【初心者でも簡単にできるマインドフルネスのやり方】驚くべき効果と一緒に紹介します

初心者でも簡単にできるマインドフルネスのやり方
この記事はこんな悩みを解決します
  • マインドフルネスに興味があるけどよくわからない
  • マインドフルネスってどうやるの?
  • どんな効果があるの?

GoogleやAppleなど大企業でも取り入れられているぐらいマインドフルネスは注目されています。集中力がましたり、ストレスが緩和するなど様々な効果が知られています。しかし、マインドフルネスの効果は目に見えないのでどんなものかイマイチ分からない、という人も多いと思います。今回はこうしたマインドフルネスについて詳しい方法や科学的効果を紹介します。

この記事を読むことでマインドフルネスのやり方やどんな効果があるのか分かります。

【初心者でも簡単にできるマインドフルネスのやり方】驚くべき効果と一緒に紹介します

マインドフルネスとは「今、この瞬間」に集中することを言います。

どういうこと?って感じですよね。

「今、この瞬間」に集中するとは?

例えば、感情的に怒ってしまったり、何か作業をしている時にも以前ミスしたことを繰り返し考えてしまう、といった経験はありませんか?これは自分の行なっている作業に集中できていないために起こります。集中していれば自分の感情を客観的に捉えれたり、作業中にミスしたことを考えないで済むようになります。
このように何かに意識を集中している状態をマインドフルネスと言います。心が集中していることでいっぱいなのでマインドフル、ということですね。

こうしたマインドフルな状態を作ることで仕事の作業効率が上がったり、感情的になって判断を誤ることが無くなります。

しかし、こうしたマインドフルな状態は私生活の中ではなかなか作り出せません。なぜなら、仕事に没頭していると思っていても潜在的な意識の中に電話がなるかもしれない、声を掛けられるかもしれない、といった集中を妨げるものがあるからです。

そのため、意識的にマインドフルネスを行う時間を作らなければなりません。

とはいっても、やり方は簡単でGoogle人材部門のチャディー・メン・タンが書いたサーチ! 富と幸福を高める自己探索メソッドを参考にマインドフルネスの方法について紹介します。

マインドフルネスの基本的なやり方

1番のオススメの方法は呼吸による瞑想です。
最初は辛いと思うので5分程度から始めましょう。

いきなり長い時間をするのはお勧めしません。

マインドフルネスは続けることが重要です。私は最初から張り切って20分行いましたが、とても辛くて1日で辞めてしまいました。そこから半年空いて5分だけ瞑想すると次の日もやってみようという気になり、それから10分、15分と伸ばしていき今では20分の瞑想をほぼ毎日行なっています。こんな風に徐々に時間を伸ばすのをお勧めします。

  1. 目を閉じて背筋を伸ばして座る
  2. 3回深呼吸を行う
  3. 6秒数えながら息を吸う
  4. 7秒数えながら息を吐く
  5. 自分の息に集中する
  6. 呼吸以外のことがよぎったらそのことを認識する
  7. 雑念を優しく手放し、再び呼吸に集中する
  8. 決めた時間続ける
  9. 最後に自分の心が穏やかだ、と認識し終わります

5、6、7のプロセスについてそれぞれ脳が活性化する場所が違うとされています。

  • 自分の息に集中する…背外側前頭前皮質
  • 呼吸以外のことがよぎる…後帯状皮質、外側側頭皮質、楔前部など
  • 雑念を認識する…前頭島皮質、前帯状皮質
  • 雑念を優しく手放し、再び呼吸に集中する…背外側前頭前皮質

上手くできていれば呼吸を吸う時と吐く時で脳の感じ方が違うことや呼吸ってこんなに複雑な動作だったんだ、など気づくことがあると思います。

注意点としては義務感を持たずに気軽に取り組むことです。5分の瞑想をするにしても意識が逸れることがあると思います。その5分の中で5回連続で呼吸に集中できればゲームクリア、ぐらいの気持ちで行いましょう。

