【PDCAとOODAループの違い】それぞれのメリットとデメリットを理解しよう
- 仕事を効率的に行いたい
- OODAループってPDCAと何が違うの?
- OODAループはどんな時に使えば良いの?
職場でPDCAを回すように言われませんか?PDCAは成長して行くために有効な方法とされています。しかし、PDCAにこだわっていると仕事が進まず世の中の変化についていけなくなります。そのため、最近ではPDCAではなくOODAループというものが提唱されています。今回はPDCAとOODAループとは何か?それぞれどのように使っていけばいいのかを紹介します。
この記事を読むことで効率的に仕事を進める方法がわかります。
【PDCAとOODAループの違い】それぞれのメリットとデメリットを理解しよう
仕事の進め方を決めるPDCAとOODAループですが、そもそも正しく理解できているかという疑問があります。ビジネスの世界でよく聞くPDCAでさえ正しく理解できている人は少ないです。そのため、まずはそれぞれがどのような方法なのか解説していきます。
PDCAとは?
PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Act(改善)を繰り返すことで着実に成長して行く、という考え方です。
PDCAを知っている人は多いのですがPDCAの前にG(goal)が必要ということはあまり知られていません。
G;Goalとは
当たり前ですが、PDCAの目的はゴールを達成することです。そのため、PDCAを回す前に明確な目標を設定しておかなければなりません。目標を設定することで下記の効果が得られます。
- 面倒な作業もできるようになる
- 業務を改善する時に方向を見失わない
大切なのはゴールを達成することであり、PDCAを回すことでないことに注意しましょう。
しかし、目標を設定するにしても「売り上げを3倍に伸ばす」という感じの設定をしてしまう人もいます。そうではなく、もっと現実的で具体的な目標設定をしなければなりません。そこで、SMARTというフレームワークが役に立ちます。
ゴールを明確にするSMART
ゴールを明確にするためにジョージ・T・ドラン博士が開発したSMARTというフレームワークがあります。
このSMARTに沿って目標を設定することで具体的な目標が作れます。
- Specific;目標を達成した時の姿や気分などが具体的か?
- Measurable;目標に達成できたかが明確に測定できるか?
- Achievable;自分の実力やリソースを持っていて達成できるか?
- Relevant;目標が自分にとって大切か?
- Time-bound;タイミングや時期が適切か?
PDCAで失敗する原因としてGoalがうまく設定できていない場合が多いのでSMARTを用いて妥当な目標かどうか考えてみましょう。
それでは、PDCAに入っていきます。
P;Plan
目標が決まったら計画を立てていきましょう。
結果だけを見るのではなく、結果に必要な要素を抽出することで目標達成までの道のりが明らかになります。
ちなみに、こうした要素をKPI(Key Performance Indent)と言います。
明確なKPIを作る
例えば、売り上げ〇〇〇万円という目標を立てた時、ただ単に数字を追うのではなくその数字が達成できる根拠を明確にしましょう。
- 顧客数を増やす
- 価格設定を適切にする
- サービスを向上させる
こうした根拠を明確にすることで目標を達成、または達成できなかった時にその原因が分かります。
また、根拠が明確なためPDCAを回しているうちにゴールとは別のところに行ってしまうことが防げます。
マイルストーンを作る
目標達成のための指標が明確になったところでマイルストーンを作ります。
マイルストーンとは最終的な目標達成のために1ヶ月後、3ヶ月後の目標のことを言います。目標達成から逆算することで何を優先にしなければならないかが分かります。
週ごとや日毎のマイルストーンを立てることが良いとされています。
出来るだけ、小さなマイルストーンを設定することでリカバリーが効かせれるようにします。
D;Do
計画を立ててもいざPDCAを回そうと思っても作業量が多いためにうまく回らない、ということが起こります。そのため、GTDメソッドが役立ちます。
GTDメソッドとはその時に何をやるべきか、何をやらないべきかを判断する方法としてデビット・アレンが考案した方法のことです。
- やるべきか
- 複雑な内容か
- 2分で終わるか
- 自分でやるか
こうした思考により余計な仕事を減らしていきます。
やらないという決断も重要です
もし、やるべきでないならやりません。
後々なぜやらなかったんだっと非難を受けるかもしれませんが、しっかりと目標にコミットすれば問題ありません。
ここでスティーブ・ジョブズの言葉を紹介します。
何をしてきたかと同じくらい、何をしてこなかったかを誇りたい
何かをやる事と同じぐらい何かをしない事が重要という事が分かります。
- 複雑な内容であればプロジェクトチームを立ち上げます。
- 2分で終わるようであればすぐにやります。
- それ以外であれば自分でやるか他のメンバーに任せるか検討します。
