仕事のやる気を高めて維持する方法。モチベーションリソースとは?
- 仕事のモチベーションが上がらない
- 部下のモチベーションをあげたい
- 手っ取り早くモチベーションを上げる方法が知りたい
どうしても仕事のモチベーションが上がらない、という時がありますよね。モチベーションが高ければ楽しく仕事が行えるので毎日が充実したものになります。こうした人生を手に入れるためにモチベーションを上げるための方法を学んでおきましょう。今回はモチベーションリソースに注目してモチベーションの原理原則を紹介していきます。
この記事を読むことで仕事のモチベーションが高まり、人生を充実したものに変えれるようになります。
仕事のやる気を高めて維持する方法。モチベーションリソースとは?
仕事のモチベーションを高めて維持するためには仕事からくるストレスよりもモチベーションのリソースが多くないといけません。
例えば、仕事のストレスの原因になるものとして下記のものが知られています。
- 時間のプレッシャー
- 個人の役割が曖昧
- 希薄な人間関係
- 過度な仕事の負担
- 複雑(退屈)すぎるプロジェクト
- 感情的に疲れる仕事
- スキルアップできない環境
- 決まりごとが多い組織
一方、モチベーションのリソースとなるものとして下記のものが知られています。
- 密な人間関係
- 自己決定権
- 出世の機会
- 上司や同僚からのコーチング
- スキルアップできる環境
こうしたモチベーションのリソースが少ないとストレスを感じやすくなり燃え尽き症候群や抑うつなどの精神疾患になる可能性が高まります。
つまり、仕事の欲求が高い時にはその分だけモチベーションのリソースを確保しないといけないということですね。
ただ、モチベーションのリソースは様々な種類があり人によって感じやすさが違うという特徴があります。では、モチベーションリソースの種類について解説していきます。
モチベーションリソースの種類
私たちが仕事をするモチベーションはどこから来るのでしょうか?
モチベーションリソースが十分にあることで意欲的に仕事ができるようになり、成果が出やすくなります。
モチベーションリソースとして4つの型があるとされています。
- 物質型;家や車、仕事に有用なツールなどの物から来るリソースです。
- 環境型;福利厚生や社会ステータス、社内や家族との人間関係など自分の置かれた環境からくるリソースです。
- 能力型;自分のスキルや意思決定権、個人に蓄積された人脈や知識など自分の能力から来るリソースです。
- エネルギー型;休息の時間や前向きで楽観的な個性、自尊心など自分の内側のエネルギーから来るリソースです。
多くの人は環境型からモチベーションを得ていることが多いとされています。
同僚と支え合っていたり、上司からのサポートがあることで意欲的に仕事に取り組めます。
他にも家電や雑貨を買うことでモチベーションが高まるという人は物質型、勉強して自分の能力を高まるとモチベーションが高まるという人は能力型、旅行に行くと仕事のモチベーションが高まるという人はエネルギー型と言えます。
自分がどのタイプか把握しておきましょう。
こうしたモチベーションリソースを高め続けることができればいいのですが、なかなかでいないことが多いです。そのため、多くの人が仕事でストレスを感じてしまいます。
では、どうすればモチベーションリソースを高め続けれるのでしょうか?そのために、役立つ4つの原則を紹介します。
モチベーションリソースを高めるための4つの原則
モチベーションリソースを高めるために4つの原則があります。
- リソースを獲得するときよりも失う時の方がインパクトが大きい
- リーソースを失わないためにリソースを投資しなければならない
- リソースを失う可能性が高い時にはリソースを得る効果が高くなる
- リソースが失われる時、保守的になったりイライラしたり攻撃的になる
詳しく説明していきます。
リソースを獲得するときよりも失う時の方がインパクトが大きい
人は何かを獲得するよりも何かを失うことに強く反応します。例えば、コインを投げて表だったら1000円もらえ、裏だったら1000円失う、というゲームを提案された時に多くの人はこのゲームをやりたがらないと思います。得するか損するかの可能性は50%なので半分の人がゲームをやると言わないと理論通りではないですよね?
