ジョブ理論とは?デキる社会人になるために必要な考え方を紹介します

イノベーションを起こすためのジョブ理論
この記事の対象者
  • ジョブ理論とは何か知りたい
  • 仕事がデキる社会人になりたい
  • 仕事の進め方が間違っていないか確認したい

会社にいると仕事がデキる人とできない人がいます。この違いはどこから来るのでしょうか?1つの答えとしてジョブ理論が参考になります。ジョブ理論は世の中にイノベーションを引き起こすために有効な考え方として知られており、効率よく出すために使われています。今回はジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)を参考にジョブ理論について紹介します。

この記事を読むことでジョブ理論について理解でき、仕事で成果が出せるようになります。

ジョブ理論とは?デキる社会人になるために必要な考え方を紹介します

ジョブ理論とは商品やサービスが顧客のどんな問題を解決するのかに注目した考え方です。ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるクレイトン・M・クリステンセンによって提唱され、この理論に基づいて考えることでイノベーションが生まれやすくなるとしています。

マッキンゼーの調査によると企業幹部の84%が会社の成長のためにイノベーションが必要だと認識している一方、そのうちの94%がイノベーションの成果に満足していないことが分かっています。

しかし、年々テクノロジーが進化しビッグデータを元にした高機能なツールが開発されているので以前よりもイノベーションが起こしやすいようにも思います。それにも関わらずイノベーションに満足できないと言うのはおかしな状況です。

その理由として顧客が「なぜ」その商品を購入するのかが分からないから、と指摘されています。

データは製品の類似性や売り上げの予測には使えますが「なぜ」その商品が売れたのかまでは教えてくれません。この「なぜ」がわかるとイノベーションが起こせます。

ジョブ理論の核心にある3つの「なぜ?」

ジョブ理論では商品やサービスが売れることを顧客に「雇用された」表現します。「雇用された」と考えることで商品やサービスが顧客が抱えている問題(ジョブ)を解決するためのものと捉えることができます。

人を採用する時にも会社や組織の抱えている問題を解決してくれそうな人を雇いますよね。それと同じ様に考えます。
ただ、紛らわしいので「雇用された」ではなく「売れた」と表現します。

つまり、商品やサービスが売れたと言うことは商品やサービスが顧客の問題(ジョブ)を解決した、と言うことです。
しかし、世の中には同じような製品がたくさんあります。それなのになぜ他社の製品ではなく自分の製品を使ってくれたのでしょうか?そこには3つの「なぜ?」があるとされています。

商品が売れる3つの理由
  • 機能面での「なぜ?」
  • 感情面での「なぜ?」
  • 社会面での「なぜ?」

それぞれについて紹介していきます。

機能面でのなぜ?

一番イメージしやすいのが機能面での「なぜ?」です。何か購入するときにその商品やサービスの機能に注目して購入することが多いと思います。

例えば食事に美味しさを求めていますよね。しかし、毎日ハンバーガーやラーメンばかり食べていると病気になってしまいます。そのため、ハンバーガーやラーメンばかりではなく、美味しさでは劣っていても健康を促進する料理にも需要があります。

感情面でのなぜ?

次にイメージしやすいのが感情面での「なぜ?」です。

食事をする時に栄養面に気をつけて食事をしたいと思っていても目の前に美味しそうなデザートがあると食べてしまいます。このように機能に注目しようとしても感情を満足させることを優先してしまうことがあります。

社会面でのなぜ?

最後に社会面での「なぜ?」です。

例えば、SNSにアップするために見た目の豪華なデーザートを食べに行ったり、動物を犠牲にしたくないと言う信念のもと菜食主義の食事を好む人がいますよね。こうした社会とのつながりを意識して選択するために商品が売れることがあります。

顧客の体験で考える

商品が売れる3つの「なぜ」について紹介しました。ただ、これだけでは商品が売れた理由を把握するには不十分です。なぜその商品が売れたのかを把握するためにはもう少し顧客の立場に立って考える必要があります。

「なぜ」その商品が売れたのか、売れなかったのかを知るためには顧客の体験を学ばなければなりません。ポイントは3つあります。

商品を購入するまでの顧客の体験
  • 顧客の問題は何か?
  • 顧客が達成したいことは何か?
  • その人にとってのより良い解決策の定義は何か?