また、マインドフルネスに方法には様々なものがあるので紹介します。呼吸瞑想がいまいちだな、という人は自分に合ったものを見つけて行なって見てください。

呼吸瞑想のサーキットトレーニング

これはマインドフルネスの基本的なやり方の応用版です。

  1. 基本的なマインドフルネスを3分間行います。
  2. 次に自分が経験しているものや心に浮かぶものに3分間注意を向けます。
  3. 休憩します。
  4. これを何度か繰り返します。

これにより自分が注意を向けていることに注意を向けれるようになります。
こうした能力はメタ認知能力と呼ばれ客観的に自分を見るために必要な能力となります。

歩行瞑想

  1. 立って足に圧力がかかっていることを感じます。
  2. 注意しながら片足を上げ、足を下ろします。
  3. 心の中で足を上げてる、足を下げてる、と繰り返したり、今向きを変えてるなど実況中継するように歩きます。
  4. 足を上げる時に息を吸い込み下げる時に息を吐き出すと言うのも効果的です

簡単に言えば集中して歩くって事ですね。食事に行く少しの時間だけでも効果があるようです。

歩行瞑想のように食事に集中するだけでもマインドフルネスの効果が得られます。食べ物の温度や固さ、味などに集中する事で「今、この瞬間」に意識が行きます。

マインドフルなリスニング

これは2人で行うマインドフルネスです。

  1. 相手と聞き手と話し手を決めます。
  2. 話し手は3分間何か話したい事があったら話します。途中で止まってもいつも耳を傾けてくれる人がいることを心に留めておきます
  3. 聞き手は相手の話に集中します。質問をしてはいけませんがうなずいたり、相槌を打つのは構いません。
  4. 互いに話し終わった後、どんな経験をしたか話し合います。例えばその瞬間に感じたこと、今日の出来事で話したいこと、などを言語化して行きます。

これは形式張ったやり方でなくても普段の会話の中でも使えます。
相手に話をするための時間を取ると自分に言い聞かせて集中して話を聞きます。

マインドフルな会話

これはマインドフルなリスニングの応用版です。

  1. マインドフルなリスニングを行います。
  2. その後聞き手は自分が聞いたことを相手に話します。「〜ということを言っていたと思います。」など。
  3. 話し手はその内容が正しいかどうかすぐにフィードバックを返します。
  4. 6分を上限に内容を完璧に理解してもらうまでこれを繰り返します。
  5. 役割を交代します
  6. 最後にどんな経験をしたか話し合います。自分に対する印象や次に話してみたいこと、自分の変えたいと思っていること、などを話します。

これも普段の会話の中でも使えます。内容を確認したいから、と言う理由で相手が話したことを繰り返しフィードバックを受け取ります。

共感的なリスニング

これはマインドフルな会話の応用版です。

  1. マインドフルな会話を行います。
  2. しかし、聞き手は話の内容ではなく話し手の感情を推測します。例えば、〜と言う話をしましたが本当はとても辛かったのではないですか?など。

この方法は普段の会話でも使えますが、相手の感情を言い当てることはよく思われないので注意した方が良いでしょう。

厄介な会話への対策

  1. これまでに体験した厄介な会話やすべきだったのにしなかった厄介な会話を思い浮かべます。
  2. 会話の内容、情動がどう関わっているか、自分について何がわかるか、書き出します。(自分について何がわかるかには有能さ、善良さ、愛される価値があるか、が必ず関わります。これを意識して書き出して見ましょう)
  3. 次に相手の立場になって同じ分析を行います。

書くだけでなく、誰かと話しても良いですが気の知れた関係でないと相応しくありません。厄介なことを思い出すので当然ですよね。

目的別のマインドフルネス

次にGoogleがオススメする少し変わった方法を紹介します。

目的別マインドフルネス
  • 情動に流されないためのマインドフルネス
  • 幸せを見つけるためのマインドフルネス
  • 思いやりの心を鍛えるマインドフルネス

自分に合ったマインドフルネスを行いましょう。

情動に流されないためのマインドフルネス

感情的になって相手に酷いことを言ってしまった、という経験はありませんか?

