【プロジェクトリーダーに必要な能力】チームマネジメントとは?

管理職のコミニケーションが業績を高める
この記事はこんな悩みを解決します
  • チームマネジメントって何をすればいいの?
  • どうやってプロジェクトを進めて行けばいいの?
  • チームのポテンシャルを最大化したい

プロジェクトリーダーになったけどチームをまとめるために何をしたらいいのかわからない、という人も多いと思います。現場で成果を出したからといってリーダーとしても有能とは限りません。しかし、リーダーが役割を果たさないとプロジェクトが進まないどころかチームの雰囲気が悪くなり仕事が進まなくなります。今回はプロジェクトを成功させるためのチームマネジメントについて紹介していきます。

この記事を読むことでチームマネジメントのやり方が分かります。

【プロジェクトリーダーに必要な能力】チームマネジメントとは?

プロジェクトリーダーがチームをまとめいていくためには主に3つの仕事があります。

チームマネジメントのための3つの仕事
  • 適切な目標設定
  • 上司からのサポート
  • コミニケーションの促進

それぞれについて詳しく紹介していきます。

適切な目標設定

プロジェクトを成功させるためにもまずは適切な目標設定を行いましょう。出だしが間違っていたら成功する可能性が低くなります。

プロジェクトの立ち上げにおいて推奨しているのは下記の手順です。

  1. ビジョンと目的を明らかにする
  2. ブレインストーミング
  3. 次の行動を明らかにする

この手順はプロジェクトの立ち上げ以外にもプロジェクトが動き始めてからも効果的です。定期的に何度も見直す事で進むべき方向がズレていないかチェック出来ますし、最初に想定していなかったことが起こった場合でも修正できます。

ビジョンと目的

プロジェクトを計画するときにはビジョンをはっきりさせましょう。ビジョンは私たちの行く先を示してくれるコンパスのようなものです。

どのような課題があり、どのように対処するのか?誰の役に立つのか?それで自分たちにもメリットがあるのか?などです。

例えば、新商品の開発を行う時には消費者にどんなニーズがあり、そのニーズを満たすためにどんな商品が望まれているのか?自社の強みが活かせて他社に負けないか?などを考えます。

しかし、人にはバイアスがかかっているため思い込みでビジョンを作っている場合があります。よくあるバイアスとして下記のものがあります。

  • 専門家の言うことを信じすぎる
  • 都合のいい情報だけ信じる
専門家の言うことを信じすぎる

専門家の意見だからと言って何でも信じてしまってはいけません。専門家の直感が正しい事もありますが、間違っている時もあります。

なぜ、専門家の意見が間違っていることがあるのでしょうか?

専門家の直感が当たる理由として長年の経験から今の状況に類似した状況を選び出し、うまくいくかシュミレーションできるからだとされています。

しかし、当然過去の経験が役に立たないこともあります。そのため、専門家の意見を参考にしてもいいのか判断する時には2つの条件を考えましょう。

専門家の意見が参考になる条件
  • 十分に予測可能な規則性を備えた状況である事
  • 長期の訓練から規則性を学ぶ機会がある事

問い自体が予測可能な種類の問いなのか?予測するための十分なデータが集まっているのか?ということですね。例えば、コロナの流行に対してSARSやスペイン風邪のような事例と比較するが多いですが本当にそれらと比較してもいいのか、比較のためのデータが揃っているのか、ということですね。

専門家が何かの予測をする時には自分のスキルに対して自信過剰になっている可能性があります。
専門家の言うことは信用しなければなりませんが、専門家が自信過剰になって、楽観的になっていないか気を付けなければなりません。

専門家の判断が間違っていた場合に専門家のせいにするのではなく、プロジェクトリーダーが信用した根拠を明確にしましょう。根拠が明確なら失敗しても仕方がないとメンバーが納得できます。

都合のいい情報だけ信じる

私たちは自分に都合のいい情報だけ信じてしまう傾向があります。こうしたバイアスのことを確証バイアスと言います。

予測するのに必要なデータを持っていたとしても無機質で面白くないデータのため自分が思い込んでいる情報と対立する時には無視してしまいます。

例えば東京オリンピックの例があります。

前回の1964年のオリンピックでは名目GDPが29.5兆円だったのに対しオリンピック予算は1兆円でした(東京オリンピック時(1964年)と現在(2012年)の日本の状況(H26.2.20 総務省統計局)より)。