顧客の問題は何か?

顧客が問題を抱えている原因は何でしょうか?

例えば顧客が健康の悪化という問題を抱えていたとします。原因として単に食事のバランスが悪かったり、運動習慣がないこと以外にも仕事が忙しかったり、家事に追われていたりなど様々な原因があります。顧客の根本的な問題にアプローチすることで商品やサービスが売れる可能性が高まります。

顧客が達成したいことは何か?

機能面、感情面、社会面で考えた時の顧客の達成したいことは何でしょうか?

健康の悪化という問題を解決して何がしたいのか考えましょう。もしかしたら健康になるというのは過程であって最終的な目標ではないかもしれません。本当の問題は友人とスポーツを楽しみたい、好きなものを食べれるようになりたい、のようなものかもしれません。これが分からなければ顧客の満足度は改善しません。

パーパスブランドが有効

自社製品が顧客の問題を解決できるのであればパーパスブランドを作ることがオススメされています。パーパス(Purpose)とは”目的”のことを言います。

自分の会社がどんな問題が解決できるのかをブランド化することで顧客が間違えて購入する可能性が減ります。
また、顧客が問題に直面した時に検索することなく自社のサービスを利用してくれる様になります。

さらに、パーパスブランドができると業界の構造変化や競争のルール、プレミアム価格の設定などができる様になり市場での優位性が高まります。

IKEAやUberなど名前を聞いただけでどんなサービスが得られるか分かりますよね。

パーパスブランドを作るためサービスと顧客の問題を一体化させなければなりません。スターバックスやグーグルは広告に力を入れていなくてもサービスが顧客の目的と結びつき、最適化されていたために今の地位を確立できるほど発展しました。

顧客にとってどの機能や特性が重要でどんな改善が望まれているか考えることがパーパスブランドを作ることに繋がります。

顧客にとってのより良い解決策とは何か?

顧客の立場に立ってより良い解決策を考えましょう。顧客の立場に立って考えることで自社の商品が本当にその人のためになっているか考えることができます。

顧客の立場に立って考える上で次の3つに注目しましょう。

  • 無消費
  • 代替品
  • 全く関係のない商品
無消費

顧客は問題を抱えていても支払うお金以上の価値がないと判断すればサービスを購入しません。また、サービスを購入するときにメリットがあると確信できなければお金を支払いません。顧客の立場に立ってお金を払ってでも買いたい商品なのか考えてみましょう。

代替品

顧客はわざわざ専用の商品を購入しなくても既存の商品の使い方を変えて問題を解決しようとします。例えば、沸かしたお茶を入れるための容器を買わずにペットボトルを使う人もいますよね。顧客にとってペットボトルで十分を判断しているのでお茶を入れる容器を買いません。

このように自分の商品が別の商品の本来の使い方でないものと競合していないかチェックしてみましょう。

全く関係のない商品

提供しているサービスと全く関係のないサービスと競争している場合もあります。例えば、顧客の問題が「休日を充実させたい」というときの場合、Netflixで動画を楽しむ代わりにを近くのジムで体を動かすことにお金を回すかも知れません。そのため、NetflixはAmazon Prime VideoやHuluだけを競合として捉えていると判断を誤ってしまいます。

このように、競合製品以外も考慮して顧客のメリットを考えなければなりません。

ジョブ理論に基づいた組織づくり

ジョブ理論を使うことで顧客の問題を解決できるようになり自社製品を買ってくれる人が増えるという話を紹介しました。

ただ、ジョブ理論を個人で実践するのでは限界があります。そこで、ジョブ理論に基づいて組織を作ることが推奨されています。ジョブ理論に基づいて組織を作ることで3つのメリットが得られます。

ジョブ理論に基づいて組織を作るメリット
  • 明確な目的を共有し意思決定を分散できる
  • 社員のやる気を引き出し挑戦できる文化ができる
  • 顧客の進歩、社員の貢献など会社にとって重要なことが測定できる