感情をコントロールするためには自分の情動やその影響を自覚し、正しく自分を理解しなければならなりません。

通常は情動の奴隷のように動いてしまうのですが、マインドフルネスを行うことによって客観的に情動を扱えれるようになります。

ボディ・スキャン

  1. 2分間呼吸に注意を集中させます。
  2. 体をスキャンします。頭、顔、首や肩、背中と腰、胸とお腹、全身同時とそれぞれ1分間注意を向けます。
  3. 情動を探してスキャンします。何か情動があるか2分間探します。ポジティブな情動を経験するようにします。自分の中で力を発揮した経験や自信を感じた時の経験を思い浮かべます。
  4. もう一度体をスキャンし3分間、変化を感じ取ります。その後、心が安定する状態に戻ります。

ジャーナリング

  1. うまく言った例を思い出して2分間考えます。複数ある時には共通のパターンがないか考えます。
  2. 30秒間間をあけます。
  3. 自分を愉快にしているのは〜、私の長所は〜など2分間書き出します。
  4. うまくいかなかった例を思い出して2分間考えます。複数ある時には共通のパターンがないか考えます。
  5. 30秒間間をあけます。
  6. 私を苛立たせるのは〜、私の短所は〜など2分間書き出します。
  7. 少し時間をあけて自分が書いたことを読んでみます。

シベリア北鉄道

  1. 3回深呼吸します
  2. 2分間ネガティブな情動にギアを入れます。苛立ったり傷ついた経験を思い出します。
  3. ネガティブな情動に対処するための戦略を7分間練習します。情動が出たら停止させ呼吸に集中します。
  4. 30秒間間を空け注意を体に向けます。首や肩、お腹、体温などに変化はありそうですか?評価はせずにただ体験するだけにします。
  5. 1分間魔を空けます。
  6. この情動がどこから来ているか考えます。もし、この経験に他の人が関わっていたらと仮定してその人の立場で自分を眺めます。その後、「誰もが幸せになりたい!と望んでいて、このように振る舞うことで幸せになれると考えている」と言う言葉について考えてください。間違っているとかは判断しません。
  7. 一番優しくてポジティブな反応を想像します。1分間その反応を想像します。
  8. 1分間間を空けたあと、2分間呼吸に意識を集中させます。
  9. 片手を握りしめ残っている情動を全て掴みます。ゆっくりと開いてその情動のエネルギーを放してやります。その後、1分間心を落ち着けます。

回復力の瞑想

  1. 3回深呼吸をしてボディ・スキャンを行います。
  2. ネガティブにギアを入れ失敗した経験を4分間思い出します。できるだけ鮮明に音や感覚を思い出し、どのような情動が現れるか観察します。
  3. これらの情動を善悪抜きで、単なる生理現象と考え穏やかに扱います。
  4. ポジティブにギアを入れ成功した体験を4分間思い出します。同じようにできるだけ鮮明に思い出し、生理的感覚として認識します。
  5. 3分間かけて元の状態に戻ります。体を確認しどんな状態か点検します。深呼吸して終わります。

幸せを見つけるためのマインドフルネス

自分の幸せとは何でしょうか?とても複雑な問題で忙しい日々の生活で考えることはあまり無いのでは無いでしょうか?

幸福には3種類あると言われています。
・快楽
・情熱
・崇高な目標

快楽は美味しい食事をしたり、楽しい音楽を聞くなどで持続時間が短いという特徴があります。
情熱は物事に没頭させてくれ快楽よりも長く続きます。しかし、習慣化されません。
崇高な目標は持続時間が長く、利他的なものの場合はかなりの時間続きます。

こうした考えに基づき崇高な目標を見つけるためのマインドフルネスのやり方が考案されています。

崇高な目標を見つけるためのマインドフルネス

ジャーナリングと同じように行います。

しかし、書く内容は私の核となる価値観は〜、私と言う人間は〜と言うテーマです。どんなことが好きでどんなことが嫌いか書き出してそれぞれに共通するカテゴリーを分析して見ましょう。書いてからすぐに見直すのではなく、少し時間をあけて見直すと自分の価値観と人生の目標を見つけるのに役立ちます。