これは私たちが得するよりも損することに過剰に反応してしまうからです。
こうした理論はノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンはプロスペクト理論で説明されています。
リソースを失う方がインパクトが大きいのでストレスも多くなり、それが原因でさらにリソースを失いやすくなります。また、リソースを得る方がインパクトが小さいのでリソースが増えるスピードはゆっくりになります。
リソースが失いやすく獲得しにくいというのは気をつけなければならない重要なポイントですね。
リソースを失わないためにリソースを投資しなければならない
私たちはモチベーションリソースを失いたくないため節約したり、新たなことに挑戦しません。しかし、こうした保守的な姿勢では徐々にリソースが減って行くだけです。
そのため、モチベーションリソースを高めたり、維持するためにリソースを投資しなければなりません。
リソースの直接的な投資方法としてお掃除ロボットで時間を節約する、ストレスを緩和するためにマッサージを受ける、などがあります。また、間接的な投資方法として自分のスキルアップのためにスクールに通う、自信をつけるために新たなことに挑戦する、などがあります。
スキルアップや自信は損失を相殺するためのリソースとなるので積極的に投資した方が良いとされています。
リソースを失う可能性が高い時にはリソースを得た時の効果が高くなる
リソースを失う可能性が高い時にリソースを得るとストレスが激減します。
例えば、普段の仕事を誰かに手伝ってもらうよりも難しい仕事を任されて自分がピンチの状態と時に誰かに手伝ってもらう時の方が嬉しい気持ちになると思います。
このように自分の状況次第でリソースの感じ方も変わってくるということですね。
ただ、リソースが多い方がさらなるリソースが獲得しやすく、リソースが少ない時にはさらにリソースを失いやすくなるというパラドックスもあります。
普段から自分の能力を磨いていたり、他人と密な人間関係を築いていると自分がピンチになった時にもモチベーションリソースを獲得しやすい、ということですね。一方、リソースが少ない人はピンチの時にもリソースが獲得しにくいのでモチベーションが低下します。
リソースが失われる時、保守的になったりイライラしたり攻撃的になる
リソースが失われる時に保守的になることで誰かの助けやストレスの原因が過ぎ去るのを待つことが出来ます。また、攻撃的になることで自分の利益を引き出したりストレスの原因を排除することができます。
例えば、消費税がアップするときに物を買わないようにして政府が対策を立てるのを待つ、店員に攻撃的になることで代金を安くさせる、などが当てはまります。
普通はリソースが失われる時にこうした反応を取ってしまいます。しかし、すでに紹介したようにリソースを投資して新たなリソースを確保した方がモチベーションを維持することが出来ます。
保守的になっても徐々にリソースが減っていきますし、攻撃的になると相手から信頼されなくなりさらにリソースを失う可能性が高くなりますよね。
仕事のモチベーションを高めて維持する方法
モチベーションを高めて維持するためにはモチベーションリソースを確保しないといけない、ということを紹介してきました。
ただ、これだけでは職場でモチベーションを上げるために具体的にどうすればいいかわからない、という人も多いと思います。
そのため、具体的な5つのステップを紹介していきます。
- 個性を理解する
- 目標を共有し予想を明確にする
- 適切な仕事を引き受ける
- フィードバックやコーチングを受ける
- 良い仕事をした人に感謝を示す
これは自分だけでなく、他人に対しても有効です。社内で誰かを指導している立場の人にも役立つので使ってみてください。
個性を理解する
まずは自分の個性を理解しましょう。モチベーションのリソースとして物質型、環境型、能力型、エネルギー型がありましたよね。自分がどのタイプのリソースを感じやすいか把握しましょう。
物欲がないのにリソースを得たいからといってたくさん物を買っても効果が出ません。自分に適したリソースを確保するようにしましょう。
他人の個性も理解しましょう
誰かを指導する時には相手の個性を理解しましょう。
相手がどのような個性を持っているかはエンゲージメントカードを使うのも有効です。
エンゲージメントカードとは「最近成長する機会がありましたか?」、「仕事で困ったことはありませんか?」などの質問が書かれたカードのことです。部下と話をする時にこのカードを使って話題を選ぶことでコミュニケーションが活発になるとされています。
- 仕事をするために必要な物は揃っていますか?
- 仕事を生産的にするためのツールがありますか?
- 職場の人間関係は良好ですか?
- 失敗することに怯えていませんか?
- 成長する機会がありましたか?
- 十分な睡眠は取れていますか?
- 嬉しかったこと悲しかったことはありますか?