明確な目的を共有し意思決定を分散できる

顧客のジョブを中心に考える事で会社の目的が明確に定まります。これにより、細かいコミニケーションが必要なくなり個人がその場で判断できる体制が作れます。

例えば、発酵食品を開発している時に風味や味を高める可能性がある菌と体の健康を高める可能性がある菌が見つかったとします。
その場合、会社が「発酵食品によって健康な生活を送ってもらう」という理念を掲げてたとしたら、迷わず後者の菌の研究を進めよう、と意思決定ができます。

この様にいちいち上司に相談する事なくその場で判断できるため、仕事が進みやすく余計なストレスが緩和されます。

社員のやる気を引き出し挑戦できる文化ができる

ジョブを中心にする事で社員のやる気もアップします。ジョブが明確になっていないと上司の指示を理解できても指示の意図まで伝わりにくくなります。しかし、ジョブが共有されることによって指示の意図まで理解できるようになります。意図がちゃんと伝わることで上司の指示の内容が適切だと納得できるので仕事のやる気がアップします。細かな意図をその都度説明するのは不効率なのでジョブを共有しておくことをお勧めします。

さらに、ジョブが中心にあることで部下からもアイディアを提案しやすくなります。何のために新しいアイディアを考えればいいのか明確だとクリエイティブな発想力が高まります。

顧客の進歩、社員の貢献など会社にとって重要なことが測定できる

ジョブを中心にする事で何を測定すればいいかが明確になります。

現代はビッグデータのように様々なデータで溢れています。しかし、ジョブを中心にする事でその中の何が重要なデータなのかがわかります。

例えば、アマゾンは豊富な品揃えと低価格、迅速な配送の3つを毎分モニタリングしています。そのため、自動検索エンジンのロボットを構築しネット上に自社より安い商品が見つかるとアマゾンの商品の値段が下がる様に設定されています。

また、顧客のジョブに貢献した社員を数ヶ月ごとに表彰しているため、評価の基準や焦点がぶれる事なく社員に伝わる様になっています。

ジョブに集中できなくする3つの誤謬

ジョブを中心に組織を作る事で上記の様なメリットがあるのですが、徹底できる組織は少ないです。その理由として3つの誤謬が挙げられています。

  • 能動的データと受動的データの誤謬
  • 見せかけ上の成長の誤謬
  • 確証データの誤謬

詳しく説明していきます。

能動的データと受動的データの誤謬

能動的データとは商品の売れ行きや原材料の値段などすぐに数値に現れるデータのことです。
受動的データとは顧客の体験から出てくるデータではっきりした構造がないデータのことです。

もう分かる様に重要なのは受動的データです。顧客が何に困っているのかそのデータを元に商品を提供しなければなりません。

しかし、一度製品が世の中に出てしまうと能動的データに気を取られてしまいます。能動的データの方がわかりやすく、直感的に考えやすいからです。

購入履歴や投資金額、競争相手の情報など能動的データは明確で追跡しやすいため危機感が煽られますよね。こうしたデータに惑わされず徹底して受動的データを集めることが重要です。

見せかけ上の成長の誤謬

見せかけ上の成長とは投資のリターンを得るために既存の顧客に多くの製品を売ろうとすることです。

少ない投資で大きなリターンが見込めますが、商品の種類を増やしたり他社製品の模倣を行うことで顧客を混乱させてしまいます。また、本来のジョブに適さない商品になってしまい顧客が離れていく原因になります。

同じ様なことが生産力や知的財産への投資でも当てはまります。

元を取ろうとしてジョブとは関係ないところが目的になってしまい、長期的にみたときに顧客を失うことになります。

確証データの誤謬

確証データとは自分に都合のいいデータのことです。

データを元に判断したつもりでも他の人から見ると自分に都合のいいデータばかりを集め、自分に都合のいい決断をした様に見えます。

著者は客観的なデータなどないと主張しています。理由はデータを作るのは人間だからです。データを作るのが人間である以上、そこにデータをまとめた人の主観的な判断が混じります。