比率で言うとGDPの3.7%となっています。一方で2017年の名目GDPは550兆円で550兆円の3.7%は20兆円となります。

こうした事実があるのにも関わらず当初のオリンピック予算が8000億でした。今は3億になっていると騒いでいますが1964年の時と比べるととても低予算になっており、元々の見込みが低すぎると言えます。

このバイアスが起こっている時には2つの特徴が現れます。

バイアスが起こる時の2つの特徴
  • 計画が非現実的になりやすい
  • 類似のケースに関する統計データを参照すれば改善の余地がある

東京オリンピックの予算も非現実的でしたよね。こうしたバイアスを無くす方法として「参照クラス予測法」と言うものがあります。

参照クラス予測法
  • 適切な参照クラスを見つける
  • 参照クラスの統計的なデータを入手し、基準を予測する
  • 固有のケースを考慮し合理的な理由に基づいて修正する

簡単に言えば統計に基づいて判断するってことですね。

東京オリンピックの例で言えば前回の東京オリンピックの必要を参照クラスとして判断すべきでした。その上で海外の事例をデータベース化して東京オリンピック固有の条件を加味して予算や完成までの期間などを立てればよかったという感じです。

他にもゲーリー・クラインは「死亡前原因分析」と言う方法で確証バイアスを取り除くことを推奨しています。

死亡前原因分析

組織として何かの決断をした場合、その決定についてよく知っている人たちに集まってもらい1つの質問をします。
「今が1年後だと想像し、先ほど決めた決定が大失敗に終わりました。どんな風に失敗したのか簡潔にまとめてください。」
これにより都合の悪い事実にも目が向くので確証バイアスを克服し、現実的な目標が立てやすくなります。

ブレインストーミング

プロジェクトの達成ために必要なものを挙げましょう。分析は後回しで質よりも量を優先し、思いつくことをできる限り書き出すことが重要です。
分析や質を重視してしまうとそちらに気を取られてしまい良い案が出なくなります。

案が出尽くしたところで整理に入ります。プロジェクトリーダーはそれぞれの案をカテゴライズし、効果的に仕事が進められるように役割分担を行います。

計画は大雑把で良い

多くの場合で計画とはズレていくため大雑把に決めていきましょう。
正確なものを作成しようとしても意味がありません。
社会は常に変化していますし、プロジェクトどのように進むか誰にも分かりません。スケジュール、予算、納期などを計画しますがは取り締まり役への説明のためだけのものになることが多いです。

一般的には具体的な目標やその目標を達成するための手段や計画が必要とされています。しかし、こうした考えに異論を唱える研究者もいます。

目標設定は曖昧の方が良い?

ハーバード・ビジネス・スクールのMax H. Bazermanは目標を設定すると結果にのみ注目するようになり、結果までのプロセスが重視されなくなり非倫理的な行動が増えると警鐘を鳴らしています。
例えば、結果のために高齢者を騙して商品を売るなどです。
目標を曖昧にする事で結果ではなくプロセスに注目するようになります。

ビジョン達成のための効果的な方法を考えましょう

情報が足りない場合にはどの情報を誰が集めるのか分担し、再びミーティングを行いましょう。情報が足りないかどうかを判断するのがプロジェクトリーダーの重要な仕事です。情報が足りないままミーティングを行なってもどうせ後で変更することになるので早めに切り上げるようにしましょう。

試しにプロジェクトを小規模で進めてみるのも効果的です。

小規模で始めることで失敗したときの損失が少なく済みます。また、予想していなかった問題も明らかにでき現実的な計画を作るのを手助けしてくれます。

次の行動を明らかにする

役割が決まったところで具体的な行動を明らかにします。
時間がかかるものや優先順位を考えて次の行動を決めましょう。

その際に、プロジェクトリーダーは担当者に必要なリソースが割り当てられているか注意しましょう。メンバーはサポートがある事でモチベーションが高まり持っている能力以上の働きをするようになります。

