この人と付き合うのは辛い(泣)。他人を支配したがる社会支配傾向
- 良い人間関係を構築したい
- 付き合うと不幸になる人の特徴が知りたい
- 社会支配傾向って何?
どんな人とも良い人間関係を築こうとすると無駄に疲れてしまいます。できるだけ関係が深くなる前に関わってもいい人かどうか判断したいですよね。その判断の指標として社会支配的傾向という考え方が役立ちます。
この記事を読むことでどんな人と関わらない方がいいのか分かります。
この人と付き合うのは辛い(泣)。他人を支配したがる社会支配傾向
社会支配傾向という概念はJim Sidanius と Felicia Pratto によって作られました。
社会支配傾向とは相手や他のグループの優劣をつけたがる性格のことを言います。アメリカの白人至上主義のような考え方は社会支配傾向が強い人たちの考え方と言えます。
優劣の対象としては下記のようなものがあります。
- 年齢
- 人種
- 性別
- 宗教
- 民族
年齢や人種でステレオタイプな見方をする人は社会支配傾向が強いということです。
社会支配傾向の強い人は差別は経済が持続的に発展していくためには避けられないと考えています。また、対立や抑圧がグループを基にした階層構造は仕方がないものとして認識します。
そのため、競争に勝った結果として優劣に差をつけることを良しとする考え方をしています。
会社でも出世した人で部下に対して「使う」という言葉を使っているような人は社会支配傾向が強いと言えるでしょう。そして、私の経験からもそういった言葉を使う人とは関わらない方が懸命です。
- 発育の過程
子供の発育過程において社会支配傾向がどのように発達するか研究が行われています。その中で我慢強い子は世界を競争の場として認識しており、社会支配傾向が高いことが知られています。 - 文化や国の違い
日本は社会支配傾向の高い国だとされています。確かに、日本は礼儀正しかったり、規則は守りますがボランティアのような利他的な行動が少なく、男女差別が大きな問題となっています。
よくあるのは頑張ったからその分報酬を受けて当然という考えです。そういう考え方をする人もいると思いますが、社会支配傾向が低い人はこのように考えないようですね。
社会支配傾向の特徴
社会支配傾向には3つの特徴があります
- グループや個人の優位性
- 他の個性との関係
- 低い同情心
グループや個人の優位性
社会支配傾向が高いと権力をより求めるようになり、他人を支配することを好みます。
- マキャヴェリズムの性格
- 法を厳しくして階級構造を強めたがる
- 暴力を好む
- イライラしやすい
マキャヴェリズムとは道徳心がなく、他人を支配したいという欲求を持った人のことを言います。
他の個性との関係
右翼側権力との弱い相関がみられます。
社会支配傾向も右翼も性差別主義や人種差別主義なのですが、異なる偏見もあります。
- 社会支配傾向の人は部下や社会的弱者に対して偏見があります。
- 右翼は脅威になりそうなグループに対して偏見があります。
同じように保守的でも少し考え方は違うようですね。
ビッグ5との関連も研究されています。
ビッグ5とは個人の性格を誠実性、開放性、同意性、外交性、神経症的性格の5つから診断する方法です。
- 社会支配傾向が高い人は開放性が低い
開放性の低さは右翼と強い相関があります。社会がシステムとしてどのように機能すべきか固定された考えがあります。また、開放性の低い人は安全や安定を好む傾向にあり、保守的な政策を好む右翼と一致しています。 - 社会支配傾向が高い人は同意性が低い
低い同意性は社会支配傾向と強い相関があります。同意性が低いと自分の興味や自分の我儘によって動機づけがなされます。また、常に自分を中心に考える傾向があり、我慢強いメンタルを持っています。
他の個性との関係
社会支配傾向は正直さと謙虚さとも負の相関がある様です。
正直さと謙虚さはダークトライアドという自分のために他人を犠牲にする人を見抜くための重要な指標とされています。詳しくは下記の記事を参考にしてください。
低い同情心
社会支配傾向が高い人ほど同情心(共感力や思いやり)が低いことが分かっています。
- 相手の振る舞いを決定する要因もコントロールしようとする
- 相手が同情されるシナリオを消していき逃げ場を無くそうとする
- 立場の弱い人には同情しないが、立場の強い人に同情を見せる
これは恐ろしいですね。
こうした社会支配傾向の強い人を測定する方法も紹介しておきます。
社会支配傾向の測定方法
社会支配傾向は下記の3種類の質問によって測定できます。
- 優位性サブスケール
- 反平等主義サブスケール
- 社会支配傾向16項目
それぞれの質問に対して同意しないから同意するまで1〜7のスコアをつけます。
優位性サブスケール
・特定のグループの地位が維持されなければならない
・特定のグループが上に立ち、他のグループが下にいることは良いことだ
・理想的な社会のためには特定のグループが上に立つことが必要だ
・いくつかのグループの人は単に他のグループよりも劣っている
・下位のグループは上位のグループになるに値する(同意するほど低いスコア)
・誰も社会的優位に立つべきでない(同意するほど低いスコア)
・下位のグループはその地位を維持すべきでない(同意するほど低いスコア)
・グループの優位性はよくない原則だ(同意するほど低いスコア)
反平等主義サブスケール
・各グループの平等を推進すべきでない
・全てのグループの人が同じ質の生活ができるよう保障しようとすべきでない
・各グループを平等にするのは正義でない
・グループ間の平等を目標にすべきでない
・全てのグループに対して平等にチャンスを与えるべきだ(同意するほど低いスコア)
・異なるグループの条件を統一するすべきだ(同意するほど低いスコア)
・どの程度効果があるかに関わらず、全てのグループが同じチャンスを得られるようにすべきだ(同意するほど低いスコア)
・グループ間の平等は理想とされるべきだ(同意するほど低いスコア)
社会支配傾向16項目
・いくつかのグループの人は単に他のグループの人よりも劣っている
・欲しいものを手に入れる時には他のグループに対して力を振るわなければならない
・いくつかのグループが他のグループよりもチャンスを与えられても良い
・生活を豊かにするためには他のグループを踏み台にしないといけない時もある
・特定のグループが特定の地位に居座っていたら問題が少なくなる
・特定のグループが上位や下位にいることはおそらく良いことだ
・劣っているグループはその地位にいるべきだ
・他のグループがその地位に居続けることもたまには必要だ
・各グループの平等は良いことだ(同意するほど低いスコア)
・各グループの平等を理想にすべきだ(同意するほど低いスコア)
・全てのグループは平等にチャンスが与えられるべきだ(同意するほど低いスコア)
・他のグループも平等にチャンスを与えられるようにすべきだ(同意するほど低いスコア)
・社会的な平等を高めることは社会に利益がある(同意するほど低いスコア)
・人々が平等に扱われれば問題が少なくなる(同意するほど低いスコア)
・収入が平等になるように努力すべきだ(同意するほど低いスコア)
・社会で優位に立つべきグループは居ない(同意するほど低いスコア)
・ほとんどの人は社会支配傾向が低いことが分かっており7段階評価で平均2.98だそうです。
まとめ
今回は社会支配傾向という他人を支配したがる人の特徴を紹介しました。
男性は女性よりも社会支配傾向が高くなる傾向があるようです。
進化的に男性が優位に立って集団を率いてきたことにも関係しているとされています。また、女性の方が弱い立場であることが多く社会的情報を正確に認識し評価していることも社会支配傾向を下げる要因となっていると考えられています。
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