そのため、経営陣が重要な決断をしたと思っていても実は最初から結論は出ていて、その結論のためのデータを集めただけになっているそうです。

この様な誤解があるのであれば顧客のジョブから離れてしまうのは簡単に想像できますよね。

ジョブ理論に基づいたアイディアを出す方法

ジョブ理論に基づいて仕事をすることで顧客の満足度が高まり、業績が改善するという話を紹介してきました。

しかし、どうやったらジョブ理論に基づいてアイディアを出せるようになるの?という人もいると思います。そこで、クリエイティブな発想をするための方法やクリエイティブな発想を妨げているものについて紹介していきます。

クリエイティブな力を伸ばす6つの方法

クリエイティブな力を伸ばす方法として下記のが知られています。

  • クリエイティブになると決心する
  • 些細なことにもアンテナを張る
  • リラックスした注意を払う
  • ユーザーに共感する
  • 仲間を増やす
  • ポジティブな感情を高める

クリエイティブになると決心する

「クリエイティブになると決心する」と聞いて馬鹿馬鹿しいと思ったかもしれません。

しかし、30年以上にわたって知性や創造性、リーダーシップといった分野を研究しているロバート・スタンバーグによるとクリエイティブな人はどこかの時点で「クリエイティブになることを決心した」という共通点がある様です。

クリエイティブな人は元からクリエイティブな訳ではなくどこかで決心する瞬間がある、ということは誰でもクリエイティブになれる可能性を示唆しています。

また、この決心の影響か分からないですが、クリエイティブな人の特徴に下記の5つが知られています。

クリエイティブな人の特徴

  • 賢くリスクを冒し失敗を成功のための一部と考える
  • 自分の進んでる道が正しいかどうか分からないという曖昧な状況に耐える
  • 知的な面で成長し続ける
  • 問題を新しい枠組みで捉え直す
  • ぶつかった障害と向き合う

どれもクリエイティブな発想に大切そうな特徴ですよね。

些細なことにもアンテナを張る

私たちは普段の生活の中で些細なことには注意を払っていません。いつも見る看板の汚れや木の枝の伸び具合などいちいち気にしていると脳が疲れてしまうからです。

しかし、クリエイティブな人はこうした些細な変化にも気を配ります。常に新しい視点で世界を観察し自分の知らなかった世界を理解しようと努めます。

これにより頭の中の情報量が増えクリエイティブな発想に繋がります。

同じものを他人と同じ様に見ていたのではクリエイティブな発想は生まれません。他人と違う視点で物事を観察し、質の違う情報を蓄積していなければなりません。

クリエイティブな発想がゼロから生まれる、と思っている人もいるかも知れませんが多くの発想は蓄積された情報が洗練されて出てきています。そのため、元々の情報量が多い方がクリエイティブな発想ができる様になります。

クリエイティブになると決心するのは簡単ですが、些細なことにアンテナを張るというのは努力が必要ですね。

リラックスした注意を払う

リラックスした注意とは適度にボーっとした状態のことを言います。クリエイティブな発想は論理的な思考から生まれません。論理的に組み立てたものでないからクリエイティブなのです。

そのため、集中してアイディアを考えるよりもリラックスした注意を払うことでクリエイティブな発想が生まれます。こうした考え方はマインドフルネスとマインドレスの考え方が参考になります。詳しくは以前の記事を参考にしてください。

顧客に共感する

クリエイティブな発想をするためには顧客の気持ちに共感しなければなりません。なぜなら、顧客のニーズを満たすことでクリエイティブだと認められるからです。ニーズを満たさないのであればただのエゴを入れただけでクリエイティブとは言えません。

顧客に共感してニーズを満たす3つのプロセスが知られています。

  1. 現場に行く
  2. 「なぜ」と質問する
  3. 問題の枠組みを捉え直す
現場に行く

机の上で考えているだけでは先入観を振り払えず顧客に共感できなくなります。

そのため、自分の先入観を取り除くために現場に行くことをお勧めします。現場で顧客と意見交換することで、自分が知っていると思っていたことや前提としていたことが違っていることに気づけます。

