セルフコンパッションとは?マインドフルネスとの違いと一緒に紹介します。
- セルフコンパッションについて知りたい
- よく聞くマインドフルネスと何が違うの?
- 日々のストレスをなんとかしたい
最近、セルフコンパッションという言葉を聞くことが多くなった人もいると思います。仕事がうまくいくのか不安だったり、自分に自信が持てない、という悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
今回はセルフコンパッションがこうした悩みに有効という話を紹介します。
セルフコンパッションとは?マインドフルネスとの違いと一緒に紹介します。
仕事で怒られたり、友達や家族との関係がうまくいかず自分に価値がないように感じてしまうことはありませんか?
私は職場でよくわからない理由で怒られたり、無駄に厳しく管理されて苦痛を感じていました。しかし、セルフコンパッションやマインドフルネスを行うことでストレスが緩和され、嫌なことがあってもすぐに頭を切り替えれるようになりました。
テキサス大学が行なった研究でもセルフコンパッションを行うことで鬱症状や不安を抑制できるようになるという結果が報告されています(R)。
セルフコンパッションとは
セルフコンパッションとは
・自分に対して優しさを向けること
・自分に優しさを向ける能力を高めること
の両方を示す言葉です。
客観的な視点に立って苦しんでいる自分に優しさを与える訓練をすることで自分の苦しみを和らげることができます。
ここで「苦しみって成長のために必要なんじゃないの?」と思うかもしれませんがそれは間違いです。自分の欠点を受け入れ改善していくことと自分の欠点に苦しむことは違いますよね。欠点があるから悪いのではなく、改善すればいいだけです。そこに苦しみは必要ありません。
注意すべきなのは苦痛に抵抗しない、ということです。
苦しみは下記のような方程式で表されるとされています。
苦しみ=苦痛×抵抗
苦痛を受け入れずに抵抗すればするほど苦しみが大きくなるようです。例えば、自尊心の高い人が当てはまります。自分に自信を持っているので都合の悪い事実から目をそらそうとします。これでは自分の苦しみが大きくなるだけです。
こうした苦しみから逃れるためにセルフコンパッションには3つの要素が含まれています。
- 自分への優しさ
- 共通の人間性
- マインドフルネス
それぞれについて紹介していきます。
自分へのやさしさ
苦痛や欠点に出会ったときにそれを無視したり自己批判するのではなく自分に優しくすることを言います。
自分が苦痛を感じる原因は自分だけの問題ではありません。周りの環境や親からの遺伝など様々な要因が関係しています。それにも関わらず、多くの人は自分が苦しむ理由が自分だけになるように考えてしまいます。
客観的に自分を見ることで失敗や挫折をした時に「自分だけのせいではないのになぜそんなに自分を責めるんだ」と自分に優しくなれます。
共通の人間性
被害を受けたり失敗をしたりしたときに他の人も同じ苦痛を感じていると認識することを言います。
苦痛を感じた時になぜか自分だけがその苦痛を感じているように考えてしまいます。しかし、そんなはずはないですよね。世界は広いし、過去を遡れば同じような苦痛に悩んでいた人が必ずいます。
自分もそのうちの一人だと認識すると苦痛が軽く感じませんか?お金や人間関係、将来の不安、などみんな同じような苦痛を抱えながら生きています。自分は孤独ではないと認識することで苦痛を減らすことができます。
マインドフルネス
「今、この瞬間」に集中することで過去でも未来でもない今に集中することを言います。
不安やストレスは頭の中で何度も繰り返されるという性質があります。相手に強いネガティブなことを言われた時って一日が嫌な気分で一杯になりませんか?
仕事に集中しようと思っても気づいたらそのネガティブな言葉について考えてしまっている、ということがあるかと思います。
私たちはこうした不安やストレスを頭で何度も繰り返しているうちに不安やストレスを過大評価してしまいます。
こうならないためには「自分は過去のネガティブなことに囚われているな」と認識できなければなりません。
「今、この瞬間」に集中することでこれに気づくのが早くなり、頭の中でネガティブなことが繰り返されるのを防ぐことができます。
マインドフルネスと何が違うのか?
瞑想やヨガなどマインドフルネスへの関心は高まっているのですが、セルフコンパッションとの違いがわからない、という人も多いと思います。
上記で紹介したようにセルフコンパッションの中にマインドフルネスが入っているので明確な区別はできません。
ケンタッキー大学で行われた研究ではセルフコンパッションをしたグループとマインドフルネスをしたグループで同じような幸福感の上昇が見られています(R)。しかし、両方を行うと相乗効果があるので全く同じもの、ということではではないようです。
この結果を踏まえて2つの違いをいうとしたら下記のようになります。
- セルフコンパッション;自分へ思いやりを向けることに集中すること
- マインドフルネス;自分を客観的に捉えること
マインドフルネスができているとセルフコンパッションの効果が高まりやすくなります。マインドフルネスには他にも様々な効果があるので下記の記事を参考にしてください。
体験談
私は2020年6月時点で9ヶ月間ほぼ毎日マインドフルネスを行なっています。マインドフルネスの方法としては瞑想を使っています。また、仕事でもストレスが多くセルフコンパッションを試すことが多いです。
その結果、どのような感情の変化が起きたのか書いていきます。
まず、一番大きいのは自分の感情に気づけるようになった、ということです。仕事をしていても上司に対する不満について考えてしまっていたり、社内にいるサイコパスの上長に対するネガティブな感情に囚われていました。
マインドフルネスをしたことで「自分ってこんなにもネガティブなことを考えやすい人間だったんだ」と気づけました。
このことに気づけたのが一番大きな変化でした。
そのおかげで自分のストレスの正体がわかり、「自分にどうしようもないのだから思うような社会貢献ができなくても自分を責めても意味がない」と気づけるようになりました。
しかし、自分にはどうしようもないと言って努力しないというわけではありません。ただ、自分の中に共感してくれる自分がいるので努力するパワーがもらえる、という感じです。
サッカーの本田がリトル本田と話し合ってたのと同じ感じなのかもしれません(笑)。
セルフコンパッションもマインドフルネスも全くお金は必要ないので試して見てください。
まとめ
今回はセルフコンパッションについて紹介しました。
自分を客観的に捉えて優しさを向けることで過剰にかかっていた自分のストレスを緩和できるようです。
他人に対して思いやりを向ける人は多いのですが、自分に対して思いやりを向ける人は多くないように思います。自分に対する批判は成長を促してくれます。しかし、自分への批判から苦痛を感じる必要はありません。批判は批判として受け入れ、自分の行動を改善すればいいだけです。そこに苦しみは必要ありません。
参考文献
セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる
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