一緒に行ってくれる人がいれば会話形式でも良いとされています。ただ、片方が話す時にもう片方はそれを遮ってはいけません。ちゃんと全てを聞き入れてあげましょう。

理想の未来を見つけるマインドフルネス

崇高な目標を見つける以外にも将来の自分がどうなっていたいかも考えて見ましょう。こうしたマインドフルネスを行うことで幸せな人生に近づけます。

  1. 今日の自分の人生の中で何もかもが自分の思い通り、もしくは上回っていたら5年後の自分の人生はどうなっているか?
  2. この問いに対し、自分がどうなって何をしているか?どう感じているか?他の人たちはあなたに対してなんと言っているか?を頭の中で1分間考えます。
  3. その後、考えたことを書けるだけ書きます。5年後でなくても10年後や15年後でも良いです。

思いやりの心を鍛えるマインドフルネス

他人に思いやりの心を持って接したい、と思いませんか?

相手に思いやりの心を持って接するためには共感能力が必要になります。共感能力があることで相手の痛みや悲しみを自分のものとして捉えることができます。

ただ、共感とは相手の心理を分析したり、同意したりすることではありません。頭でも直感でも相手を理解しようとする人のことです。共感能力はビジネスでも役に立ち、良い意思決定や相手からの信頼を得るのに役立ちます。

善良さを増やす瞑想

  1. 2分間呼吸に集中します。
  2. 自分の中の愛情や利他主義、思いやりに心を向け、自分の善良さが白い光となって体から放射されるところを視覚化します。少し間をあけます。
  3. 息を吸い込む時には自分の善良さを全て吸い込み10倍にし、吐き出す時には全世界に向けて吐き出します。2分間間をあけます。
  4. 自分が知っている全ての人が持っている善良な心に目を向けます。息をする時にはその善良さを全て吸い込み、増幅させ、吐き出す時には全世界に向かって吐き出します。2分間間をあけます。
  5. 最後に全世界の人が持っている善良さに目を向けます。同じように息を吸い込み、吐いて2分間間をあけます。

トングレンの瞑想

  1. 体と呼吸に意識を集中させます。
  2. 間をあけて自分を山のように感じるのを想像します。もう一度息を深く吸い込み高い場所から人生を見渡している自分を思い浮かべます。
  3. 自分の前に自分が座っていて最近の悩みで苦しんでいるところを想像します。黒い雲のようにその苦しみを吸い込み光の筋として吐き出します。これを何度か繰り返し。間を置きます。
  4. 自分に対してより優しく、暖かくなっているか確認します。
  5. 次は目の前に他人が座っているところを想像し同じように呼吸をします。
  6. 最後に数分間呼吸を繰り返します。

慈悲の瞑想

楽な姿勢で座り、下記の言葉を唱えるだけです。

  • 私は幸せでありますように
  • 私の悩み苦しみがなくなりますように
  • 私の願いごとが叶えられますように
  • 私に悟りの光が現れますように
  • 私は幸せでありますように(3回)
  •  私の親しい生命が幸せでありますように
  • 私の親しい生命の悩み苦しみがなくなりますように
  • 私の親しい生命の願いごとが叶えられますように
  • 私の親しい生命に悟りの光が現れますように
  • 私の親しい生命が幸せでありますように(3回)
  • 生きとし生けるものが幸せでありますように
  • 生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
  • 生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように
  • 生きとし生けるものに悟りの光が現れますように
  • 生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)
  • 私の嫌いな生命が幸せでありますように
  • 私の嫌いな生命の悩み苦しみがなくなりますように
  • 私の嫌いな生命の願い事が叶えられますように
  • 私の嫌いな生命に悟りの光が現れますように
  • 私を嫌っている生命が幸せでありますように
  • 私を嫌っている生命の悩み苦しみがなくなりますように
  • 私を嫌っている生命の願い事が叶えられますように
  • 私を嫌っている生命に悟りの光が現れますように
  • 生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)

マインドフルネスの驚くべき効果

マインドフルネスのやり方について紹介しましたが、簡単そうだと思いませんでしたか?