目標を共有し、予想を明確にする
目標を共有できていないと何の為の仕事か分からず、モチベーションが低下します。最終的な目標と自分の仕事との関わりを理解することで自分なりに工夫して仕事ができるようになります。
また、どんな問題が起こるかを予想することでトラブルになっても落ち着いて対処できます。予想外のことが起こって慌てると必要以上に不安になるので無駄にリソースを消費してしまいます。
そのため、自分が仕事を引き受ける時も相手に仕事を依頼する時も目標を共有し、予想を明確にしておきましょう。
目標があることで現場での細かな判断も行いやすくなります。
判断基準が明確になるので社員が自分で考えれば判断できる可能性を高めることができます。こうした状態だと自分の能力がリソースになるのでモチベーションが向上します。逆に判断の基準が明確でなく、いつも上司に話を聞かないといけないという状態であれば自分の能力がリソースにならないのでモチベーションが低下します。
この考え方は現場での判断を重視したOODAループが参考になります。
適切な仕事を引き受ける
適切な仕事を引き受けるようにしましょう。注意すべきは自分に仕事を行うためのスキルや時間、予算があるかどうかです。スキル、時間、予算が足りていない場合には失敗する可能性が高くなるので保守的になったりイライラしてしまいます。
スキル、時間、予算がどうしても足りないという時には同僚や上司に頼るようにしましょう。自分からサポートをもらうことでモチベーションが低下するのを防ぐことが出来ます。
適切な仕事を割り振る
人に仕事を割り振る時にはその人に適した仕事を割り振るようにしましょう。スキル、時間、予算がないのに仕事を割り振ってもその人のモチベーションが下がるだけです。
どうしてもこの人しかいないという時には負担が大きいことを理解していることも伝えましょう。不安を理解してくれている人がいるというだけで大きなサポートになりモチベーションが低下しにくくなります。
主導権を与える
誰かに仕事を割り振る時には主導権も渡しましょう。
主導権を渡すことでジョブクラフティングが行えます。ジョブクラフティングとは仕事の捉え方を変えてモチベーションを上げる方法です。例えば、看護師が患者の血を採る、という意識で採血するよりも患者の健康を守る、という意識で採血した方がモチベーションが高まります。
詳しくは以前の記事を参考にして下さい。
フィードバックやコーチングを受ける
モチベーションを維持するためにフィードバックやコーチングをもらうようにしましょう。
主導権をもらっても孤立してはいけません。定期的にコミュニケーションをとることで些細なことも相談でき問題が大きくなるのを防ぐことが出来ます。
具体的には月曜に今週に何をするのか打ち合わせをし、水曜に進捗を聞いて、金曜に来週の予定を決める、という方法が推奨されています。
また、コミュニケーションを頻繁にとることで職場の人間関係が上手くいきます。人は何度も顔を合わせている人に好印象を持ちやすくなる習性があります。何か困った時に一番頼りになるのは同僚や上司なので普段からコミュニケーションをとるようにしましょう。
仕事を与えた人にフィードバックする
上手く仕事を割り振れても仕事が進まなければその人の自尊心が傷つきモチベーションが低下します。そのため、仕事が順調に進んでいるか定期的に確認するようにしましょう。
ただ、ハーバードで行われた研究では一般的なフィードバックでは効果が薄いということがわかっています。
どうしても上から目線でフィードバックをしてしまうので過去に焦点が向いて後ろ向きなフィーフォバックが多くなってしまいます。また、情報量も少なくなり仕事を改善することが出来ません。
そのため、フィードバックする時にはアドバイスになることが重要とされています。立場を関係なくすることにより情報量が多くなり、フィードバックを受けた人は仕事を進めれるようになります。
また、質問をするというのも効果的です。答えを教えるのではなく、質問をすることで社員自身に答えを導き出させます。そうすることで考える訓練にもなりますし、社員が自分で出した答えなのでやる気も高まります。
良い仕事をした人に感謝を示す
感謝を示すのは相手のためだけではありません。感謝することで自分の幸福感も高まります。
自分が不幸な人間だと思うよりも幸福な人間だと思った方が困難な挑戦するための力が湧いてきますよね。自分が不幸だと認識すると悪いことばかり予想してしまい今のリソースを投資してリソースを増やす、ということが出来なくなります。
感謝は相手のモチベーションも高める
人は感謝されることで社員は自分の仕事のに意味があるという認識を強めます。なかなか顧客から感謝されない仕事でも良い仕事をした社員を表彰するなどして感謝を示すようにしましょう。