また、うまくチームマネジメントするためにはマイクロマネジメントにならないようにすることが重要です。原理原則を決めて現場で判断できるような体制にするとメンバーが生き生きと仕事できます。
現場で判断できる方が変化に素早く対応できますし、部下は自己決定権があることでモチベーションが高まります。

この考えに則したOODAループというものがありますのでそちらも参考にしてください。

上司からのサポート

チームのリーダーもは結果ではなくプロセスに注目してサポートしなければなりません。

結果を出すために答えを教えるのではなく質問をして部下に自分で考えるよう促します。

自分で答えを見つけることにより部下は成長していきチームの利益に繋がります。

上司のサポートが重要な理由とし部下のクリエイティビティを高める、という理由もあります。クリエイティブな発想というのはメンバーの抱えている課題を克服したり、仕事を効率的に行うアイディアを生み出すため非常に重要とされています。

仕事を効率的に終わらせるためにも上司のサポートが必要という事ですね。

では、上司のサポートとクリエイティビティについて詳しく見ていきましょう。

上司のサポートがクリエイティビティを高める

1996年にGreg R Oldhamによって書かれた論文では上司からのサポートがあることでクリエイティブな発想ができるようになることがわかっています。

クリエイティビティを引き出す上司からのサポート
  • 技能多様性(Skill variety)→仕事の複雑にする
  • タスク完結性(Task identity)→仕事を最後まで担当させる
  • タスク重要性(Task significance)→重要なタスクを与える
  • 自律性(Autonomy)→自分で行動を決めさせる
  • フィードバック(Feedback)→助言をする

ちなみに、この研究では18の職業から171人を対象に調査しています。
また、上司からのサポートがあっても部下をコントロールしようとする内容だとクリエイティブな発想力は低下することも分かっていますので注意しましょう。

似たような結果はハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビールの研究でも出ています。このチームのクリエイティビティを高めるためには5つの要因があると言っています。

クリエイティビティを高める5つの要因
  • クリエイティブなことへの支援
  • 自由と自主性
  • プレッシャー
  • リソース
  • 障害

わかりにくいので詳しく説明していきます。

クリエイティブなことへの支援

支援には組織、チーム、上司の3つからの支援に分けられます。

  • 組織的なサポート…ビジョンを共有し、クリエイティブなアイディアに寛容で報酬制度も公正な企業文化のことです。これにより組織の中で様々なアイディアが生まれやすくなります。
  • チームのサポート…意見交換が活発で信頼でき助け合うことで挑戦的なことにも積極的に取り組めるようなチームの雰囲気のことです。これによりチームで行なっている仕事にコミットしたいという感情が育まれます。
  • 上司からのサポート…適切な目標設定で個人の貢献も適切に評価し部下が信頼して仕事を行えるようサポートすることです。このようなサポートを受けていると部下が上司の働きぶりを良いモデルとして認識します。

自由と自主性

どの仕事をどんな風に行うのか自分で決めることです。誰かに言われてやるよりも自分からやる方がモチベーション高く仕事ができます。

プレッシャー

チャレンジングなこと…達成が難しく困難だが、会社にとって重要な仕事だと認識することです。プレッシャーは高いですが成功した時の成果も大きいでクリエイティビティは高まります。

高い仕事量…過剰な仕事量をこなさなければ期限に間に合わないような状況のことです。このようなプレッシャーはクリエイティビティを下げると考えられます。

リソース

適切なお金や情報が与えられているかどうかです。与えられていない場合は仕事を達成するのが困難に感じクリエイティビティが下がります。

障害

社内政治や社内での競争によりアイディアを潰してしまうことです。リスクを過大評価しデータの信頼性を過剰に疑うことで個人のクリエイティビティが下がります。

障害については心理面に与える影響が大きく、1つの障害に対して3つのポジティブなことがないと元の状態に戻れません。

これらの要因を改善することがチームをサポートすることになります。

コミュニケーションの促進

チームマネジメントで一番難しいのはコミュニケーションが取れる風土づくりです。

近年では仕事が専門的になっているのでリーダーだからと言って全ての問題に答えられる可能性が低くなっています。

そのような環境の中で仕事を進めるためには特定の専門性のある人や仕事の経験がある人とすぐにコミニケーションをとれる環境づくりが必要です。

コミュニケーションを促進するメリット

コミュニケーションが簡単に取れる事でメンバーの感情がポジティブになり些細なことも助け合ったり相談できるようになるというメリットがあります。

例えば、顧客とのトラブルですぐに対応しないといけないけど他の仕事もあって手が回らないと言うとき、コミニケーションが取れていれば同僚が気づいてくれて仕事をサポートしてくれます。