そうなんです、実際簡単なんです。
しかも、こんな簡単なマインドフルネスでも驚くべき効果が得られます。

実際にどんな効果が確認されているのか紹介していきます。

マインドフルネスの科学的効果
  • 認知機能の上昇
  • 感情を制御できるようになる
  • 自意識からの解放
  • マインドレスの効果が得られる

認知機能の上昇

マインドフルネスにより注意の瞬きと言われる現象が防ぎ、作業効率が上昇する事が報告されています。

注意の瞬きとは

注意の瞬きとは一時的に認知機能が低下することを言います。
例えば、特定のキーワードを見つけるために文章を読んでキーワードを見つけるとその周辺にあるキーワードに気づけない事があります。
この現象を注意の瞬きと言います。

この注意の瞬きがなくなることで書類の見落としや作業の確認ミスなどが無くなり、あとで大量の修正をしなければならなくなる、ということを防げます。

ちなみに、注意の瞬きは連続的にアルファベットが映し出し、その中に混じっている数字に反応すると言う試験方法で測定します。
ウィスコンシン大学の研究では瞑想をしたグループでは一度数字を見つけた後でも次の数字を見つける確率が上昇していたという結果があります(R)。

ワーキングメモリが向上する

ワーキングメモリとは仕事などで使う短期間の記憶力のことを言います。

仕事を進める上で同僚からの依頼を覚えていたりその日のスケジュールを把握するなど短期的な記憶に頼っている部分があると思います。こうした記憶力を鍛えることでうっかり忘れてしまった、というミスを避けることができます。

カリフォルニア大学で行われた研究では2週間の瞑想により短期間の記憶力や特定の数字を覚えておいて処理するなどの能力が高まることが分かっています(R)。
また、ノースカロライナ大学によって行われた研究ではたった4日間の瞑想でワーキングメモリや持続的課題処理能力、言葉の流暢さが向上したことが分かっています(R)。

短期間でもこうした効果が得られるのは驚きですよね。

感情の制御

瞑想により感情の処理の仕方が上手くなることも知られています。

マインドフルネスはストレスや不安を軽減し、何か嫌なことがあってもネガティブな感情からすぐに回復できるようにしてくれます。また、その結果として日々の生活が楽しくなり幸福感が上昇することも知られています。

私もマインドフルネスをする前は嫌なことをズルズルと引きずってしまっていました。「何であいつにそんなことを言われないといけないんだ」、「また無駄な仕事を増やされた」などネガティブな感情でいることが多くなっていました。

しかし、マインドフルネスにより「今、ネガティブなことを考えて自分を不幸にしているな」と客観的に自分の感情を分析できるようになり、意識的に別のことに集中することでネガティブな感情を引きずらないようになりました。

同じような結果が瞑想の第一人者として知られているジョン・カバットジンの研究やバージニア大学で行われた研究(R)により明らかになっています。また、ケンタッキー大学で行われた研究ではマインドフルネスと同様にセルフコンパッションも幸福感を高めることが分かっています(R)。

日々の生活でイライラしやすい、ストレスを感じやすいという人にはオススメですね。

ちなみに、瞑想の達人と呼ばれる人たちはガンマ波という脳波を出し、何もしていないときでも喜びや穏やかさを感じられる能力があるようです。この辺は何が起きてるのかよくわからないです。マインドフルネス凄すぎ(笑)。

自意識からの解放

マインドフルネスにより「今、この瞬間」に対する意識を強める練習をすると自意識が強くなります。

マインドフルネスにより私たちは自意識から解放され、ストレスや痛みを感じにくくなると言われています。
実際に瞑想の訓練を積んだ人は体が受けているストレスと自分の判断を別々に考える事ができ、痛みが生じていても「イタッ」とはならず「体が痛みを感じているな」と客観的に痛みを捉えられるようです。

こうした痛みや喜びなどの感覚を直感的に判断してしまうのは大脳基底核が原因とされています。しかし、瞑想により大脳皮質が鍛えられるため外からの刺激を冷静に判断できるようになるそうです。

サンクコストにもとらわれなくなる

サンクコストとは?