ただ、評価の基準が明確で公平なものでなければなりません。自分と仲の良い社員ばかり表彰していては職場に不満が溜まりやすくなります。誰もが納得する基準で表彰することでやる気を引き出すことができます。
こうした公平性がやる気に関連するというのは1960年代に心理学者のステイシー・アダムによって理論化されています(W)。
モチベーションが上がらない原因を突き止めるためのチェック項目
モチベーションを高めて維持するための具体的な方法を紹介してきました。
ただ、自分のモチベーションが上がらない原因を解決したいという人もいると思います。そんな人のためにモチベーションが上がらない原因を突き止めるためのチェック項目と5つのステップのどこを見直したらいいのか紹介しておきます。
- 何がモチベーションのリソースになるかわかっていない→1
- 仕事の目的がわからない→2
- 予想してなかったトラブルが起こることが多い→2
- 自主的に仕事に取り組めない→2
- 仕事が難しすぎる→3
- 仕事を行うための人脈がない→3
- 仕事が簡単すぎる→3
- サポートがない→4
- 同僚との関係が上手く行っていない→4
- 誰に訊けばいいのかわからない→4
- 上手くいかない原因がわからない→4
- 自分に共感してくれる人がいない→4
- 誰のために仕事をしているのかわからない→5
- 1週間のうちに「ありがとう」と行ったことがない→5
当てはまるものがあったら早いうちに改善しておきましょう。特に人間関係が上手く行っているとモチベーションの低下を抑制してくれます。
モチベーションは不要!?成功する人が大切にしていることとは
今までモチベーションを高めて維持するためにリソースが必要ということを紹介してきました。しかし、そもそもモチベーションなんていらない、という理論もあります。最後にこうした理論について紹介しておきます。
モチベーションの欠点として不安定さが挙げられています。モチベーションをもたらす物としてお金や目的、他人からの賞賛、自分の興味などがあります。
しかし、こうした条件が整いモチベーションが上がった場合には同僚との言い争いや仕事での失敗などで大きくモチベーションが低下する可能性が高まります。
モチベーションが上がるということはそれだけモチベーションが低下する余地があるってことですね。
こうしたモチベーションの欠点に対して規律を作ることが重要と指摘されています。
何かの分野で成功した人は運動やバランスのとれた食事など一定の規律を守っている人が多いようです。
哲学者のイマヌエル・カントは毎日決まった時間に散歩を行なっていたため、近所の人たちはカントと歩く姿を見て時間を把握できた、という逸話もあります。
では、なぜ規律が重要なのでしょうか?
モチベーションよりも規律が重要な理由
規律にしたがって行動することで3つのメリットが得られます。
- 達成感が得られる
- 習慣化できる
- 作業興奮が得られる
達成感が得られる
簡単な規律だとしてもその規律を守ることで達成感が得られます。例えば、毎朝決まった時間に起きる、朝起きてから15分間瞑想するなど簡単なものでも「規律を達成できた」という感覚が得られます。
こうした達成感が全く関係のない別のタスクをするときのモチベーションを高めてくれます。
習慣化できる
規律を守っていると習慣化するため、モチベーションとは関係なく行動できるようになります。例えば、朝起きて顔を洗ったり歯磨きをするなどは特に考えなくてもできますよね。また、歯磨きの後に洗顔をするという習慣があれば、歯磨きが洗顔をすることを思い出させるトリガーとなります。
こうした習慣を研究している人の中には人の行動の40%は習慣化によるものと主張する人もいます(A)。仕事を始める時に自然とメールのチェックを最初に行う、自然と今日の予定を確認している、といったことが当てはまります。
作業興奮
作業興奮とは気持ちが乗らなくても作業を始めると興奮状態になり作業が進む現象のことを言います。例えば、報告書を書くという仕事があった時に最初は気分が乗らなくても作業しているうちに集中して作業が進む、ということがあります。
私もブログを書くのが辛くても書いているうちに気づいたら4000字書いてた、という経験が何度もあります。
規律にしたがって行動することで最初は気が乗らなくても気づいたら集中力が高まりモチベーションもアップしていた、という現象が起こります。
ただ、こうした規律を何も考えずに作っても「なぜ、こんな規律を守らないといけないの?」という気分になり規律を守ることができません。
では、どのように規律を決めれば良いのでしょうか?