自分でやる場合、いつやるかは自分で決めます
今やっている仕事の次に行なってもいいですし、別の日に行なってもいいです。
他のメンバーに任せる場合には適任を考えます
誰が似たような仕事をしていて効率よく仕事を終わらせられるか考えます。
C;Check
仕事を振り返ることで成長に繋がります。しかし、うまく振り返れてないためPDCAの効果が出ないことがよくあります。
- 結果しか振り返ってない
- 責任追及と決意表明で終わっている
- 原因を自分の性格のせいにする
- 実力を超えた改善方法を設定する
- 他の人の顔色を伺う
- 数字で判断していない
どれも何が原因で結果が出なかったのか振り返れていません。これでは何が良かったのか何が悪かったのか分からないので成長できません。特に、ソフトバンクの孫正義社長は数字で判断することを徹底させているとされています。その日の目標を数値化し、その数値を達成できるかどうかを測定しているとされています。
Planの時にKPIやマイルストーンを作っているのでそれが妥当なものだったか、Doのところで何か非効率なことが起こった可能性を考えてみましょう。第三者の目線からアドバイスするつもりで振り返ると効果的に行動を改善できます。
A;Act
改善点がわかったところで改善していきましょう。
また、良かったとこ、悪かったとこを参考に仕事を効率的にするための仮説を立て、検証してみましょう。
正しくPDCAを回す方法
PDCA自体は正しく理解していてもPDCAを正しく回せるかとは別問題です。PDCAをやってみて上手くいかなかった、となる前にPDCAの回し方についても知っておきましょう。
正しくPDCAを回せない原因として具体的な方法が示されていないことが挙げられています。
PDCAを正しく回すためには3つのルールがあるとしています。
- 見える化
- 仕組み化
- 習慣化
見える化
PDCAを回せていない1番の原因は見える化できていないことです。
どういった流れで仕事をしたのか見えないと振り返りができません。見える化することで計画したことを後で見直し、計画の質を改善することができます。
- ノートをとる
- メモを取る
- アプリを使用する
仕組み化
PDCAを回すためには仕組み化することが大切です。
PDCAは時間がかかると言う欠点があるため、仕組み化しなければ時間ばかりがすぎて生産性が落ちてしまいます。
仕組みかする上で最も重要なのはテンプレートを作成することです。
テンプレートがないとどの様に見える化すればいいのか一から考えなければなりません。
また、それぞれが違うスタイルで見える化していると上司がチェックする時に時間がかかります。さらに、仕事を引き継ぐ時にも不効率になります。
仕組み化することでPDCAに時間が取られず、重要なことに時間を使えます。
習慣化
見える化、仕組み化ができればそれを習慣化させましょう
最初はノートにまとめるのも億劫に感じます。
しかし、うまく仕組み化できていれば億劫さが減り、習慣化されていきます。
- 簡単に見える化できるようにする;習慣化のために20秒ルールというものが知られています。何かを始めるときに20秒以内なら取り組むまでのハードルが下がると言うものです。
スマホなどはすぐに確認できるため、友人とのメールも億劫になりませんよね。 - 直感的に記入できるようにする;PDCAを直感的に回せるテンプレートにしましょう。また、人には慣れると言う習慣があります。何度も繰り返しているうちに思考回路も早くなり、初期の頃よりも短い時間でノートをつけることができるようになります。
PDCAのノートの取り方
PDCAを回すためにノートを取ることがオススメされています。
ノートの縦に3本の線を引きPlan、Do、Check、Actが1ページに収まるようなテンプレートを用意しましょう。
1ページにまとめることで見直しが容易になり自分の成長を実感しやすくなります。成長を実感できればさらにPDCAを回すようになると言う好循環が生まれます。
これでPDCAについては説明しました。次にOODAループについて説明していきます。
OODAループとは?
日本が製造業で発展してきた時はPDCAが有効だったのですが、今は時代が変わり産業の構造も変わってきています。特に最近はIT技術の進化が激しく世の中の動きについて行くためにはOODAループが有効とされています。
- Observe(見る)
- Orient(分かる)
- Decide(決める)
- Act(動く)
- Loop(見直す)
簡単に言えば現場で状況を判断して決断してすぐに行動し、判断が適切だったか見直すという流れです。
これにより現場での意思決定を尊重し素早い決定ができます。
例えば、飲食店で夫婦がお子様ランチを頼んだとします。店の決まりでは10歳以上はお子様ランチを頼めないのですが、亡くなった子供のためにお子様ランチを注文したい、という話を聞きました。
この時にOODAループの場合はスタッフが自分の判断でお子様ランチの注文を許可できます。
この様にOODAループは現場で判断しなければならない時に有効です。
では、どんな組織でOODAループが有効なのでしょうか?