この他にも具体的なデータを元にコミュニケーションのメリットを紹介していきます。

この記事はこんな悩みを解決します
  • アイディアが実現しやすくなる
  • 問題にすぐに対処できる
アイディアが実現しやすくなる

ワシントン大学で行われた研究ではチーム内のコミニケーションが活発なことで創造的なアイディアが実現されやすくなることが分かっています(R)。

創造的なアイディアはチームや会社の問題を解決したり、日々の業務を効率的に行うために必要とされています。

そうしたアイディアは誰もが持っているのですが、なかなか実現されません。

アイディアが実現しない理由
  • 社会政治的プロセスをうまく行わなければならない
  • 創造性の高いアイディアほど不確実性が高い
  • 失敗した時には損失を過大評価してしまう
コミュニケーションが多いとアイディアが実現しやすい

ワシントン大学の研究チームはこうした課題を乗り切るために努力の量や社会的な繋がり(同僚や上司とのコミュニケーション)が重要だと考え、アイディアの実効性とどう関わっているのか調査しました。
その結果、同僚や上司とのコミュニケーションが高い方が創造的なアイディアが実行されやすいことがわかりました。

ちなみに、カルフォルニア大学で行われた研究ではコミニケーションが取りやすいことで従業員の感情がポジティブになり努力を続けられるようになるという報告もされています(R)。

このようにコミュニケーションが取りやすい環境を整備しておくことでアイディアが実現されやすくなりチームのパフォーマンスが高まります。

問題にすぐに対処できる

ニューヨーク大学で行われた研究ではコミニケーションが取りにくい職場だと部下がネガティブな報告をしなくなり、問題が表面化するまで対処できなくなると指摘しています(R)。

実際に報告できなかったと言う従業員にその理由を尋ねました。

問題を報告できなかった理由
  • 同僚や上司の能力の問題 37.5%
  • 仕事を進めていく手順の問題 35%
  • 会社の方針や決定についての問題 22.5%
  • 個人的なキャリアについて 20%
  • 倫理観や平等性の問題について 20%
  • ハラスメント 17.5%
  • 同僚との衝突 15%

さらに、問題を報告できない感情的な理由も質問しています。

問題を報告できない感情的理由 
  • トラブルメーカーのレッテルを張られるから、が30%
  • 上司や同僚との信頼関係を壊したくない、が25%
  • 罰や減給を受けたくないから、が22.5%
  • 他の人を困らせたくない、が20%

この結果をざっくりまとめると上司の能力に問題があった時や仕事の手順に問題があった時には
トラブルメーカーのレッテルを張られたくない
上司との信頼関係を壊したくない
という気持ちが生じて報告できない様です。

また、問題を報告しないと判断する際には過去の経験や同僚たちの情報をもとに報告したときに起きることを予想するようです。

過去に問題を報告した従業員が左遷されたり減給されたりしていると他の従業員も報告しなくなる、ということですね。

ちなみに、中央集権的だったり上司と部下の関係が厳しいとネガティブなことを報告したがらないという現象が起こります。これをMum effectと言うようです(R)。

これらの結果から、普段から安心して報告できるような環境整備が必要と考察されています。

メンバー同士のコミュニケーションを促進する方法

チームマネジメントする際にはまずはメンバー同士のコミュニケーションを促進していきましょう。

コミニケーションと言っても業務的なものから飲み会的なものまで様々な形があります。どんなコミニケーションが良いのでしょうか?

コミュニケーションは中身がなくても良い?

