ウイルスの発生源とは?~食事による予防と一緒に
インフルエンザなどのウイルスはなぜ毎年流行するのでしょうか?
➡︎ウイルスは適した環境でない場合は宿主の細胞の中で眠っているからです。
夏にインフルエンザになる人はいないのでこの世からインフルエンザが消えたと思ってしまいますがそうではないようです。毎年新たなインフルエンザウイルスが生まれるのではなく、同じタイプのインフルエンザが流行するようです。
ウイルスの発生源とは?~食事による予防と一緒に
なぜ、毎年冬にウイルスが流行するのか?
➡︎冬になるとウイルスにとって都合の良い条件が整うからです。
気温や湿度もですが、人が部屋の中で過ごすことが多くなり換気の頻度も減っていきます。また、太陽が出ている時間が短くなるのでビタミンDが不足しがちになりウイルスを殺すカテリジンやバリアの機能をするb-ディフェンシンが作られにくくなります。
こうした環境になると宿主の中で眠っていたウイルスが活発になり増殖し始めます。
ウイルスはどうやって増殖するのか?
➡︎ウイルスには自分を増やす能力がありません。そのため、他の生き物の増殖システムを乗っ取ります。
私たちは自分の体を構成するためのゲノムと言われる情報を持っています。足の細胞も心臓の細胞も同じゲノムを持っているのですが使っている情報が異なるため特徴的な役割を果たせるようになります。
この役割を果たすためにゲノムを構成しているDNAからRNAを作り、RNAからタンパク質を作ります。これをセントラルドグマと呼びます。
ウイルスにはDNAを持っているものとRNAを持っているものがありますが、どちらも宿主のセントラルドグマを乗っ取ります。これにより自分のDNAやRNAを作りその入れ物になるタンパクまでも作り出します。こうして自分を複製した後、細胞を殺して外に出ていきます。
生体外でどのぐらい生き延びるのか?
➡︎ウイルスはとても不安定なので生体外で長く生きれません。
温度や湿度が高い方が死にやすく、撥水性のスチールやプラスチックなどの上では長く生き延び安いとされています。インフルエンザウイルスは空気中でも生き延びる時間が長く、条件が整えば生体外でも24時間生き延びるとされています。
人以外も発生源になる
➡︎ウイルスの宿主は人だけではありません。
セントラルドグマはすべての生物が持っているため宿主になります。ただ、細菌に感染するウイルスはファージと呼ばれ人には感染しません。人に害を与える宿主としては鳥や豚、コウモリなどが挙げられています。
コロナウイルスはどこから発生したのか?
➡︎2020年になって流行しているコロナウイルスもヒト以外が感染源として考えられています。
中国の研究チームはヘビが感染源ではないかという結果を公表しましたが、コロナウイルスに感染しているヘビが確認できていないため信憑性が薄いと指摘されています(R)。(中国の研究チームはセントラルドグマに使われるコドンという材料がヘビの物に近いという結果から判断しています。)
陰謀説もあるようで武漢のウイルス研究所で生物兵器の開発が行われていたのではないかという指摘をする記事もあります(A)。過去にはこの研究所の安全性の管理が悪いと指摘されていましたが、コロナウイルスとの関係を示すデータは出ていません。
こうした陰謀論は人を引きつけますが政治利用されるだけのことも多く、科学的なデータが出てこない限り信頼しない方がいいでしょう。
発生源がどうであれ、感染を防いでいかなければなりません。過去にウイルスなどに感染しないための対策をまとめているので参考にしてください。
今回は食事の対策について簡単に紹介します。
ウイルスに感染しないための食事
食事でウイルスの抵抗力が高まるかは科学的に証明されていません。
理由としては食事を全員同じにしてウイルスに感染させることができないからです。実験的にも難しいですし、倫理的にも問題だからです。しかし、いくつかの有効と考えられえている食材が知られていますので紹介します。
おすすめ食材
ネギ
➡︎ネギの青い部分に含まれる粘液にはウイルスの感染を予防してくれる効果があるとされています。
過去にSARSが流行したときに中国のネギの里といわれている山東省章丘では感染者が出なかったというデータも出ています。この理由としてネギの中に含まれるアリシンという成分が血管を拡張させ血流をアップさせたためだと考えられています。
この効果を得るためには生で食べないといけないらしいので和え物にするのがいいかもですね。
キノコ類、内臓ごと食べられる魚
➡︎これらの食材はビタミンDが豊富なことが知られています。
上記で示したように日照時間が短くなるとビタミンDが作られにくくなるため食材から摂取するようにしましょう。復習になりますが、ビタミンDはウイルスを殺すカテリジンやバリアの機能をするb-ディフェンシンの産生に使われます。また、粘膜の結合状態を改善し感染しにくくしてくれることも知られています。
イチゴ、みかん、イモ類
➡︎これらの食材はビタミンCが豊富なことが知られています(R)。
ビタミンCはウイルスへの攻撃力を高めてくれることが知られています。ビタミンCを作れなくしたマウスはウイルスに感染しても抵抗するためのサイトカインを作れませんでしたが、そのマウスにビタミンCを与えると抵抗するためのサイトカインが作られるようになり症状が改善したというデータがあります。
緑黄色野菜、ウナギ、卵
➡︎これらの食材はビタミンAが豊富なことが知られています(R)。
ビタミンAは鼻やのどの粘膜を保護する働きがあります。特に肺のメンテナンスや修復に重要ということも分かっていてビタミンAのシグナルがあるとインフルエンザに感染しにくくなるようです。
ショウガ
ショウガの中に含まれるジンゲロールはウイルスや細菌を殺すと言われています。また、解熱作用や抗炎症作用、血行を促進するなどの効果も知られています。
紅茶
➡︎三井農林株式会社の出したデータによると紅茶によってウイルスの99.96%を無力化できたとしています。
また、紅茶を毎日飲むことで発病しない人の割合が増えていました。そのため、紅茶を飲むことでウイルスの予防ができると考えられます。しかし、このデータにはいろいろツッコミどころがあるので無条件に信じない方がいいでしょう。
まとめ
今回はウイルスがどうして毎年流行するのか、その発生源や対策となる食材について紹介しました。
発生源を突き止めるのは今後ウイルスが発生したときの予防に役立つ情報になるようなので科学者たちは必死になっています。流行しているコロナウイルスの発生源も突き止めれるといいですね。
過去に流行したSARSですがこの発生源は未だ特定できていないようでコウモリやタヌキなどが考えられているそうです。
ウイルスの対策になる食材を紹介しましたが、可能性があるだけで科学的なデータは示されていません。そのため、普段の生活の中で迷ったときに思い出してネギやショウガを選んでもらえばと思います。
参考記事
How do viruses make us ill?
Statement in support of the scientists, public health professionals, and medical professionals of China combatting COVID-19
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