- 社内全体が他社の模倣や前例の踏襲しか考えていない。
- 計画の立案、書類作成、報告などに時間がかかり肝心の仕事に取り組めない
- 完璧主義のためどんな仕事にも時間がかかる
- 社内向けの資料に忙殺される
- 保身に走り、指示を待つだけの社員が多い
皆さんの組織でもこうした事例が当てはまるのではないでしょうか?
なぜ、OODAループが有効なのか?
理由は現場の声を反映し、変化に対応できるからです。
OODAループは元々アメリカが戦時中に現場での意思決定を素早くするために考案したものです。
相手が攻撃してくるかもしれないのに上からの指示を待っている暇はないですよね。
そのため、現場でどの様に判断するか指針だけ決め、あとは現場に委ねることにしました。これがOODAループの始まりです。
これがビジネスの世界でも注目されるようになってきました。世の中の変化が激しいので全てを管理職が管理できません。一定の指針を明確にしてあとは現場に判断させた方が効率的に仕事が進みます。
これにより現場での予想外の出来事にも素早く対応することができるようになります。
OODAループを機能させる方法
現場での判断を重視するOODAループですが、自由に判断できるという訳ではありません。
一定の指針がないと組織としての機能が損なわれます。
そのため、OODAループを回すためにはVSAMを共有しなければなりません。
- Vision(ビジョン)…五年後の自分や会社の理想の姿や社会や顧客のイメージ
- Strategy(戦略)…3〜4年かけてVisionを達成するための戦略
- Activity Direction(行動方針)…1〜2年かけて取り組む行動方針
- Mental model and feeling(メンタルモデルと感情)…心の中の固定観念や心の動き。VSAからの影響を受けて行動に変換される。
VSAMを共有することで判断における共通の指針ができるので社員全員がリーダーシップを発揮できる組織に変わることができます。
Visionが特に重要
社員が自分で考えて現場で判断するためにはVisionを共有しなければなりません。
会社が誰に対してサービスを提供するのか、顧客にどんな体験をしてもらうことを目指しているのか共有しましょう。
極端なことを言えばVisionがあれば計画などいりません。
実際にシリコンバレーのスタートアップは計画なしでOODAループを回しています。
VSAMの作り方
VSAMを定めるにはOOHTが役立ちます。
- Observe(見る)
- Orient(分かる)
- Hypothesis(仮説を立てる)
- Test(検証する)
OODAループのような形で仮説を検証する方法です。
例えば海外の珍しいフルーツを食べている人の感想などを集め、海外のフルーツの需要があるはずだと仮説を立てます。
小規模で販売し売れ行きがよれば日本でも世界中の食べ物を楽しめる社会にするというビジョンを立てます。
そのビジョンを基に珍しいフルーツを使ったレシピを発信していくという戦略や顧客が求めているフルーツを手に入れられる様に最大限努力するなどの行動指針を組み立て、本格的に事業を始めていきます。
このようにOOHTにより自分たちの強みや市場の傾向を調べ、勝負できるビジョンに落とし込んでいきます。
一度作ったVSAMもVUCAという方法で見直さなければなりません。
VSAMを見直す方法
VUCAは最初にSを加えて使われることが多いです。
- Stable;安定した状況で前例の踏襲と現状維持で対応
- Volatile;不安定な状況でMental model and feelingの見直しが必要
- Uncertain;不確実な状況でActivity and Directionの見直しが必要
- Complex;複雑な状況でStrategyの見直しが必要
- Ambiguous;曖昧な状況でVision見直しが必要
自分たちがSVUCAのうちどの状況か、将来どの状況に直面するかを考えることでVSAMを見直します。
Stableの状態の場合は前例の踏襲と現状維持で良いので問題はありません。そのほかの状況の時にどのようなリスクがあるのか紹介します。
Volatile
状況が分かっていて行動の結果も予測できる状況のことを言います。
よくある例が一般的なクレームです。基本的にはマニュアル通りの対応で十分という状況です。
ただ、本当にマニュアル通りで良いのか考えないと重大事態になる可能性があります。
Uncertain
状況が分かっているが行動の結果が予測不能な状況のことを言います。
よくある例がクレームに対してどう行動したらいいか分からない状況です。
戦略があったとしても予期していなかった問題の場合、行動方針(VSAMのA)が明確になっていないことが多く、行動方針の見直しを行い全体に周知しなければなりません。