どのように規律を作ればいいのか?
規律を作るための手順として下記のストップがあります。
- 目標を決める
- 課題を明らかにする
- 課題を乗り越えるための合理的な規律を考える
目標を決める
自分が将来どうなりたいのか、目標を決めましょう。会社で出世して管理職として働きたい、専門知識を増やしたいなどです。
見落としがちなのが健康です。健康が維持できなければ仕事だけでなく生活全てに悪影響が出ます。筋肉をもっと付けたい、体重を5キロ減らしたいなど健康面での目標も立てましょう。
課題を明らかにする
管理職として働きたい場合にはマネジメントの知識があるのか、今の会社で出世が見込めるのか、といった課題を明らかにしましょう。
将来の自分の履歴書、職務経歴書を書くというのが有効です。自分にどんな能力があり、どんな能力が足りていないのか明らかにできます。
課題を乗り越えるための合理的な規律を考える
課題が明らかになったところでその課題を克服するための方法を考えましょう。
スキルアップが必要なら寝る前に15分間読書する、ダイエットが必要ならポテトチップスや炭酸飲料を飲まない、などです。
合理的な方法でないと規律を守ることができず途中で投げ出してしまう可能性が高まります。
習慣化するための効果的な方法
規律を決めた後に習慣化することが大きなポイントとなります。
では、どうしたら習慣化できるのでしょうか?
インディアナ大学で行われた研究では週に4回、6週間続けると習慣化されやすいという結果が出ています(R)。
ジムに通い始めた111人を12週間調査してどんな特徴を持った人が長く続けられるのか調べています。
その結果、週に4回以上のトレーニングを6週間続けるとそれ以降も長く続くことが分かりました。
週に4回より少ない人でも6週目まではトレーニングを続ける人が多いようですが、その後は継続できず元に戻っていくようです。
この研究では頻度以外にも決まった時間にトレーニングを行うことが習慣化に重要ということも分かっています。また、トレーニングの負荷や環境、感情なども影響するようです。
この理由として決まった時間に運動することが脳への負荷を減らしたことが考えられます。負荷の強い運動や運動する環境が良くないと集中できず意識が散漫になります。そのため、運動するかどうかためらう原因となり脳への負荷が生じます。
また、過去の研究で何かをする時に20秒以内で始められる環境にすると習慣化しやすくなるという報告があります。
例えば、本を本棚から取ってくるよりもリビングのテーブルに置きっ放しの方が読書の習慣が身につきます。
どうやらわずかな負荷でも脳に与えない方が行動を起こせるので習慣化するようですね。
数分でできる!モチベションをアップさせる簡単な方法
規律を守って行動することが重要ということを紹介してきました。
しかし、行動する時にも最初の一歩がなかなか踏み出せない、と悩む人も多いと思います。そこで、数分でモチベーションがアップするとされている方法がいくつかの研究で報告されているので紹介しておきます。
- 自分自身に新たなスタートと言い聞かせる
- パワーポーズをとる
- 笑う
- 緑色のものをみる
- タイマーをスタートさせる
- 顧客のハッピーな体験を共有する
自分自身に新たなスタートと言い聞かせる
仕事をしていてモチベーションが低いな、と感じたら数分間今から新たなスタートだと言い聞かせましょう。
新年の抱負を決めたり、今月の目標を決めるなど新たなスタートをするとモチベーションが上がって最初の何日かだけでも目標にコミットしようとしますよね。
ペンシルバニア大学の研究では新たなスタートを切ることでダイエットや運動習慣へのモチベーションが高くなるという結果が出ています(R)。
この理由として新たなスタートと思うことで過去の自分の不完全さに囚われることなく未来に向けた行動が出来るようになるから、と考察されています。
また、紙に書き出すのも効果的です。例えば、この数時間は集中できず仕事が進んでいなかった。しかし、今から1時間は気持ちを切り替えて抱えている仕事に全力で取り組む、と言った感じです。
パワーポーズをとる
パワーポーズとは手や足を広げた姿勢のことを言います。自分が空間に占める割合を大きくするような姿勢というのがポイントです。
この姿勢を2分間キープすることで自信をもたらすテストステロンが分泌されるようになり、ストレスを感じた時に放出されるコルチゾールの分泌が抑えられることが知られています。
こうしたボディーランゲージが相手の印象に作用することは以前から知られていたのですが、自分にも影響するようです。
