無意識に操られてるかも?プライミング効果とは

プライミング効果とは?

買うつもりでなかったものを買ってしまったり、小さな問題なのに大きな問題と捉えてしまうことはありませんか?

➡︎おそらくプライミング効果の影響です。

プライミング効果は自分でも気づかないうちに影響を受けてしまうという特徴があります。勉強やマーケティングなど日常生活に溶け込み私たちを操っています。

今回はこうしたプライミング効果について紹介します。

無意識に操られてるかも?プライミング効果とは

事前に特定の刺激(プライム)を得ることでその後の情報処理に影響を与える現象の事です。

例えば、
果樹園に行ったと想像してください。

リンゴやミカン、ブドウなどの木がたくさんあって収穫を楽しみました。
その帰りに「ミ〇ン」と書かれた看板を見かけました。

本来は何と書かれたものでしょうか?

おそらく、ミカンを想像したと思います。「ミシン」や「ミリン」など他の可能性があるにも関わらずにもです。

これがプライム効果です。

事前に果樹園に行ったことを想像したため「ミ〇ン」をミカンと判断しました。

なぜ、こうした現象が起こるのか?

プライミング効果があることで省エネで正解にたどり着けるからです。

果樹園に行った時の例のように「ミ〇ン」を見た時に「ミシン」や「ミリン」の可能性も考えていると脳が疲れてしまいます。

それよりか、果樹園なんだからミカンだろ、と考えた方が最短で正解にたどり着けます。

この省エネ戦略を発達させることで他のことにエネルギーを割けるように進化しました。

プライミング効果の種類

プライミング効果には直接的なものと間接的なものがあります。

直接的なプライミング効果

カレーのCMを見たことがプライムとなり昼ご飯にカレーが食べたくなる、という現象です。

自分のさらされている情報が意思決定にそのまま反映されます。

間接的プライミング効果

ジャガイモやニンジン、牛肉などを見て昼ご飯にカレーが食べたくなる、という現象です。

直接カレーを見ていなくても連想してしまい意思決定に影響します。

フロリダ効果実験

プライミング効果を検証した有名な実験でフロリダ効果実験、というものがあります(R)。

この実験では被験者に「しわ」、「忘れっぽい」などの言葉を聞かせると歩くスピードが遅くなったというデータが得られています。

なぜそんなことが起こったのかというと「しわ」、「忘れっぽい」などの言葉により老人をイメージしたので体も老人のように振舞うようになったからとされています。

この論文では怒りっぽい人のイメージを植え付けると実際に敵対的な行動が増えるという結果も得られています。

他にも最初に高級ブランドの名前を聞くと低価格の商品よりもブランド品を買いやすくなる(R)ことや報酬に関する情報を聴くと仕事でつまずいても他人に助けを求め無くなり、自分も他人を助けようとしなくなることが知られています(R)。

私たちの行動は知らず知らずのうちに何らかのプライミング効果を受けているようですね。

ただ、同じプライミングを受けているとだんだんと慣れてくるということも言われています。

では、プライミング効果をどのように生活に活用していけるのでしょうか?

プライミング効果の活用法

勉強への活用

勉強でプライミング効果を活かすためには徐々に難易度を上げていきましょう。

最初から難易度を高く設定すると脳が情報を処理しきれなくなります。

最初から専門書を読む前にYoutubeやブログで簡単に勉強しておくことでプライミング効果が働き、専門書を読んだときに話が入りやすくなります。

もし、読むのに時間がかかるようならまだプライミング効果が足りないと考えましょう。レベルの低い教材に頼った方が結局は時間の節約になったりもします。

マーケティングへの活用

印象的な広告や商品を作りましょう

写真や映像、音、キャラクターなどに工夫を凝らすことで印象に残りやすくなります。また、口コミでも広がりやすくなりプライミング効果が強まります。

なぜその商品を買わなければならないのか問題を提示することも有効です。

例えば、歯のクリーニングを呼びかけるとします。普通に歯のクリーニングで入れ歯を予防できますよ、と呼びかけるのではあまり効果がありません。

それよりか、70歳で入れ歯になる人が70%います、というデータや入れ歯になると食べ物の味を感じにくくなり口臭もきつくなるという話を紹介します。

こうしたデータによりプライミングした後に歯のクリーニングで入れ歯を予防できますよ、と呼びかけると「確かに、行った方がいいかもな」と思う人が多くなります。

プライム効果から逃れるには

人は何をするにしてもプライム効果から逃れることはできません。しかし、プライミング効果の程度を抑えることはできます。

例えば、買い物に行くとき事前に何を買うか決めておきます。すると、売り場での広告や宣伝に惑わされることが無くなり「なんでこんなもの買ったんだっけ?」ということが無くなります。

また、基本に戻ることも有効です。

ネットで調べ物をしていていつの間にか本来の目的とは違ったことを検索していた、ということはありませんか?これもネット上の色んな情報にプライミングされたことが原因です。意識的に基本に戻ることで本来の目的を忘れずに情報を集めることができます。

まとめ

今回はプライミング効果とその活用方法について紹介しました。

自分で意思決定を行っているようで実は脳がサボって適当に決断しているみたいですね。

こうした人間のサガを利用するのは不誠実だと感じる人もいると思いますが、それは人それぞれだと思います。

その人がメリットを得るのであれば共にWin-Winの関係なので問題ないと思います。ただ、プライミング効果を使い過ぎて相手に損をもたらすようであれば悪い事なのかなと思います。

くれぐれも悪用しないように。

関連記事