Complex
状況は分からないが行動の結果が予測可能な状況のことを言います。
よくある例が初めて発生した商品の不具合です。
これまでに直面したことのない事態ですが事前に想定した方法で対応できる状況です。まだ戦略(VSAMのS)が確立しておらずビジョンに沿った新たな戦略の構築が必要となります。
Ambiguous
状況が分からず行動の結果も予測不能な状況のことを言います。
よくある例がこれまで直面したことのない事態でどう対応していいか全く分からない状況です。
この場合は大前提となるビジョン(VSAMのV)が機能していないためどう行動すべきか分かりません。VSAMを再定義して組織全体で共有する必要があります。
このようにVUCAにより状況を判断しVSAMを改善します
そのうち直感的にOODAループを回すことができるようになります。
無駄な仕事を分ける方法
どのように仕事を回していけばいいか分かっても無駄な仕事で時間を潰していては生産性が向上しません。
そういった状態を改善するためにPMQIRとCBという考え方を使います。
- PMQIRとは無駄な業務のカテゴリーの頭文字です。
- CBとは価値を生む業務の頭文字です。
- Preparation…作業を行うための準備や資料作成の準備
- Move…人の移動時間
- Queue…作業をしていない待ち時間
- Inspection…検査、承認、確認作業
- Redundant…作業の重複ややり直し作業
- Customer Value added…顧客付加価値のことで顧客が費用を負担してでも作業してほしいと思っていること
- Business Value added…業務付加価値のことで法律や社会責任上必要な作業
生産性を見える化するため全ての業務をPMQIRとCBに分け、CBが全体の業務の何%かを出します。
これにより必要な業務にどれだけ時間を割いてるか分かります
日本の生産性が低い原因としてこのCBが占める割合が低いことが挙げられています。
当然、無駄な業務をしなくてはならない環境は社員の生産性を下げています。
PDCAとOODAループのメリットとデメリット
PDCAとOODAループについて紹介しましたのでそれぞれにどんなメリット、デメリットがあるのか解説していきます。
OODAループは意思決定を早くして業務を効率化できるのですが正しく使わなければ逆効果になる時もあります。そのため、PDCAとOODAループのメリット、デメリットを正しく理解しておきましょう。
PDCAのメリット
PDCAはノートやメモに記録するので自分の成長が見える化できます。
書き出すことで頭の中を整理できる、客観的に評価できる、などの効果があるので効率的に成長できます。
こうした成長はモチベーションを高め、困難なことにも挑戦する意欲を高めてくれるとされています。
また、PDCAは中央集権的なため上司とのコミュニケーションが欠かせません。
そのため、上司からサポートされているという感覚を得やすく、部下のパフォーマンスの上昇、組織内での振る舞いの改善、などの効果が得られます。
PDCAのデメリット
PDCAは成長を感じやすいのですが、
・見える化するためにはどうしても時間がかかる
・PDCAを回すためには上司との話し合いも必要になる
というデメリットのため仕事の進捗が得られにくくなります。
また、上司の管理が強い場合は自分のアイディアが優先されなくなり言われたことだけ行うようになってしまいます。
人には全人類共通で
・自分で決めたい
・有能さを示したい
・誰かと関係を持ちたい
という欲求があることが知られています。
PDCAは上司に細かく管理されることで「自分で決めたい」、「有能さを示したい」という欲求を満たせなくなります。これでは自分の欲求を満たせないので、仕事をしていても楽しくありません。ちなみに、こうした管理をマイクロマネジメントといい様々な悪影響が確認されています。
- 生産性の低下
- 精神的な疲労の増加
- 残業時間の増加などの労働環境の悪化
- 家族や友人との関係の悪化
この悪影響により鬱や不安障害などの精神疾患になり最悪の場合自殺する人もいます。行きすぎたマイクロマネジメントは本当に気をつけたいですね。
こうしたデメリットを克服するために、ソフトバンクで孫正義社長の部下だった三木雄信さんが推奨している方法が参考になると思います。その方法とは、PDCAをいくつも並行して回す、というものです。5つの案があった時に1つずつ検討していると時間がかかります。しかし、5つを一気に検討すると5分の1の時間で結果が分かります。
自分に与えられた権限や時間などのリソースにもよりますが、同時並行でPDCAを回すことで早く正解にたどり着くことが出来ます。正解が分からないからとにかくやってみる、という方法ですね。