逆に手や足を縮こまらせるとテストステロンの分泌が低下し、コルチゾールの分泌が増えます。デスクワークをしていると背筋や首が曲がり体が縮こまってしまうためパワーポーズを取ってみるのをオススメします。
できれば、腕を上にあげVの字を作るような姿勢が望ましいのですが、周りから変な目で見られるという欠点があります。
笑う
笑うとモチベーションが高まります。パワーポーズのように自分の姿勢がモチベーションを高めたように笑っているうちにモチベーションが高まります。
笑うためには同僚に話しかけてくだらない話をしても良いです。
ただ、相手が集中して仕事をしているのを遮るようなことをしてしまうと相手のモチベーションを下げストレスを高めてしまいます。
YouTubeなどでお笑いの動画や動物の動画を見ることも効果的です。
モチベーションを高めてくれるいろんな動画が無料で見れるので検索して見てください。
緑色のものを見る
緑色にはモチベーションを高めクリエイティブな発想を促進する効果があります。商品が割引されている場合には赤い文字で書いて注意を引くように色が人の心理に影響を与えることが知られています。
イギリスのエセックス大学で行われた研究では緑のフィルターをした動画を見せることでより幸福感を感じ、疲れにくくなっていることが分かっています(R)。緑以外にもグレーや赤のフィルターをした映像を見せましたが、緑でしか効果が出ませんでした。
他にもロチェスター大学が行なった研究では緑色を見ることでクリエイティブな発想が豊かになったという結果も出ています(R)。
最近では外に出歩かなくても動画で自然の風景を楽しめるようになっています。10分程度動画を見てから仕事を始める、というのでもモチベーションの向上が期待されます。
チョコを食べる
チョコレートの効果については様々な研究が行われています。
- セロトニンと言われる幸福ホルモンの分泌を促進する
- 心拍数やモチベーションをあげるドーパミンの分泌を促進する
- 鬱の症状を緩和し、幸福感を高める
- 抗酸化作用により認知機能の低下を抑制する
仕事で疲れやストレスを感じた時にはチョコレートを食べると脳がリフレッシュしてモチベーションが高まります。
また、脳に良いとされている食品があるので紹介しておきます。
- 魚;魚に含まれるオメガ3脂肪酸は脳梗塞の予防や記憶力の向上と言った効果があると言われています。
- ナッツやシード類;抗酸化作用のあるビタミンEが多く、認知機能の低下を抑制します。
- ブルーベリー;抗酸化作用が強くアルツハイマー病の予防に効果があると言われています。
- アボカド;悪性コレステロールを取り除き、心臓病のリスクを低下させるとされています。
タイマーをスタートさせる
タイマーをスタートして仕事をしましょう。
タイマーをセットすると仕事をせずにはいられなくなります。人には作業興奮という現象があり作業を始めるとモチベーションが高まります。
仕事をしようか迷うのではなく、とりあえず仕事を始めて自分を興奮状態しにして作業しましょう。
その時に気をつけたいのは時間を長くしすぎないことです。1分や2分でもいいのでハードルを低くして作業しましょう。また、簡単なハードルが達成できなくても悲観的になる必要はありません。
すぐに頭を切り替えて少し休憩してからもう一度チャレンジして見ましょう。
顧客のハッピーな体験を共有する
自分の仕事が顧客に与える影響を知るとモチベーションが高まることが知られています。
ペンシルバニア大学で行われた研究では自分の仕事の重要性を認識することでモチベーションが高まったという結果が得られています(R)。大学への寄付を呼びかける仕事の人を対象に寄付で集まったお金で卒業して幸せな人生を手に入れた学生の話を読ませたところ、集めた金額が5倍高まったという結果が得られています。
顧客に感謝された時の話などをメモしておき、モチベーションが下がった時に読むと効果があります。
まとめ
今回はモチベーションを高めて維持するための方法をモチベーションリソースに基づいて紹介してきました。
モチベーションの元となるリソースを高めておくことでモチベーションが高まり維持できる、ということです。ただ、モチベーションに関係なく規律に従って行動することが重要ということも紹介しました。
相反する理論のようですが私は最初の一歩のためにモチベーションリソースが重要だと思っています。とはいえ、自分が納得する方法でモチベーションを維持することが重要だと思います。
参考になれば幸いです。
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