マサチューセッツ工科大学が行なった研究では内容よりも感情を声のトーンや身振り手振りで表している方がチームの業績は高まっていたことが分かっています。
また、驚くべきことに良いコミニケーションとは会話の中身とは関係なく、コミニケーションの在り方が問題のようです。

どうやら思ったことを自由に言えることが良いコミニケーションの条件のようです。

試しにチーム全員を同じタイミングで休憩を取るようにすると、交流時間が増え、平均処理時間が20%短縮したという結果も出ています。

しかし、コミュニケーションの中身は関係ないと言われてももう少し具体的な中身が欲しい、という人もいると思います。そのため、良いコミュニケーションが行われているかのチェックリストも紹介しておきます。

コミュニケーション良し悪しを調べるチェックリスト
  • 相互理解…メンバー同士の相互理解が進んでいるか?
  • 感情的状況…チームメンバーの間で不満や諦めなどの感情が蔓延していないか?
  • 強みと弱み…チームにどんなノウハウがあり、チームとしてどんな仕事が得意か?または、どんな仕事が苦手か?
  • 様々な対人関係…チームメンバー間の対人関係がうまくいっているか、輪の中に入れていない人がいないか?
  • 業務プロセスの認識…業務を遂行するための役割分担が明確化されているか?
  • 外部の個人や組織との関係…仕事を進めるために必要な外部の情報が的確に共有されているか?

これを使ってチームマネジメントを行なっても良いと思います。

また、コミュニケーションが円滑に行くためにどのようなリーダーやメンバーが望まれているかもわかっています。

望まれるリーダー
  • 熱量を高める
  • コミニケーションのバランスを保つ
望まれるメンバー
  • 自然体で誰とでもコミニケーションを取る事ができる
  • チームの話し合いに入れていない人に気配りができる

こうしたリーダーやメンバーはチーム内での偏ったコミニケーションを改善し、業績の向上に貢献しています。

では具体的にどのようなコミュニケーションが良いコミニケーションなのでしょうか?

良いコミュニケーションを作る方法

チームでコミュニケーションをとる時には下記の5つに注意しましょう。

コミュニケーションをとるときのポイント
  • チーム全員が平等に話したり聞いたりする機会があり、簡潔に話すことを心がけている
  • 顔を向き合わせてコミニケーションしており、会話や身振りに熱量がある
  • リーダーを通じてだけでなくメンバー同士直接的な繋がりがある
  • 秘密事項や内輪話をチームの外に漏らさない
  • チーム外の情報を持ち帰ってくる

こうしたコミニケーションを実現するために3つのステップが提案されています

  1. ビジュアル化
  2. 改善点の指摘
  3. 業績の向上

ビジュアル化

コミニケーションの測定する方程式に基づいてメンバー同士の熱量を図にしてみます。

コミニケーションの方程式;熱量=やり取りの回数 x コミニケーションの中身

全員がチームに関与できていない場合には
・話をする機会を奪っていないか
・無視されていないか
・自分の意見を持とうとしているか
をチェックします。

改善点の指摘

ビジュアル化した資料をもとに問題点を指摘します。
チーム全体でのやり取りと1対1でのやり取りが半々である事が理想とされています。ここで注意点があるので紹介しておきます。

コミュニケーションをとるときの注意点
  • メールでのやり取りは熱量が低くなる
  • 一人の持つ熱量には制限がある

こうした注意点に気をつけてメンバー間のコミニケーションの熱量が偏っていないかチェックしましょう。
また、内向きになりすぎても外部とのコミニケーションが取れなくなるというリスクもあります。

業績の向上

コミュニケーションが改善すると業績が改善します。

ある研究ではコミニケーションのあり方を調べるだけで一番良い業績を納めるチームを予測できたという報告もあります。

良いコミュニケーションが生まれる風土

チームが良いコミュニケーションを取るようになるためにはそのための風土を作らなければなりません。

そのために下記のような行動規範が生まれる場所に注力しましょう。

行動規範が生まれる場所
  • 公式のチームリーダー…会社から任命されたリーダーの振る舞いや業務プロセスの構築の際に風土が作られます
  • 非公式ながら実質的なチームリーダー…公式のリーダーよりも長年チームで働いているメンバーなどが実質的にチームを率いているとその人の振る舞いや考え方から風土が作られます
  • 勇気のあるメンバー…解雇されることも恐れず、問題を直視して顧客のために働けるメンバーにより風土が作られます
  • トレーニング…会社でのトレーニングや研修で風土が作られます
  • 企業文化と組織風土…会社のビジョンや組織体制から風土が作られます