「なぜ」と質問する

「なぜ」と「〜だったらどうなるか?」という質問は顧客のニーズを見つけるために役立ちます。

「なぜ、その商品を使っているのか?」や「もしその商品が〜だったらどうか?」という質問をすることで顧客のニーズを明らかにできます。表面的な細かいところを無視して核心に迫ることができるのがいいですね。

問題の枠組みを捉え直す

顧客の問題の核心に気づくことで問題の枠組みを捉え直せる様になります。

例えば、手術に使う切開器具の疲れを緩和する、という課題に応えるために「どうすれば器具の重さを軽くできるか?」と捉えるのではなく「どうすれば楽に持ち続けれるか?」と捉えます。

これにより解決策の幅が一気に広がります。実際に器具の疲れを緩和した新商品は前のものよりも重くなっていました。

この様にユーザーに共感することでクリエイティブにユーザーのニーズを満たすことができます。

仲間を増やす

クリエイティブな発想というのは他の人とのコラボレーションにより生まれることが多いです。

よく、クリエイティブな人というのは孤高の天才という描き方をされますが、実際にはそんな人は少ないです。

科学の世界でも誰か1人の研究だけでノーベル賞を受賞することは珍しいです。iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中先生の研究もジョン・ガードンの研究がなければ成し遂げられなかったと述べています。

また、クリエイティブな発想というのは不確実性が大きくなるので他人が協力してくれないと実現できないという面もある様です。

ポジティブな感情を高める

ポジティブな感情を高めるとクリエイティブな発想ができる事が分かっています。

ノースカロライナ大学で行われた研究ではポジティブになる事で視野が広がり、思考の柔軟性が高まったという報告がされています(R)。
他にも
・情報集めが効率的になる
・10年以上長生きする

なども知られています。
このような現象が見られる理由として認知能力に関わる前頭前野や前帯状皮質が活発になるというエビデンスも確認されています。

こうした効果のあるポジティブな感情ですがどうすれば高めることができるのでしょうか?その答えは少し長くなるので以前の記事を参考にしてください。

クリエイティブな発想を妨げる3つ恐怖心

クリエイティブな発想を妨げる恐怖心として下記の3つが知られています。

クリエイティブな発想を妨げる恐怖心

  • 失敗することへの恐怖心
  • 計画の曖昧さからくる恐怖心
  • 義務感からくる恐怖心

カリフォルニア大学のディーン・キース・シモントンによると天才的な創造力の持ち主は成功する確率が高いのではなく、チャレンジした数が多いだけと述べています。

また、天才と呼ばれる人たちは他の人たちよりも失敗していているのですが、ただそれをやめる口実にしないそうです。

つまり、成功するためには失敗しても継続しなければならない、と言うことです。

とは言っても、誰もが失敗するとメンタルにダメージが来てやめてしまいそうになります。そのダメージを軽減するための準備として3つの恐怖心とその対処法について紹介していきます。