サンクコストとはすでに支払ったコストのことを言います。
例えば、1万円支払って買った靴が足に合わずに靴擦れを起こしたとします。通常は「1万円払ってしまったからな〜。」という感情が湧いてきて靴づれの痛みというさらなるコストを支払ってしまいます。

マインドフルネスをした場合にはこうしたサンクコストに引きずられ難くなるようです(R)。理由としては過去や未来でなく今に集中するからだと考えられています。

自意識から解放されることで自分の感情を客観的に捉えられるということですね。

マインドレスの効果が得られる

マインドフルネスが「今、この瞬間に」集中することだったのに対し、マインドレスは集中していない状態のことを言います。

マインドレスはただボーッとすることを言うのですが、これだけだとマインドレスを正確に理解している事になりません。
マインドレスな状態にいることで潜在的に情報を処理し、とても複雑な問題に対しての答えを見つけられます。

マインドフルとマインドレスは互いに高め合う

2つの状態を行き来することで理性では解決できない複雑な問題も解決できるようになることが知られています。
マインドフルで脳の特定の領域を活性化させることにより、マインドレスな状態になった時に脳の様々な場所が活性化されクリエイティブなアイディアが生まれます。

マインドレスは直感的な判断のため、ネガティブに捉えられることも多いです。

しかし、将棋の棋士がトレーニングを重ねるほど直感的に次の一手が見えてくる様になることも知られており、このマインドレスに関する考え方が変わってきています。

マインドレスには下記の3つの利点があると知られています。

マインドレスの3つの利点
  • オートパイロット
  • 衝動的に行動する
  • マインドレスに決断する

オートパイロット

私たちは日々の生活の中で膨大な量の情報を処理しています。

それぞれ情報について細かく考えるよりもマインドレスな状態になり、自動的に処理してくれる方が負担が少なくて済みます。

そのため、下記の様な複雑な問題に対してはオートパイロットが使われています。

オートパイロットが有効な例
  • 相手が信頼できる人かどうか
  • 感情の調整
  • 創造的な発想

考えていたらキリのない問題ばかりです。
しかし、実際にマインドレスな状態で判断することで正解に近い答えを出せるという研究もあります。

直感で見抜く

ハーバード大学のロバート・ロゼンタールは直感的な判断の有用さを報告しています(R)。被験者に教師が授業をしている映像を見させ「教師がどれぐらい有能か?」と言う質問をしました。
その結果、30秒しか映像を見ていない人とその後数カ月間その教師の授業を受けた人の評価はほぼ一致していました。

このように直感的な判断も複雑な判断の場合には役立つ事がある、と言うのが分かります。

衝動的に行動する

衝動に任せると行動そのものを楽しめる様になることが知られています。

マインドレスな状態の方が偏見がない

例えば人種問題の様なセンシティブな内容を議論するとき、疲れていない状態だと偏見に満ちた言動や正しいことを言おうと言う意識が働くため、議論を楽しめません。
逆に、5キロのマラソンを走らせるなどして疲れさせると、余計な意識を無くし議論を楽しめる様になったことが知られています。
さらに、第三者に偏見がないと評価されたのは疲れた参加者たちの方が多かったという結果も得られています。

つまり、マインドレスな状態でいることで議論を楽しめただけでなく、偏見も少ないと判断されたということです。

マインドレスに決断する

私たちは無意識に情報を処理する能力があるために正しい判断を下せます。
例えば心理学の専門家を対象にした実験があります。

問題について考えない方が良い?

1つのグループには患者のデータを読んで4分間考えてから患者の心的障害を判断してもらいます。もう1つのグループには患者のデータを読んで4分間パズルを解いてもらってから判断してもらいます。
この結果、パズルを解いた方が5倍も正確に判断できる様になっていました。
この原因として、無意識の情報処理が考えられています。

私たちは情報を出された後に他のタスクを行なっていても無意識下でその情報について考えている様です。
さらに、この無意識下での情報処理の方が複雑な判断をするときには優れているようです。

問題を先送りする方が良い?