OODAループのメリット
OODAループでは現場での判断を重視するため「自分で決めたい」という欲求が満たされます。
上司から指示されたことではなく、会社のビジョンや戦略に則り効率的な方法を自分で決めるのでストレスが少なく、クリエイティブな発想が促進されます。
また、いちいち上司に相談する必要もないのですぐに実務に取り掛かり進捗が得られやすくなります。この方が早く仕事が進んで自分のスキルもアップできるので直感的にも良い気がしますよね。
こうした環境だと
・離職率の低下
・生産性の向上
・個人のスキルアップ
などの効果が得られます。
OODAループの心理的デメリット
OODAループではVSAMを共有できているかが重要になります。
VSAMとはVision、Strategy、Activity Direction、Mental modelのことを言います。会社がどんなビジョンを持っていてそのためにどんな戦略や行動方針、感情で動けば良いのか共有する必要があると言うことです。
VSAMが十分に浸透すれば現場で正しく判断できます。しかし、これらが浸透していなければ別の部署で矛盾した決定を出していると言うことが起こり、現場はその尻拭いをすることになり仕事がスムーズに進みません。
ますは、OODAループを行うための教育をしっかり行う必要がありそうですね。
どう使い分ければいいのか?
PDCAとOODAループのメリットデメリットを紹介しましたが、一番の違いは急な変化にも対応できるかどうかです。
そのため、変化の激しい仕事はOODAループ変化の激しくない仕事はPDCAが適していると言えるでしょう。
例えば、経営戦略を立てる時やブランディング、マーケティングをするときは変化が激しくないのでPDCAが適していると考えられます。しかし、現場では想定していなかった顧客の反応や業務上のトラブルが起こるためOODAループが適していると考えられます。
他にもいくつかの例を出しておきます。
PDCAが有効な仕事
PDCAは製造業や経営戦略の立案のような変化が少なく一度決めたことを長期間続ける場合に有効です。
例えば、
・事務的な手続き
・品質管理業務
・予算の策定
・原材料の調達
・製造業務
・建設業
などのルーティーンで行うような業務です。
こうした業務は変化が少ないのでPDCAにより予め想定される問題や実施期間など洗練された計画を作ることができます。
また、上司などに事前に確認してもらうことができるのでミスも起こりにくく、計画通りに行えます。
そのため、PDCAにより顧客の信頼が得られ良いサービスの提供に繋がります。
OODAループが有効な仕事
OODAループは製品開発や顧客対応など計画通りに進まず変化が激しい場合に有効です
例えば
・小売店や飲食店のような顧客対応
・新商品のための開発業務
・医療現場
・新規事業の立ち上げ
・企業同士の交渉
など事前に問題を把握しにくい業務で有効です。
こうした業務はマニュアル化することが難しく計画通りに進めることができません。次々と新たな問題が起こるため事前に全てを予測するのは不可能です。
そのため、サービスの根幹だけ決めておき、あとは現場でOODAループを回す方が効率的に顧客のニーズに応えられます。
ただ、こうしたうやり方には一人一人のスキルの向上が必須になります。
企業のビションや戦略を正しく理解してなければ見当違いの仕事をしてしまうかも知れません。
PDCAかOODAループか簡単に決められない
PDCAが適している仕事やOODAループが適している仕事を紹介しましたが、テクノロジーの発展やライフスタイルの多様化などにより同じ業務でもPDCAがいいのかOODAループがいいのか簡単に判断できなくなっています。
ただ、私の経験上PDCAで仕事をしないといけない、と考えている人が多いように思います。
日本にはPDCAが絶対のような風潮があります。
しかし、本当にPDCAが最適なのかは考えられていません。
トヨタやソフトバンクなどの大企業がPDCAを取り入れているから自分の企業でも取り入れよう、という考えではうまくいかないでしょう。
実務と照らし合わせてどのような業務の進め方が適切か考えましょう。
まとめ
今回はPDCAとOODAループのメリットとデメリットをまとめました。
日本の企業はPDCAに頼りすぎているのでOODAループを取り入れることで生産性が高まります。
2017年のOECDのデータによると日本は40年以上連続でG7の中で一番生産性が低いという結果が出ています。
これはアメリカやドイツの3分の2程度のようです。
ぜひ、OODAループを取り入れて生産性を上げてプライベートを充実させましょう。
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