場合
退職する月以降に支払う住民税に関しては、普通徴収に切り替えて納税します。希望すれば退職する月から翌年5月までの支払い分を退職する月の給与や退職金から一括で支払うことも可能です。
その他の手続き
これまでに紹介してきたこと以外にも細かい手続きが必要です。
- 住民票の変更
- 郵便物の送付先の変更
- NHKの解約
- 光熱費やネット回線などの解約
NHKを解約していないと二重に支払いをする事になったり、郵便物の送付先を変更していないと個人情報が他人に盗まれる可能性があります。
人によって様々な手続きがあると思うので忘れない様に処理しましょう。
再就職先が決まった後の手続き
再就職先が決まった場合にも様々な手続きを行う必要があります。具体的にどの様な書類を提出しなければならないのか紹介して行きます。
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 給与振込先届出書
- その他の書類
雇用保険被保険者証
退職するときに雇用保険被保険者離職票を受け取りますが、雇用保険被保険者証は全くの別物です。雇用保険被保険者証は雇用保険に加入していたことを証明するもので雇用保険被保険者離職票は退職したことを証明するものです。
雇用保険被保険者証を退職するときに受け取ることもありますが、受け取っていない場合はハローワークで発行してもらいましょう。時間がかかる場合もあるので内定が決まったらすぐに手続きすることをお勧めします。
雇用保険を受給せず、1年以内に別の会社に入社すれば、雇用保険の期間が通算されます。雇用保険被保険者証を転職先に提出することで、失業に備えることができます。
年金手帳
年金手帳は年金に加入する手続きを行うために必要になります。しかし、あまり見たことがなく何処にあるのか分からない、という人がほとんどだと思います。会社に提出しているか自分で保管しているかのどちらかの場合が多いです。
もし、どちらにもない場合は市役所か出張所で再発行してもらいましょう。印鑑と身分証明書があれば再発行してもらえます。ただ、年金手帳といっても必要なのは基礎年金番号ぐらいですので提出しなくても良い場合もあります。
源泉徴収票
源泉徴収票は確定申告や年末調整を行うときに必要な書類です。年内に転職する場合には必ず提出が求められますが、退職した翌年に入手する場合には提出が求められないこともあります。
退職時には必ず受け取る必要がありますが、受け取っていなかったり無くしてしまった場合には会社に問い合わせましょう。また、転職先にいつまでに提出できるのか伝える様にしましょう。
給与振込先届出書
名前の通り給与を受け取るための届け出です。会社で指定した金融機関でないと受け取れないこともあるので口座を作り必要事項を書いて提出しましょう。
その他の書類
再就職先に提出する書類の多くは上記に記載した通りです。その他にも場合によっては必要になる書類があるので紹介しておきます。
- 扶養控除等申告書…扶養家族の有無について提出する書類です。
- 健康保険被扶養者異動届…扶養家族がいる場合に保険を受けられる様にするための書類です。
- 入社承諾書…社内規則や秘密保持に関して承諾書です。
- 健康診断書…直近の健康診断の結果が書かれたです。
- 資格証明書…仕事に資格が必要な場合に提出する書類です。
- 卒業証明書…学歴を証明するために提出を求められることがあります。
- 従業員調書…家族の情報や従業員の個人情報を提出する書類です。
- 昨年の源泉徴収書…今年の源泉徴収書では正確な年収が把握できないので直近3ヶ月間の給与明細や過去1年分の給与明細と一緒に提出することがあります。
これらの書類については気をつけることがほとんどないので支持されてある通りに提出すれば問題ないです。
まとめ
今回は再就職先が決まっていない人向けに退職時に必要な手続きを紹介しました。
こうした手続きを考えると再就職先を決めてから退職した方が面倒な手続きをしなくて済むので良いですね。