ペンシルバニア大学のアダム・グラントは問題を先送りすることでより創造性の高い解決策を思いつくと主張しています。
被験者に問題を出した後、マインスイーパーをやって問題を解いたグループとすぐに問題を解いたグループでは前者のグループの方が創造性の高い解決策を思いつくと言う結果が出ています。
これはマインスイーパーが創造性を高めたのではなく、マインスイーパーやってる間にも潜在的に問題について考えているからだとしています。

実際に先送りの良い例としてキング牧師の有名な演説があります。
長い間様々な人の意見を聴きながら演説が作られました。しかし、有名なI have a dream と言うフレーズは演説の直前に取り入れられたようです。

だた、問題を先送りしすぎると創造性は下がってしまうそうです。そのため、全ての先送りが創造性を高めるのではなく、効果的な先送りがあると言うことです。

後発企業の方が失敗しない

似たような調査で先行企業が失敗する可能性は47%なのに対し後発企業が失敗する可能性はわずか8%と言う結果が出ています。

一般的には先行企業の方が市場を独り占め出来るため有利だというファーストペンギンの理論などがあります。
しかし、最初に未知の市場に飛び込むよりも先行企業の様子を見てそこに独自性を加えて市場に参入した方が成功する可能性が高いようです。

実際にGoogleもYahooの例を見てから参入しましたし、FacebookができたのもMyspaceやFriendsterがでた後でした。

マインドレスな介入

こうしたマインドレスの利点をうまく活用するためには決断方法を工夫すると良いとされています。

  1. 短い時間、マインドフルに熟考する
  2. 考えるのをやめる
  3. 何か全く無関係のことを行う
  4. 決断する

今までは理性的に考える能力を高めることが最良の判断を生み出すと考えられてきましたが、実際は無意識での情報処理に助けられています。

マインドレスの効果についてはいくつかの研究で確かめられています。
過去の実験ではにこやかに話す写真を見ながら電話した人の方が85%多く売り上げたという結果や「高齢者や障害者、LGBTを差別的に見るのをやめよう」と言われた人の方がますます差別的になる、という結果が得られています。

単純な問題について考えるのであれば論理的な思考に頼った方が良いのですが、マインドレスの効果も考慮して考えて行かなければならないようです。

マインドフルネスに効果がある理由

いくつかマインドフルネスの効果を紹介しましたが、その理由についても明らかになっています。少し難しいのでザックリと紹介しときます。

なぜ瞑想で効果が得られるのか?

  • 認知機能を司る前頭前野の働きの強化
  • 感情の処理を担う扁桃体の働きの低下
  • 効果的な学習、記憶、知覚をもたらすガンマ波の産出
  • セロトニン、オキシトシン、ドーパミンなどの幸福ホルモンの増加
  • 知覚や思考、随意運動などの高次機能を制御する大脳皮質の肥大化

サラ・ラザーはMRIにより瞑想による脳の注意力や感覚処理に関わる領域の肥大化を確認しています。さらに、瞑想の実践歴が長い人ほど肥大化の程度も大きいようです

このように瞑想は脳のネットワーク全体に効果があり、行動や思考の変化と関係があるようです。

ただ、問題点もあります

マインドフルネスは仕事や教育、治療に驚くべき効果があるということが報告されていますが、科学的効果が疑われている報告もあります。

ポジティブな結果だったり大きな成果が見られた時にだけ報告するため強いバイアスが掛かっていると言う指摘もあります。
また、実験上いくつかの課題があり測定するのが難しいと言う面もあります。

瞑想の効果を確認する上での課題
  • 瞑想の効果は短期と長期で結果が異なることがある。
  • 対称群をどのように置くかに問題がある;瞑想のどこに効果があるか分からないため何と比較すればいいか分かりません。姿勢や呼吸、思考状態など詳しい瞑想の仕方を教えられたグループと教わらなかったグループでの実験が望ましいとされています。
  • 測定装置が高額;神経の活性化度合いを測定するためにfMRIを使わないといけないのですが実験費用が高額になります。

しかし、こうした課題を乗り越えて科学的な効果が確認されているものもあります。今回紹介したものはこうした課題をクリアして科学的に信頼できるとされているデータです。

マインドフルネスの研究に対して何でも信じすぎないというのが重要ですね。

まとめ

今回はマインドフルネスのやり方と驚くべき効果について紹介しました。

簡単にできてとても素晴らしい効果があるのでやってみる価値は十分あります。まずは気軽に初めてみてはいかがでしょうか?

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