このような場所で風土を作るために必要なサポートも分かっています。

風土を醸成するサポート
  • 感情にまつわる問題に対処するための経営資源を確保する;卓球台や瞑想ルームなどのストレスを発散させる場所を提供する。
  • 肯定的な感情を醸成する;難題に突き当たったとしても自分たちは必ず達成できるという雰囲気を作る。
  • 能動的な問題解決を奨励する;業務の障害になっているものを取り除き能動的に問題解決できるようにする。

この両方が揃っている事でコミュニケーションが改善するだけでなく下記のような効果も得られます。

  • メンバー間で信頼感が築ける
  • 各メンバーの帰属意識が芽生える
  • チームの強みを理解できる
  • チームが仕事に集中する

例えば怠けているメンバーに「何サボってるの!」と怒るだけではただ自分の不満をぶつけただけで相手を理解しようとしていません。「何サボってるの!」の後に「あなたがいないと終わらないんだから。」と言うことで「仕事を終わらせるためにはあなたが必要」というメッセージを送ることができます。これによりただ相手と対峙しただけでなく自分達の仕事を終わらせようという相互理解を促しています。

こうした風土によりメンバー間の信頼関係が生まれグループへの帰属意識が高まります。

多部署とのコミュニケーションを促進する方法

多部署との連携は
・仕事の手助け
・十分な情報

を得るために必要です。
これによりイノベーションや業務の効率化が促進されます。

では、何が多部署とのコミュニケーションを促進するのでしょうか?

多部署とのコミュニケーションを促進する3つの要因
  • プロジェクトリーダーによる手本
  • 人事のサポート
  • 優れたリーダー
プロジェクトリーダーの手本

多部署とのコミュニケーションがうまく行くかはプロジェクトリーダーが人間関係に投資し、自らコミュニケーションの手本を見せるかどうかによって決まります。

メンバーはプロジェクトリーダーの振る舞いを見てどうすればこの会社で成功するかを学びます。
プロジェクトリーダーの振る舞いが企業文化を生み出しメンタリングやコーチングを日常に浸透させます。

人事のサポート
チームマネジメントを成功させる人事のサポート
  • 研修制度;相手に感謝の意を表する、目的を持って会話をする、生産的創造的な方法で対立を解消する、などのコミュニケーションに必要なスキルを身につける研修
  • 非公式のコミュニティ;例えば、社内サークルや飲み会など普段社内で関わらない人とも情報交換ができるような支援。

気をつけておきたいのは報酬(モチベーション)をあげても個人の成果やチームの成果、コラボレーションの促進に何一つ効果がないという事です。

多くのプロジェクトリーダーは報酬を上げてコラボを促進しようとしますが意味がありません。それに、従業員自身も報酬を言い訳にコラボしようとしませんが、それは勘違いです。報酬ではなくコミュニケーションを直接的に支援するようにしましょう。

優れたリーダー

プロジェクトリーダーのチームマネジメントが未熟だと多部署とのコミュニケーションがうまくいかないだけでなくチーム内での分断が生じます。

分断を生じさせないポイント
  • 個人の役割は具体的にする
  • 任務の遂行方法については曖昧にしておく

これにより、メンバーに個性を発揮する余地を残すことになります。
メンバーは独自の人間関係を活かして仕事が行えるので多部署ともコミュニケーションを取るようになります。個人が行うこうした工夫が期待以上の仕事に繋がります。

まとめ

今回はプロジェクトリーダーに求められるチームマネジメントについて紹介しました。

なるべく全員が納得できる目標を設定してメンバーのサポートとチーム内で支え合えるような風土づくりを行うとプロジェクトが進みやすくなります。

こうした考えを取り入れて仕事に取り組んでみてください。

参考文献
the new science of building great teams
Eight way to build collaborative team

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