失敗することへの恐怖心

失敗することはそれまでにかけてきたお金や努力、時間が全て無駄になった様な感じがして怖いですよね。

ただ、「失敗は成功の元」と言われる様に失敗しなければ成功できません。実際に創造力豊かで成功している人というのは失敗も成功までのプロセスの一部と考えている様です。

では、どうしたら失敗への恐怖心を克服できるのでしょうか?
下記の3つのポイントがあります。

  • 失敗しても良い状況を作る
  • 失敗を認める
  • 人と比べない
失敗しても良い状況を作る

失敗への恐怖心をなくすためにはリスクの少ないことから始めましょう。あまりにリスクが大きいと失敗した時に次のチャレンジができなくなります。

起業する際にもまずは副業で小さく始めた方が成功率が高いことが知られています。

失敗を認める

失敗した時には失敗を認めましょう。

最悪なのは失敗を他人のせいにして認めないことです。これでは何も学べないので本当にお金や時間の無駄で終わってしまいます。

失敗を認めることで次の成功に繋げることができます。何が悪かったのか謙虚に考えることで原因が突き止められ、自分の能力を向上させれます。

人と比べない

人と比べると自分に自信がなくなり失敗することが怖くなります。

また、自分が人よりも劣っていると認識すると無力感が増大し、創造力が低下して良いアイディアが思いつかなくなります。

さらに、他人によく見られようと表面的な成果を求める様になるので長期で見た時に大した成功を収めることができません。

計画の曖昧さからくる恐怖心

計画が曖昧だとこの計画で進めていいのか不安になります。

しかし、計画はあくまでも計画なので完璧を求めても状況に応じてその都度変わっていきます。旅行の計画を立てても7割程度しか計画どおりにならなかった、という経験がある人も多いのではないでしょうか?

では、どうしたら曖昧さからくる恐怖に対処できるのでしょうか?
下記の3つの方法が挙げられています。

  • とにかく行動する
  • プロトタイプで実験する
  • 軌道修正を念頭に置く
とにかく行動する

机上で物事を考えても次から次へと不安要素が出てきます。

そういった不安要素は考えず、とにかく行動しましょう。人は不安なことを何度も頭の中で繰り返し増大させていく傾向があります。うつ病の人なんかが特にそうです。

考えるだけではこうした不安に負けてしまい、創造的な発想ができなくなってしまいます。そのため、まずは行動しましょう。

プロトタイプで実験する

最初から完璧なものを求めず、試作品で実験しましょう。

思いついたアイディアの完成度は8割ぐらいを目指しましょう。最初から完璧を求めて作業すると最後の2割ぐらいのために最初の8割と同じかそれ以上の時間が必要になります。その割にあとで変更することになり費用がかさむ事もあります。

仕事の書類でも体裁を整えたり、誤字脱字がないかチェックしたりで予想以上に時間が取られたという経験がある人も多いと思います。

ある程度の完成度で試す方が達成感も得られてクリエイティブな発想を後押ししてくれます。

軌道修正を念頭に置く

計画は計画なので軌道修正することを念頭に置きましょう。

「あとで軌道修正すればいい」と思えば計画が曖昧でも行動できる様になります。

従来ではビジネスにおける実験は社内でひっそりと行われてきましたが、最近のスタートアップの企業はリリースして学ぶ、という手法を取っています。

少し設計しては開発、リリースを繰り返して巨大な製品を完成させていくことで、市場に出して見たら需要がなかった、という結果を避けられます。

義務感からくる恐怖心

自分の仕事に対して義務感を持っているとその義務を果たせないことに対し恐怖感が出てきます。

例えば「教師なんだから子供達に尊敬されるべきだ」と考えていたのに子供に笑われる失敗をしてしまった、「部長だから部下を引っ張っていかなければならない」と考えていたのに部の目標が立てられない、などです。

こうした義務感を満たせなくなるとクリエイティブな発想ができなくなっていきます。

では、どうしたらこうした義務感から解放されるのでしょうか?
下記の2つの方法が知られています。

  • 仕事を仕事と捉えない
  • フローの状態に入る
仕事を仕事と捉えない

仕事の捉え方を変えることはジョブ・クラフティングとも言われます。

例えば「仕事だから」、「キャリアを積む必要があるから」という考えではなく「地域の人たちに喜んでもらうために」と考えます。

まるで、ボランティアの様に自分の仕事を捉えることで義務感から逃れられます。仕事と捉えるとお金が発生するので義務感になりやすい様です。

フローの状態に入る

フローとは作業に没頭している状態のことを言います。スポーツではゾーンに入る、と表現されます。この状態に入ると作業のことしか頭にないので余計なことを考えずに作業できます。

しかし、フローの状態にはなかなか入れません。いくつかの研究ではマインドフルネスという「今、この瞬間」に集中するトレーニングを積むとフローに入りやすくなるとしています。

まとめ

今回はジョブ理論の基本的な考え方とアイディアを生み出すための方法について紹介しました。

ジョブ理論に基づいて仕事をする事で生活の悩みが解決されより良い世の中になっていくと思います。

参考文献
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

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